タイトルの真の意味を知ったとき、温かい涙が頬を伝う！～「そして、バトンは渡された」を観て～

4回も苗字が変わるという不遇な環境で育ちつつも、明るく笑顔を大切に生きている主人公・優子。演じた永野芽郁さんはまさに飾らない笑顔が素敵で、等身大のお芝居で優子をしっかりと自分のものにしていた印象。永野さんのお母様が原作を読んだ際に、もし優子を永野さんが演じたら嬉しいというお話をご本人にしていたら、まさに現実のものとなったから驚きです。永野さん自身のナチュラルなチャーミングさが見事に役にマッチしていました！

料理で愛情を表現するタイプの父親・壮介役には田中圭さん。血が繋がっていないものの、娘のために心を尽くす姿勢や、友達同士のようなフランクな距離感の掛け合いを見せるなど、田中さんらしい気さくで柔らかい父親像を体現していました。さすがは2021年「父親にしたい俳優No.1」に選ばれただけあります！

物語のキーパーソンとなるシングルマザー・梨花を演じた石原さとみさんは、持ち前の明るさと華やかさを武器に、自由奔放に目的に応じて夫を乗り換える魔性の女性を完璧に熱演。序盤では単に自分の目的のために手段を選ばないだけかと思いきや、ストーリーが進むにつれ、梨花の隠された真実や、娘である優子への無償の愛を知ることとなり、思わず衝撃を受けます。

そのほか大森南朋さん、市村正親さん、岡田健史さんら豪華キャストや、天才子役・稲垣来泉さんら錚々たる布陣でおくる本作。

観終わったとき、家族について改めて考えたり、人に優しくしたくなる作品です。温かい涙が頬を伝うこと間違いなしですので、ぜひハンカチのご用意を！

映画『そして、バトンは渡された』