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ビリー・アイリッシュが見せた「ファッションの自由」

GWいかがお過ごしでしょうか。近所のカフェが休業してしまい、いつも行かないドトールへお引越ししています。ジャーマンドックの美味しさを再確認した今年のGW。

今週ファッション的に気になった話題は、ビリーアイリッシュのこと。

今さらビリーアイリッシュについて説明するまでもないかも知れませんが、若干14歳にしてデビューし、ティーンのみならず幅広くカリスマ的な人気を獲得したシンガーです。儚げな、ささやくような歌声で様々なジャンルの曲調を歌いこなす、独特のジャンルを築いたと言っていいでしょう。

そんな彼女、以前からファッションでも注目されていました。その姿がとても個性的だったからです。

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こんな感じで、いつもダボっとした服ばかり着ています。その姿はセクシーさが売りになりがちな女性シンガー業界に一石を投ずるもの、と評価する声もありましたが、実はそれがメインの理由ではなく

「痩せているとか太っているとか知らなければ、誰も何も言ってこれない」

「胸元に視線を集めたくないからオーバーサイズを着ている」

などと過去に語っていて、自身の外見へのコンプレックスから来るものでした。”醜形恐怖症”というあまり聞きなれない内面的な症状と戦っていたという話もあります。

アイリッシュは顔面けいれんを引き起こすトゥレット障害の他にも、夜驚症や抑うつ・共感覚・聴覚情報処理障害など様々な精神障害の発症を明らかにしている
ーWikipediaより

同じように体型や外見のコンプレックスに悩む人たちからの支持があったことも確かで、そのブレない(ように見える)姿勢に「ボディ・ポジティブ」の象徴としての求心力が集まっていました。


そんな彼女がイギリス版VOGUEで、コルセット姿の大胆な露出のあるスタイルを披露したことが大きな反響を呼んだわけです。

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当然、これまでのポリシーを翻すようなスタイルなので批判や困惑の声も聞こえてきます。しかし、彼女はそんな写真に添えてこうコメントを発表しました。

i love these pictures and i loved doing this shoot. do whatever you want whenever you want. fuck everything else.
これらの写真が大好きで、撮影が大好きでした。好きなときに好きなことをして。他のことなんて関係ないわ
ービリーアイリッシュInstagramより

僕は、この「好きなときに好きなことをして」という部分がとても大事なことだと思っていて。

これまで露出することに抵抗を感じていたであろう彼女にとって、今が「好きなことをする」タイミングだったのでしょう。コルセット姿で表紙を飾りましょう、という提案に対して「YES」と言えたタイミング。

別に”こうと決めたらこう!”と大事に守り続ける必要なんてないのです。ファッションも変節していいし、変わっていくのが当たり前。変わりたい、と思ったら変わればいいし、いつもは否定するような提案を受け入れる気分だったならそれでいいと思う。

勝手に「自分は〇〇だから」と可能性を狭めたり「変わってはいけない」と頑なになったりするのは勿体ないことです。ああなりたい、こういう洋服を着てみたいと思ったなら、着てみればいい。着た姿を見てから判断すればいいのでは?


どうも、変節することに罪悪感や抵抗感がある人が多いような気がするんですよ。

いや、恐怖感と言った方がいいかも知れない。どんな風に見られるだろう、とか自分が自分でなくなってしまうのではないか、という。

そんなことを気にするな!とアイリッシュは言ってるわけですね。それは、やっぱり自分の人生は自分のものだから。自分がしたいことをして気分良く過ごすことがベストなんだと。

It’s all about what makes you feel good. If you want to get surgery, go get surgery. If you want to wear a dress that somebody thinks that you look too big wearing, f**k it – if you feel like you look good, you look good.”
気分が良くなることが全て。 整形手術を受けたいならは受ければいい。 ”大きすぎる”と思われるような服を着たいなら着ればいい。自分が似合っていると感じたら、似合っているのよーhttps://www.vogue.co.uk/news/article/billie-eilish-vogue-interviewより

洋服って面白いもので、自分が自信を持って着ていれば素敵に見えるし、オドオドと自信なさげに着ているとヘンに見えるんです。

海外に目を向ければ、かなりふくよかな女性や男性もピッタリした服を着ていたりしますよね。「自分はこういうのが好きなんだ。何か文句ある??」という感じで堂々と歩いている。別に引け目を感じているわけではないので、とても自然に見えます。もしこれが「ちょっと恥ずかしいんだけど、、」とモジモジと歩いていたら逆に注目を集めてしまうでしょう。そういうことです。


僕はスタイリストという職業として、あれこれ提案したりアドバイスすることが仕事のひとつです。でも、最終的にはクライアントが「これがいいと思う」と選んだものを尊重します。自分で選んだものを自信を持って着ることの方が大事だから。自分が好きで選んだ服なら、多少どうこう言われたって跳ね返せる強さが生まれるでしょう?

服に決まりなんてないんです。
多少TPO的なものは必要だけど、あなたはこういうものだけ着なさいとかこの色を着なさいとか押し付けてくる人はク◯です。アイリッシュに感化されて言葉が乱暴になりましたが、それが正直な思い。

まずは好きなものを着てください。
好きだと思うものを優先してください。
その上で、ビジネスであれば求められる役割とか方向性を考えて調整していけばいい。仕事だからと窮屈に感じる服を着る必要はない時代です。

好きなもの、着たいものが変わっても、恐れずに変わっていけばいい。ファッションは所詮”時代の気分”だから。自分の気分で変えていいし、大事なのは自信を持って変えることです。


アイリッシュはまだ19歳。
若いから可能性があるんでしょ、自由なアーティストだから出来るんでしょと言う人もいるでしょう。そう思うならそれでいい。でも僕は年齢やポジションなんて関係ないと思っている。

僕自身もまだまだ変わっていきたいし、そのとき良いと思ったスタイルを楽しみたい。出来ない理由を数えるより、自分のテンションが上がることを素直にやれる人が勝ちです。

「好きなときに好きなことをして」というのは、きっと全ての人に向けて伝えたいことなはず。もし悩むなら、まずは”自分の好きってなんだっけ?”というところから考えてみるのが良いかも知れません。

ちなみに、昔から思いきりブリーチしたゴールドにしてみたいなと思ってたんですよね。アイリッシュに背中を押されて、、もう完全に痛々しいのでやりません。

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