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僕の見た風景 7 (連続短編小説)

相当昔のことだし、
ずっと一緒にいたわけではないので
僕の記憶が飛び飛びになるのは
大目に見て欲しい。

子供の頃のアキラと
大人になってからのアキラが
今、僕の中で、
グルグル回っている。

神童のように思えたアキラも
勉強にはあまり興味がなかったようで、
大学は、比較的三流だった。

その頃には、僕のことを
俊兄(としにい)と呼び、
社会人になった僕は、よくメシを
おごらされた。

「オレは俊兄みたいな
インテリやないから、
三流大学で十分や」

ひがみ半分で、
そう言ってはいるものの、
態度と体のでかさで、
僕よりアキラの方が年上に
見られることがあった。

アキラは見た目、30くらいには
見えたのかもしれない。
自分で言うのもなんだけど、
僕はスレンダーなほうだし、
年齢より若く見られることが多かった。

「今は老けて見られるけど
いつか実年齢と見た目年齢が
一致するんや」
と言っていたアキラ。
確かに年を取れば取るほど
若く見えてきたかもしれない。

大学生になって、
車の免許は取らないのか
聞いたことがあった。
男なら、まず一番の彼女GETの
準備である。

が、アキラは鼻で笑った。

「オレは、将来、運転手付きの生活を
するから、免許いらん」

子供の頃から大胆不敵なヤツで、
根拠のない自信に満ち溢れていた
アキラ。

そこそこの大学を出ても、
中堅サラリーマンに落ち着いた僕は
目が点になったものである。

              続


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