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「ジャイロスコープ」伊坂幸太郎さん(読書感想文)(*ネタばれ注意)

以前、図書館の期限が切れてあきらめた、
他の作者とのアンソロジーに入っていた
「浜田青年ホントスカ」が
入っていてよかった。

★「浜田青年ホントスカ」
なんでも屋の稲垣さんに
足止めされた「ほんとっすか」が
口癖の浜田くん。
でも、実は、彼はホンモノの
浜田青年を殺害し、一週間、
稲垣にその身元を保証させて、
結局黒幕という、シュールな話。

★「ギア」
セミンゴというなぞの生物から
バスで逃げる人々との
異世界の話。
わけわからんところがいい。

★「二月下旬から三月上旬」
なんでいつも本を読んでいるとき、
その月日が現実と重なるんだろう。
(この本を読んでいたとき、
2月~3月だった)

ボケていく青年(→老人)と
坂本ジョンなる人物との
架空とボケが混じった、
これもシュールな話。

★「IF」
パラレル・ワールドの現実化?
20年前に起こったバスジャックで、
不甲斐なかった男たちが、
20年後、やりかえす。
**バスジャックの犯人に、
  20年後、再犯行を
  勧めたのが稲垣さん。

★「一人では無理がある」
サンタクロース会社(NPO?)の話。
松田くんのポカは、
必ず人のためになると人事が
把握していて、
ポカを放置しているという不思議。


★「彗星さんたち」
新幹線掃除の話。
働く女性のための小説らしい。
伊坂さんも大変だ。
1号車~6号車?くらいで、
鶴田さんという掃除婦リーダーの
おばちゃんの半生が描かれているのでは?
という発想がおもしろい。

★「後ろの声がうるさい」
息子と父親の話。
お互いにわかっているのに
他人のふりをして、
新幹線に座っている。
これもまた、「彗星さんたち」につながり、
全体的に何かがつながっている短編集。

伊坂さん、得意なやつ♪

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