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NFTホワイトペーパー NFT政策検討PT

自民党デジタル社会推進本部 NFT政策検討PTがNFTホワイトペーパー(案)~ Web3.0時代を見据えたわが国のNFT戦略 ~」をとりまとめま止めたということで、平将明衆議院議員のホームページにホワイトペーパーがアップされていたので、特に私が会社で検討している事業と関わりのある部分について読んでみました。

テーマとしては以下の6つで24の論点について課題と提言が整理されています。

《テーマ》
① 国家戦略の策定・推進体制の構築
② NFTビジネスの発展に必要な施策
③ コンテンツホルダーの権利保護に必要な施策
④ 利用者保護に必要な施策
⑤ NFTビジネスを支えるBCエコシステムの健全な育成に必要な施策
⑥ 社会法益の保護に必要な施策

まず、”はじめに”の章では、このホワイトペーパーの位置付けが語られており、Web 2.0において米国に覇権を握られている中、Web 3.0においても他国の後塵を拝している現状を認識しつつも、挽回はまだ可能という中で、デジタル経済圏を力強く拡大していく起爆剤としてNFTを位置付けており、基盤となるブロックチェーンエコシステム全体のルール整備に向けた課題と提言をまとめたものという記載がされていました。

日本が世界と渡り合えるような最後?のチャンスとしてWeb3.0への期待がある一方で、このままだとWeb 2.0の時のように他国に負けてしまうという危機感を感じました。

以下、課題と提言の中で気になった箇所を抜粋します。

・二次流通時のロイヤリティに関するルールの明確化

課題
NFTの特徴として、発行者はNFTが二次的に流通した時にも一定のロイヤリティを受け取ることができるとの説明がなされることがあるが、こうした二次流通時のロイヤリティ率の設定や収受・支払を実行する機能は、現在のところマーケットプレイスごとに設けられた独自の仕組みに過ぎない。
ERC-721やERC-1155といった標準的な規格に、ロイヤリティに関する情報を設定できるものは見当たらない。

提言
こうした情報の設定が可能な規格提案(例えば、EIP-2571: Creators' Royalty Token standard10やERC-2981: NFT Royalty Standard11が知られている。)の採用に向けた一定の働きかけを行うべきである。

ロイヤリティの設定ができるトークン規格があることは初めて知りました。どういったものなのかは後日確認してみたいと思います。

ブロックチェーンエコシステムの健全な育成に必要な施策
(1)ブロックチェーンエコノミーに適した税制改正
ア.問題の所在
日本でブロックチェーン関連事業を起業するにあたって大きな障害となっている要因の一つが、暗号資産の期末時価評価による法人税課税である。企業がトークンを発行し、一定数は譲渡せずに自社で保有する場合、当該トークンが「活発な市場が存在する暗号資産」に該当すると、自社保有分に関しては現金収入が生じていない中で、法人税法上期末時価評価の対象となる結果、含み益に対して法人税が課されることとなる。このような自社発行の保有トークンに対する時価評価課税は企業にとって極めて重い負担であり、その結果、多くのブロックチェーン関連のスタートアップ企業が日本で起業せず海外に流出する要因となっている。
イ.提言
発行した法人が自ら保有するトークン(いわゆる「ガバナンストークン」を含む。)について、制度上の位置付け・会計実務上の取扱いの明確化等を行った上で、「活発な市場が存在する暗号資産」に該当する場合であっても期末時価評価の対象から除外し、第三者に譲渡して実際に収益が発生した時点で課税するよう税制改正や税制上の取り扱いの見直し等を行うべきである。

トークン発行に際しての審査の基準緩和
ア.問題の所在
Web3.0ビジネスでは、暗号資産であるトークンが発行・利用されることが通常であるが、日本でこれらの発行を行い利用できるようにするには、暗号資産交換業者経由で暗号資産が販売等される必要がある。もっとも、現状、日本暗号資産取引業協会(JVCEA)における個々の新規暗号資産の事前審査に長期間を要するため、トークンの発行体が日本での発行を諦めたり、日本のWeb3.0関連有力スタートアップが海外に流出する一因となっている。当該状況は、わが国におけるWeb3.0ビジネスの発展の障害になっている。

提言Web3.0の進展に伴い多数の新規暗号資産が発行されている現状やJVCEAのリソース等を踏まえると、個々の新規暗号資産について、JVCEAが常に綿密な事前審査を行うことは最適で持続可能な手続きとは考えにくい。また、事前審査に長期間かかることは、グローバルで競争を行う必要があるWeb3.0ビジネスのスピード感に合わないと考えられる。これらの点を踏まえれば、利用者保護に配慮しつつ、JVCEAの事前審査の在り方を見直し、わが国におけるWeb3.0ビジネスのイノベーション促進のため、審査基準の緩和を踏み込んで行うべきである。また、その際には、グローバルでの競争の観点から、米国その他のWeb3.0先進国における新規暗号資産の取扱いルールと比較して、わが国における審査手続が不必要に煩雑となっていないか等を継続的・定期的に検証すべきである。

暗号資産発行企業等の会計監査の機会確保
ア.問題の所在
NFTビジネスを支える暗号資産を発行又は保有する企業が、事実上、暗号資産に係る会計処理に関して、会計基準の不在のために監査意見を出すことが難しいとして、公認会計士・監査法人の会計監査を受けられない事例が存在し、わが国における暗号資産を活用したビジネスの発展の重大な妨げとなっている。

提言
暗号資産を発行又は保有する企業に適用される会計基準について一定の明確化が行われているが、特に自社で暗号資産を「発行」し「保有」した場合に関する会計基準が明確化されていない。こうした状況を踏まえ、日本公認会計士協会、ASBJその他の業界団体及び有識者の緊密な連携により、暗号資産に係る会計処理に関して公認会計士・監査法人の会計監査を受ける際に障害になっている事由を早急に解消すべきである。その上で、必要な会計基準の明確化及び公認会計士・監査法人による積極的な会計監査の実施を促すことにより、暗号資産を発行又は保有する企業が会計監査を受けられる機会を一日も早く確保すべきである。加えて、NFT取引に適用される会計基準の明確化についても、取引実態を踏まえた検討を早急に行うべきである。

上記3つの論点については、まさにトークン発行事業を検討した際に、暗号資産を直近で発行、保有することが難しいと判断された理由の部分でした。

これらは他事業者からも同じようにトークン事業のハードルと認識されており、解決に向けて議論がされている、されようとしているということが今回確認する事が出来き、私が今検討している事業にとっても、日本のWeb 3.0業界にとっても良い方向になろうとしていると期待ができるものでした。


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