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ジャグリングルーチンにおける革命

先日行われたe-Juggling Competition(以下、e-Jug)で心の揺れ動く作品に出会うことができました。ジャグリングルーチンの革命というタイトルは大げさかもしれませんが、私にとってはそれくらい大きな出会いでした。

※e-Jugの紹介
公式によると、e-Juggling Competitionとは予め提出していただいた動画を元に競い合う、新しい形の大会です。とのこと。
第1回は2020年3月、今回が2回目の開催となります。

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ジャグリングルーチンとイラストの融合

私が目を奪われたのはエキシビジョン部門で1位に輝いた「みきとT」さんの作品でした。その内容がこちら。是非一度ご覧いただきたいです。私はこの作品に3度も泣かされてしまいました。

ご覧いただけましたでしょうか。
サムネイルから分かるように、動画には演者と道具だけではなく、男性のイラストが描かれています。このイラストが今回の最大のキーポイントです。

この作品ではイラストに合わせてパフォーマーが演技を行ったり、イラストの男性と2人でペア技を行ったりすることで、歌詞に合わせてストーリーが展開されていきます


ジャグリングとイラスト効果の相性の良さ

今までジャグリングの演技はチーム作品よりもソロ作品の方が多く、それゆえにストーリー性も出しにくいです。しかし、このイラストや映像効果によって、作品の雰囲気を出すことができるようになっています。

ジャグリングの良さは「スゴさ」だと思うのですが、それだけでは共感や感動を生み出すのには非常に高いスキルが必要となってきます。

それを解消するのがイラストや動画効果との組み合わせ。これは歌詞の有無にかかわらず音楽を利用するジャグリングルーチンと非常に相性が良いと感じました。


技術以外にも良さがあるジャグリング

みきとTさんの作品を見ると、ポイの高い技術がうかがえます。特に1:55から始まるボディトレース系のシーケンスは軌道もきれいで素敵です。

しかし、通常のルーチンのように、ジャグリングの技術に着目した方は少ないのではでしょうか。動画の雰囲気、世界観に飲まれて技術のことが後回しになっていたのではないでしょうか。

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これはジャグリングにおいては非常に大きな転換が起こったと感じています。過去にも様々なジャグリングのプロモーション映像が公開されていましたが、やはり過去に評価されるものの多くはジャグリングの難易度、希少性に代表される技術でした。

それがこの作品では主張されていないのに、クオリティの高さを感じます。

例えば、この動画が大学1年生の内に覚えられる技だけで構成されていたとしても、この作品の良さは多くの人に受け入れられるのではないかと感じます。

新しいジャグリングの風

そうなってくるとやはり、革命です。
技術志向であったジャグリング界に新しい風が吹いた
のではないでしょうか。

近年大会とは異なる発表の場が増えていて、舞台公演やジャグリングジュテのようなエキシビジョンへの参加者も増えてます。数年前から新しい傾向を感じていましたが、今回の作品はその流れを後押しするでしょう。

デザイナーの必要性

皆さんも感じている通り、この作品はジャグリングのスキルを持った人だけでは完成させることはできません。イラストレーションを描ける方と、動画編集のスキルを持ったデザイナーのスキルが必要です。

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この作品を「良い」と思った人は大勢いると思いますが、自分もこんな作品を作りたいと思った人は意外に少ないのではないでしょうか。その一因は、この作品にはデザイナーが必要で、そのスキルを得るハードルが高いからだと思います。

しかし、もし仮に動画編集できる方から作品作りのオファーがあった時には、ぜひ自分も映像作品を作ってみたいと思うのではないでしょうか。

ジャグリング以外の技術を持つ方の価値が
ジャグリング界で高まる

特定のタイプの作品を良いと感じ、作ってみたいと思う方が増えると自然とその層(コンテンツ)は厚くなっていきます。

今回のみきとTさんの作品をきっかけとして、今後このような作品を作る人は必ず出てくるでしょう。そうなった時には、先述したデザイナーのように、ジャグリングとは異なるスキルを持っている方が重宝されるようになるはずです。

こうなると今までジャグリングの技術では脚光を浴びていなかった人たちにも、ルーチン(作品)づくりで価値を発揮できるようになるという大きな変化が起こります。

脚光を浴びると言っても、裏方としてちょっとお助けをするなんてレベルではなくて、今まで影を潜めていたスキルを持つ人が幅を利かせるようになる。なんてことも例えばビジネスの世界では良くある話ではないでしょうか。

そうはいっても今後直近の数年間は、ジャグリングの技術が強い時代であることに変わりはないと思います。それでもそれが大きく変化する可能性がある瞬間に出会えたことが嬉しく、次の時代が来ることが本当に楽しみです。

ジャグリング以外のスキルを持っている方が、オリジナルなスキルを作品作りに役立てることで、今は誰も想像できないような新しいものを生み出せるかもしれません。

もう1つ素敵で面白い動画をご紹介

ちなみに、2位に輝いた作品がこちら。アポ~さんの作品はいつも面白いのですが、今回はより動画の良さをいかした面白さがあります。

先ほどのみきとTさんも、こちらのアポ~さんも私の大学のジャグリングサークルの後輩です。どうしてこうも雰囲気が違うのでしょうか。いや、最高なんですけどね。

最後に

最後に改めて、素敵な動画を見る機会を与えてくれたe-Jug運営のみなさま、みきとTさん 感動をありがとうございました。

素敵な作品に出会えて幸せでした
作品を名前で呼びたいので、是非タイトルをつけてもらえると嬉しいです。

ジャグリング界には様々なスキルを持った方がいて、それぞれの立場でジャグリングに関わっている今の環境がとても素敵だと感じています。

色々な人がやりたいことを実現できるように陰ながら応援しています。

新しいコンテンツがどんどん生まれて、ジャグリング界がさらに加速する。それによって今は想像できないような素敵な作品が生まれることを楽しみにしています。

追記:みきとTさんへのインタビュー記事を書きました。作品に隠れた彼らの想いに触れてみてください。

今日も最後までご覧いただきありがとうございました。
それではまた、お元気で!


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