モノを知ることはヒトを知ること

世の中にはたくさんのモノが溢れている。
そして私たちは毎日モノを使ったり、見たりしている。

出典:https://high-brands.com/img/interior/product/product-item162-1.jpg

あなたはこの椅子を見て何を思うだろうか?
多くの人はきっと何も思わないだろう。

少し興味がある人はデザイン性の美しさに気づくだろう。

ただこれを作った開発者の思いまで考えられる人は多くはない。



これを作ったのはフィンランドの建築家アルヴァ・アアルトさん。

1932年にこの椅子は誕生した。作られた当時は結核という病気が人々を苦しめていた。

アルヴァ・アアルトさんはフィンランドのパイミオ市にあるサナトリウム(結核療養所)にいる結核の患者さんがその椅子に座った際にゆったりと息ができる背面と適度な弾力にこだわって作った。

この椅子にどんな人が座り、どこに、どんな目的で置かれるのか、アルヴァ・アアルトさんの思いやりが詰まった椅子だった。

「人が中心」そして、その人と同調する素材は「木」という方程式をもった建築家アルヴァ・アアルトさん。


もう一度、この椅子を見てみよう。

作り手のこだわりがもっと見えてきそうだ。


そして、世の中に目を向けてみよう。
なぜその素材が使われているのか?なぜその形状なのか?なぜそこにあるのか?

世の中の技術を見る目を養うことで、世の中の見え方が変わる。開発者との対話だ。

その様に世の中が見えた時、少しだけ幸せを感じられる気がする。

あなたが今日触った電車の手すり。ボールペン。付箋。そこにはどんな思いが工夫が詰まっているのだろう。

モノを知ることはヒトを知ること

ヒトを知らなければモノは作れない。

そんな見方で世の中を見ていきたい。

あなたが今日見たモノはどんな工夫があると思いますか?


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