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【CAP高等学院代表・佐藤裕幸の教育への情熱と挫折⑥】

こんにちは。通信制サポート校・CAP高等学院の佐藤です。

 現在、9月入学の生徒募集のために様々な取り組みを始めています。CAP高等学院は、通信制・鹿島学園山北高校のサポート校として2020年の4月に開設しました。ミッションは「高校生と社会の間にある(と勝手に思われている)様々な垣根を壊し、新しい学びのインフラを構築、高校生と社会をつなぐサポート校になる」です。そのためには、CAP生が高校卒業に必要な単位を最速・最適に取得して、そうすることで生じた有効な時間を自分がしたいことに没頭できるようになれることを目指します。

 そこで、代表・佐藤がどのような想いで、通信制高校サポート校を立ち上げたのか、何回かに分けて書いていきたいと思います。今回が6回目です。(なお、ここに記載される内容は、CAP高等学院のFacebook にも投稿されています)

 いつものように解錠と同時に出校し、動画撮影が終了し、職員室に戻ろうとした時、一人の同僚に声をかけられた。

 「先生、聞きたいことあるんだけどちょっといい?」「なんですか?」「先生、0校時授業やってんの?」「いいえ、予習用の動画を撮影して、生徒に配信しているんですよ。」「それ、管理職に許可とった?」「もちろんですよ。校長にも話しています。」「なぜ、職員会議とか朝の打ち合わせで報告してないの?」「えっ?」「先生だけ勝手なことされても困るんだよねぇ。先生だけ違うことされるさぁ。」「いやいや、他の先生の授業の仕方、皆さん理解しているんですか?」「それは言わなくたって、長年やっていればどんなことやっているか、想像できるし。」「想像できないことされると、困るわけさ。生徒だってさぁ、突拍子もないことされたら、先生も困るでしょう?」


 また、別の同僚の発言も衝撃的だった。なんの脈略だったかはもう覚えていないが、「俺さぁ、もう10年くらい教材研究してないわけよ。校務分掌もあるし、教科主任もやっているからさぁ。みんな俺に仕事頼むわけさ。だから研究なんてできないわけ。でもね、しなくてもできちゃうのさ、老獪というか、テクニックというか...」


 どちらの発言も、正直全く意味がわからなかった。生徒を伸ばす環境を作ることが教員の大事な仕事のはずなのに。流動性の少ない環境は、こういう発想を生むのかということを痛感したと同時に、私自身の心が折れないように、何かモチベーションを上げるきっかけを自分自身が得られることを始めようと決心した。


 ある日、学校に出入りをしている一人の業者さんが声をかけてくれた。「佐藤先生ですよね。存じ上げてはいたのですが、声をかけるタイミングがなくて。でも絶対に一度お話ししたいと思っていました。」「佐藤先生、先日宮城で開催されたデジタル教材勉強会で、活用事例発表されましたよね。うちの仙台支店の同僚が話を聞いてとてもすごいと思ったと言っていました。ぜひ福島県でもデジタル教材勉強会を開催しませんか。私バックアップしますんで。」


 同僚からの発言も、業者さんの発言もどちらも私の授業に対する取り組みに向けられたものであるが、真逆の反応である。ただ、業者さんの発言により、大きな一歩を踏み出すきっかけになったことは間違いない。そこで大阪でデジタル教材勉強会を開催されている米田健三先生に連絡を取り、改めて福島県でデジタル教材勉強会を開催したい旨を伝え、第1回目の登壇をお願いすることにした。そして、その年の8月に開催する運びとなった。


 1回目のデジタル教材勉強会には20名の先生方にご参加頂いた。福島県ではこれまで開催されたことのないタイプの勉強会ということもあり、無事に盛会に終わった。そしてこの勉強会では、ICTを利活用したいと思っている先生方が他の学校にもたくさんいて、それぞれが孤軍奮闘していることがわかった。私は、そのような先生方が同じ思いを共有できるコミュニティが必要であると思うと同時に、私自身がこのようなコミュニティがあることによって、学校外の外部の方々と繋がれるきっかけになると思うようになった。

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