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秋元康作詞曲の楽しみ方

ズバリ秋元康作詞曲の楽しみ方は「康の引き出しにあるワードをどのように組み替えて歌詞を紡ぐかを楽しむ」です。

秋元康さんはもう何十年も歌詞を書いてきていますが最近では結構ネタ切れなどと揶揄されています。しかし僕はそうは思わないです。秋元康さんは最初から康哲学的な信念を持っていて新しいアイデアを考えて歌詞を書くというよりはすでにある引き出しにあるアイデア、ワードを組み替えて歌詞を書いていると感じています。

それでも現代にあった歌詞を書くこともあります。例えばメールをラインと言うようになったりSNSを題材にする歌詞などもあったりと「今」だからこそのワードが出てくることもありますが最後に伝えたいことは変わらず信念を持って歌詞を紡いでいます。

秋元康歌詞の面白いところは同じテーマでもグループによって全然違う着地をしている曲も多いことです。例を挙げるとすれば日向坂46の「沈黙した恋人よ」と櫻坂46の「無言の宇宙」です。この曲はどちらも恋愛曲で恋人との「沈黙」を題材にしている歌ですが

「沈黙した恋人よ」では 

話さなきゃわからないんだ黙ってちゃ夏は終わるよ

という歌詞がありますが「無言の宇宙」では

口になんか出さなくたって想いは通じる

という歌詞があります。どちらも沈黙によって起こる恋愛模様を紡いでるのですが沈黙によって終わってしまった愛もあれば沈黙で愛を紡いでいるパターンもありすごく興味深いです。沈黙で愛を描くというアイデアでも色々な書き方ができるのがさすがだなと思います。

恋愛曲では特に同じようなワードが出てくることが多いですがその中でストーリー自体は全て新しいものなので面白いです。

ぜひ秋元康曲を聴くときには他の曲と同じワードが出てきてもどのように違うのかどんなストーリーが紡がれるかを意識しながら聞いてみると面白いと思います。


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