見出し画像

Esports Heroes Inc.始動 -ベトナム編-

ハノイに来て1カ月が過ぎようとしている。コロナの影響もあってこれまでの出張ベースから滞在ベースかえてみた。ベトナム入国にはまだ1週間の隔離があるから、じゃあ住んじゃえと単身渡越した。俺がベトナムに来た目的は、Esportsのリーグを作ること。中学、高校、大学そして社会人を対象としたEsportsアマチュアリーグだ。社名はEsports Heroes Inc. LAで一度だけ行った居酒屋ヒーローからパクった。俺の名前もヒロだし。洒落じゃないけど案外評判はいい。

この会社で、中学生リーグはMSEL (Middle School Esports League), 高校はHSEL(High School Esports League)、大学生含めた18歳以上のリーグはEsports Hero Leagueを年齢別に3つのリーグの構築を目指している。
これに使うソリューションはアメリカ、カンザスシティにあるGeneration Esportsが開発したソリューションをライセンス契約し使わせてもらっている。アメリカではすでに高校を中心に3,000校以上がこのソリューションを導入している。単に学生にゲームをやらせるためにこの事業をやるわけではなく、教育と連動したプログラムも併せて提供する。ゲーム好きな子供にゲームをするなと言っても子供はどうあれやるわけで、じゃあそのエネルギーをもっと有効に活用しようと始めたプログラムだ。

12歳の子供がいる母親が、学校から帰ってくると何時間も部屋に篭りっきりでずっとゲームをしていると嘆いていた。当然親は子供に対し、ゲームをやめろとキツく当たる。それに対し子供は、ママ、僕が他の子たちみたいにバスケットボールとかベースボールをやっていたら同じことを言う?と。これが僕が僕らしくいられる場所で、それがたまたまゲームだっただけだよ、と。
ゲームを通じて友達もたくさんできた。彼らとゲームの戦略を考えたり、もっと上手くなろうとみんな頑張って練習してるんだと。

子供たちはゲームを通して実は様々なことを学んでいる。その能力を引き出すことで将来的により良いキャリアを構築することができると信じている。例えばコミュニケーション能力、ミスした時の咄嗟の判断力、軌道修正、チームをまとめる統率力など、これらはまさしく他のスポーツでも目的としていることだ。こういったことを課外授業のプログラムとして提供し、個々の能力を伸ばし、より良いキャリア構築に貢献したいと思っている。そして、各学校のチーム同士が競い合えるようなシステムを提供しようと日々活動をしている。日本で言えば高校野球のようなもので、高校球児は甲子園目指して日々厳しい練習に励んでいる。同じように、年2回(春と秋)メジャートーナメントを実施する。各地域の予選から、プレイオフ、そして決勝と言ったストラクチャの構築を目指している。数年後は、国ごとの中高大学生チャンピオンがどこかに集結して、LAあたりでオフラインワールドシリーズができればと構想を練っている。

ちなみにクラブに入部したい子供はGPA3.0以上という決まりも設け、文武両道を基本としている。また、ベトナムではまだまだ多くの家庭が貧困に苦しんでいて、家庭の事情で大学進学できないとか、そもそもクラブに入部もできない子供たちのためにスカラーシップ制度も設けている。子供たちの進学、卒業後のキャリアの選択肢を拡げるためにも、ゲームを通じて様々なチャンスを与えられればと思っている。細かく言えば、この事業は2社間のコラボレーションで実現される。Esports Heroes Inc. はトーナメントシステムの構築が主事業で、スカラーシップ、教育プログラムはアメリカのNASEF (North America Scholastic Esports Federation)が担当する。ちなみにNASEFはすでに日本でも活動している。

とはいえ、子供にゲームをさせることに否定的な親や先生はまだまだ多く、実際には大人(親)の教育、啓蒙から始めなければならないのが現実だ。先ずは学生を対象にした小さい規模のトーナメントを随時開催しながら徐々にリーグを構築していくスパンの長い事業になりそうだが、ここのところ賛同者も増え、追い風を感じている。

そんなことで、まずはベトナム市場参入の挨拶も含め、Esports Heroes Openを来年1月から13歳以上を対象として開始する。トーナメントはリーダーボードスタイルで1ヶ月通して毎月行われる。対象ゲームも月毎に変更し、幅広い年齢層を取り込んでいこうと考えている。

このあたりの動きと東南アジア、オセアニアのEsports市場、たまにワンコの話など今後書き留めていこうと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?