見出し画像

【CAP高等学院代表・佐藤裕幸の教育への情熱と挫折・11】

 こんにちは.通信制サポート校・CAP高等学院の佐藤です.

 結構久々の投稿になります.連続投稿です.

 現在,9月入学の生徒募集のために様々な取り組みを始めています.CAP高等学院は,通信制・鹿島学園山北高校のサポート校として2020年の4月に開設しました.ミッションは「高校生と社会の間にある(と勝手に思われている)様々な垣根を壊し,新しい学びのインフラを構築,高校生と社会をつなぐサポート校になる」です。そのためには,CAP生が高校卒業に必要な単位を最速・最適に取得して,そうすることで生じた有効な時間を自分がしたいことに没頭できるようになれることを目指します.

 そこで,代表・佐藤がどのような想いで通信制高校サポート校を立ち上げたのかを思いのまま書いていきたいと思います.今回が11回目です.(なお,ここに記載される内容は,CAP高等学院のFacebook にも投稿されています)


 2019年,経済産業省実証事業「未来の教室」に関わる機会を頂いた.広尾学園の木村先生から前勤務先の中学校・高校に,ベネッセの実証企画へのお誘いを頂き、学校からのメンバーとして選ばれた.定期的に全国の先生方約30名と、様々な観点からオンラインで議論を重ね,得られた気づきを次回の議論までに自分なりに実践していくというものであった.
 これまでになかったタイプの先生方との出会いは,とても刺激的で,自分には持っていない観点を得られ,非常にためになる機会であった.私自身,実際に行動し,勤務校の中に変化が出たのも事実である.
 最終検証の場として,前勤務校が選ばれ,教員全員がワークショップに取り組むことになった.これまでのワークショップの中では見られなかった大胆な意見なども飛び出し,成果の一端は垣間見れた.
 そして,2019年3月10日、実証企画の成果発表の代表として,私が登壇することになった.
 成果発表の場には,私が参加した実証企画だけでなく,他の実証企画に参加したメンバーも登壇し,それぞれの企画の良かった点や改善点などが報告された.
 その実証企画の中で,ある意味ちょっと異端だったのが、タクトピア株式会社が行った“HeroMakers”という企画.共同代表をやっている白川寧々なる人物が,沢山の教員が参加している会場で,何も気にすることなく“タメ口”で過激なことをガンガン言いまくる.登壇者の一人であった,HeroMakersに参加していた都立国際高校の佐野寛子先生も,トークがあまりにも前のめりすぎて,自分の体験をほぼ熱意だけで話す.正直,「ちょっと引くかも...」という目で見てしまっていたが,同時に気持ちのどこかで何かの引っ掛かりを覚えたのも事実であった.
 受験生のクラス担任として,教務部の副主任として時間割やカリキュラム編成,そして週20コマの授業というなかなかの忙しさの中,毎日を過ごしていたある時,教育ジャーナリストの後藤さんのFacebook にある情報が投稿された.
 「コレって、あの時一緒に登壇したヤツだよなぁ.」ほぼ好奇心のみで参加を申し込んだ.
 後期夏期講習の最終日を自習にし,2019年8月23日〜25日で2泊3日の合宿型のワークショップに参加した.
 そして、ワークショップがスタート.「このワークショップでの発表やPitchは全て英語だから.」という白川寧々氏の一言から始まる.「ん??全て英語?そんなの全く聞いていないし,そもそもオレ数学の先生だぞ!コレ、ヤバくない??」早くも頭の中がパニックを起こし始める.「って言うか,Pitchって何??全くわかんないんですけどぉ〜...」こういう時に限って,周りにいる人は結構自身ありげな顔に見えるので,普段人前で話すことがそれほど苦ではない私も,さすがに追い込まれていく.英語の心配を抱えつつも,そこで展開されていくワークショップの内容はかなり面白く,新しい自分の挑戦を呼び覚ますものとなった.
 まず,「自分が今問題と思っている事をどうやったら解決できるのか?」という大きなテーマに対して,自分の喜怒哀楽が一体どこからきているのか?,また自分が解決したいと思っている問題は,自分の喜怒哀楽の感情の一体どこを一番震わせているのか?を自分なりに考え,同じグループの人たちに英語で伝える事を繰り返していく.英語は完璧じゃなくても良い,極端な話,所謂“ルー(大柴)語”でも良いというルールで,喜怒哀楽を英語で話していった.
 英語でやってみて良かったのは,参加していた高校生や大学生と年齢という壁を超えて,対等に話ができる.場合によっては高校生の方が英語ができるので,先生という立場でマウンティングが起こらない.お互いに自分のことを伝えたり,相手のことを聞こうと思う意識がとても高まっていく.また、日本語だと遠回しになりがちな表現を端的に一語で伝えることができるというのも,英語で話すことの素晴らしさであった.「英語で全てのプレゼンをする」言い放った白川寧々氏の意図が少しづつつかめてきた.しかし,初日の最後にとんでもないことを,再び白川寧々氏が言い放つ.
 「せっかく喜怒哀楽を全部英語にしたんだから,これから3分間の自己紹介をしよう!勿論英語で!!自己紹介するのは,明日の朝イチ,つまり今日の宿題は,自己紹介を完成させてくること」
 「50を過ぎた俺に、宿題ですかぁ〜.出すことには慣れていますが,出されることなんかないんですけどぉ...」というのが正直なところであった.
 とは言うものの,眠い目を擦りながら宿題を完成た.宿題をしながら考えたのは,「今自分が学校の先生やっていて,何をしたいのか?」ということ.考えれば考えるほど,その年の3月に生徒20名をNewsPicksやYahoo!に連れて行った経験やその後に現れた生徒たちの変化が大きいと気づく.数学を教えるのは勿論楽しいが,生徒達がこれまでしたことのない経験をすることで,新しい何かが生まれること,これが伝わる場を作りたいと言う想いが明確になってきた.
 合宿2日目.最初にロープレ的に何人かの人に向かって自己紹介をしいよいよ本番となった.
 私の自己紹介は“スーパースターになれなかった男”.自分の誕生日が,アントニオ猪木・長嶋茂雄・志村けんという昭和の大スターの1日前に生まれてしまったばっかりに,自分はスーパースターになれなかったというくだらない話から始め,でも今は“未来のスーパースター製造機”になろうとしているというものにした.
 正直,高校生世代には全くわからない例えだったかもしれないが、ある程度の世代には理解をしてもらうことができ,自分のキャラクターはなんとか英語で伝えることができた.
 しかし,合宿型の研修である以上,自己紹介をしてお終い!という研修は当然のように存在しない.ここからがいよいよ本格的な研修のスタートとなり,“KAKINE BREAKER”を一緒に始めてくれる仲間と出会うことになる.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?