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非SaaS企業のカスタマーサクセスについて学ぼう!

お盆時期も過ぎ9月も中旬に入りましたが、皆さま残暑如何お過ごしでしょうか?まだまだ暑いですね。
久方ぶりにカスタマーサクセス関連のnoteを更新します。
先月(8/8)、非SaaS企業のCSについて対談を行いました。私もとても良い刺激になりましたので後学のためにも纏め記事を書きます。
CS活動のご参考になれば幸いです。
※公開はご了承頂いております

凄いカッコいいアイキャッチを創ってくださいました♪

対談のお相手

お相手は歯科技工専門総合商社『成田デンタル』吉原さん、岡さんの2名。吉原さんはウイングアーク1st 社「MotionBoard」を利活用頂いており、ユーザーコミュニティ”nest”東京ワーキンググループリーダーとして活躍中です。ご縁あって成田デンタルさんの月1社内勉強会にお招き頂き、CSテーマで対談が実現しました。有難いお申し出でした。

口腔内スキャナ活性化に必要なカスタマーサクセスを学ぼう!

当日は下記の流れで進行しました。
・お互いの自己紹介
・一般的なカスタマーサクセスの定義と業務
・カスタマーサクセスで意識しなければならないポイントとは?
私からは自身のCS業務をお話し、それを受けて、成田デンタルさん側ではどのような業務でどのように取り入れてよい部分あるだろうか?等を対話しました。なお、今回の視聴者は成田デンタルさんの営業の皆さんです。

自己紹介

吉原さんのご紹介

今回の対談を企画してくださった立役者であり今回のモデレーターです。
Data Driven Meister’s Storyとして記事がありますので、ぜひご覧ください!

岡さんのご紹介

この対談の直前に神戸から幕張に引っ越しされた岡さん、商品企画部に配属、口腔内スキャナーを扱われております。成田デンタルさん内の全社員研修でカスタマーサクセスの必要性を発表後、あらためて学んで頂くとのことで今回企画されました。
異動直後でバタバタのところ有難うございます!

井出(私)の紹介

因みに私の紹介は下記です。4年前の情報で少し古いですがご了承下さい。

お二人のおかげで、会話しやすい空気感を創り出して頂き、とてもディスカッションしやすかったです!吉原さんの鋭いツッコミに上手くレスポンスできなかった場面もあり申し訳なかったのですが、これも異業種間の会話ならではで良い経験でした。

テーマ① CSとは

まずはCSとは何かを営業さんにもイメージつけていただくため、概念や成り立ち(背景)のお話から切り出しスタートしました。

CS概要をChatGPTに聞いてみた

出典:8/8時点のChatGPTより

成田デンタルさんでは技工物をお客様(歯科医師の先生)からお預かりしビジネスされております。先生のお困りごとを解決する提案や口腔内スキャナー(IOS)だけでなく、最終的には技工物で先生(お客様)を満足していただくため、営業部門もCS概念を知っておく必要があるとのご意見でした。

ビジネスモデルの変化

出典:書籍「起業大全 スタートアップを科学する9つのフレームワーク」より抜粋加筆

成田デンタルさんでも単発案件で終わるケースもあるそうです。ここで、さらなる追加提案で気に入って頂き、広げてお付き合いしていく必要性を説いておられました。つまりは、受注してからのお付き合いですね!
歯科医院さんの成功とは何か?
口腔内スキャナ―も購入してからが本番であり、先生からも成田デンタルさんのサービス(技工物など)を求められており、しっかり支援しないと続かないとの課題があるようです。

テーマ② CSのプロセス

続いて、一般的なカスタマーライフサイクルと受注後のプロセスについてディスカッションしました。

カスタマーライフサイクルについて

出典:書籍「カスタマーサクセスとは何か」より抜粋加筆

口腔内スキャナ―提案でも、「導入前から寄り添っていると、商品を続けて扱って下さる、担当さんが変わっても技工物を預けて下さる」とのこと、「初動が大事」との話でした。
先生だけでなく、歯科医院のスタッフさんも教育できていると、院内のモチベーションも落ちず関係性が続くようです。ここでキーマンの話題に。
実は院内スタッフさんがキーマンであり、キーマンを探すのも重要、特定の先生だけでなく廻りも決裁者も巻き込むアプローチもとても大事とお話されていました。特に、PCが得意・不得意なども重要とのこと。私のCS業務では経理さんとお話することが多く、まさに同じでした。
初めて技工物を納品しお客様に施術後が1つの成功、このタイミングで感触がよければ次に風呂敷広げられそうです。

受注後のプロセス

出典:書籍「TEH MODEL」より抜粋加筆

受注後のプロセスについては上図と一緒にはならないものの、可視化することで学べる事が多く、営業さんとして何をするべきかが明確になっていくとのお言葉でした。業種・業界によっては違いますが大雑把でも整理してみる意味はあると思います。
例えば、何かのキャンペーン後に受注したサービスを継続し患者さんに選んで頂くことはプロセスを把握する必要性があります。受注後、作業工程を共有するの事がオンボーディング支援にあたり、その先、商品をラインナップに入れて頂き、更には患者さん(お客さん)に選んで頂くプロセスです。
把握しておくことで、次のご提案(別オプション)も促せそうです。

サクセスの基本業務

出典:Webサイト「CS MEDIA SUCCESS & SUPPORT」記事より抜粋加筆

プロセスの後は「価値を伝えること」「アウトカム(ビジネス成果)を届けること」についてディスカッションしました。
口腔内スキャナ―であっても、アカウントプランは先生によって異なり、先生に合った商品を提案する必要がありそうです(ゴールを理解する)。
口腔内スキャナ―そのものの価値で、成果として求められるのは業務の効率化(スタッフさんの手間が改善できること)が圧倒的に多いようです。
先生は経営者であるため業務効率は課題であり、課題解決ができると診ることが出来る患者さん(お客さん)が多くなり、沢山来ていただく事も可能となります。

オンボーディングの重要性

井出作成

少し話が逸れますが、ちょうど私が社内勉強会したスライドを用いてポイント2点をお伝えしました。
・サクセスはキックオフ前からはじまっている
・お客様自ら考えて頂く or 「おんぶにだっこちゃん問題」
後者の話は、支援する側のリソース問題にも関わります(お客様側の視点ではない社内側の話)。初期立ち上げは重要であるものの、社内人的リソースよりもお客様がどんどん増えてくる状況になると、ずっと手厚くフォロー出来ないという話です。リソース体制が十二分に整えられると別ですが、どこもそうはいかない事情はあると思います。また、お客様側も自身で製品やサービスを使いこなして頂くことで、より成果に近づくことが出来ます。
歯科医師さんでも同様な様子です。例として、マウスピースでの矯正シーンで「長期間一緒にやりましょう」「歯が動いてきたら変えましょう」と打診は必要ですが、専任の方に「おんぶにだっこ」で先生が育たない事にもなりかねないそうです。ここで私としては専任の方そのものが問題ではなく、専任が居るからこそサービスが浸透しやすいケースもあるとお話しました。ただ、専任をお一人様ではなく増やして頂くよう促すのも1つです、と。専任さんが辞められたりすると大変ですからね。

スケールするCS

出典:ウェビナー「Pulseレポート6/20」弘子ラザヴィさんの資料より抜粋

CSには所謂ハイタッチやロータッチ、テックタッチのタッチモデルがありますが、ここ最新のCSでは「デジタルで全顧客にタッチ」との考えが広まっているようです。そもそも本来の考え方としてタッチをカテゴライズするのではなく、お客様に合わせてタッチモデルを変える概念はあるものの、基本的には全顧客状況を把握する為にデジタルを利活用する必要があります。
はたして歯科医院さんでデジタル化は難しいかもしれませんが、そこは避けて通れないと私は考えます。
余談ですが、つい先日抜歯したのですが、その歯科医は約款(承諾書)もタブレット、椅子の目の前にどでかいレントゲンモニター、受付にはマイナンバーカード用機器など置いてましたので、私が知る数十年前と比較し大分凄くなっておりましたね。

顧客データを「見える化」

出典:データのじかん

ヒューマンタッチを行うには「お客さんの状態を知る」必要性があり、上図の例を用いて説明いたしました。因みに、上図はBIツールのCS支援におけるお客様の展開率・活用率をバブルチャートにしたものです。このチャートから優先的にヒューマンタッチするお客様を特定するわけですね。
成田デンタルさんもお客様への活動履歴(定性情報)進めていくそうです。

まとめ

お客様のSuccessを具現化する

今回の対談で、まだまだご支援が受動的であり、もっと能動的に動きお客様のゴールを把握していくことが大事だと締めくくられておりました。まずは社内の情報を共有し歯科医院さんに技工士さん内勤スタッフさんなどのステークホルダーを把握、営業スタイルも考えていかないと将来生き残っていけないとの強いメッセージが伝わりました。
私はIT業界であったため、今回のCSテーマでそのまま口腔内スキャナ―に置き換えると難しい部分はあったものの”勉強になった”と仰って下さってとても嬉しく思いました。

対談後記

視聴頂いていた営業さんからはこの対談で「そのとおり!」という共感メッセージもコメントあったそうです!CS概念が広がれば幸いですね!

参考書籍

END

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