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ユニクロ「+J」から考える、コラボ相手の選び方

ちょっとご無沙汰になってしまいました。反省。
10月から有り難いことにリアルなスタイリングの仕事が立て込んで、下見だ実地だと神崎の容量がいっぱいになっておりました。インスタで近況をアップしてます。

そんな中で発売されて大きな話題になっていたユニクロの「+J」、おとといようやくチェックしに行ってきました。

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旧プランタンの有楽町旗艦店、外壁おしゃれです。

当日に行きたいなとも思ったのですが、こういうコラボ祭りでは転売ヤーに散々イラつかせられているしわざわざ密になる危険性をおかす必要もないなと。名古屋の映像見たらホントに日本の映像?と疑いたくなりましたもんね。マジ転売ヤー(略

有楽町店は大きいだけあって、一階に+Jのコート類、四階にフルラインナップと分けての展示。欠品しているものも多数あるようですが、シャツやジャケット、カーディガンにコートといった定番アイテムはまだまだ余裕がある品揃えの模様。個人的にはジャケットがみんな普通のセットアップになってたのが残念。ジャケットのみで良かったのでもっと凝ってほしかったかな。

ちょっといいなと思って羽織ってみたらウィメンズのコートでした。

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カシミヤ混で税込約25,000円。
ボタン無しで羽織感覚で着れるし軽くて扱いもいい。ちょっと検討中です。

ジルサンダーらしいモノトーンがメインなので、どんな人でも合わせやすいし永く使えることは間違いない。男女問わずシャツやニットアイテム、ウール系のコートが良さそうです。

 
ちなみに「+J」のJが「ジルサンダー」だということは広く知られていますが、あまり女史ご本人にスポットが当たっていない気がします。

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https://www.wwdjapan.com/articles/1147021より引用)

ジル・サンダーは言わずと知れた、あのJIL SANDERの創始者。シンプルで無駄を削ぎ落としたデザインはアパレルの教科書的な存在感を放っています。しかし現在はブランドを退任、アートとの融合のような活動を主にしていてデザイナーとしてはほぼ稼働していません。

前回の+Jのコレクションが伝説的になっていること(僕も今だに持ってます)、久々の表舞台であること、こういう状況下での数少ない明るい話題といった要素が重なって大きな盛り上がりに繋がったのだろうと思います。アパレルは暗い話題ばーーーっかりなので喜ばしいことです。

 
ここで思うのが、ユニクロのコラボ相手の選び方が上手い!ということ。

ジルサンダーだけでなく、”ロエベ”のクリエイティブディレクターであるJWアンダーソンと組んだ「ユニクロ&JWアンダーソン」や、エルメスのデザイナーも務めたクリストフ・ルメールをパリのヘッドオフィスに置いて指揮を取らせている「UNIQLO U」など、デザイナーのチョイスが本当に絶妙で素晴らしいのです。
他にも既に退任してしまったものの、マリメッコのキーパーソンだった人物も取り込んでいた時期がありました。

JWアンダーソンは新世代の旗手としてファッション界でも最注目人物のひとりだし、ルメールはジルサンダーと同じシンプル系の大御所で、時代を超えたデザインにはコアなファンも多い。総じて「この人に任せておけば間違いないよね」という人ばかり。

前回の+Jのときは「ユニクロなんかと組むの?」という反応もありました。ハイブランドの大御所とデイリーファッションの大手ですから当然の印象だったと思います。でも今では誰と組んでも驚かない。名だたる人物が喜んで引き受けるのですから、ユニクロのパブリックイメージは僕らが思っている以上に高まっているのです。

 
ユニクロが価値を高めるために行ったのは、無いテイストを足すのではなく有るものをより深めること。

あくまで「生活に根差した機能性と多様性のある服」という自分たちの路線があって、それを深化・発展させてくれる人、その延長線上に居てネームバリューで引き上げてくれる人を選んだ。ジルサンダーやルメールが協力している、と聞けばちょっと詳しい人なら名前だけでどんな方向を目指しているか分かります。そして識者がそれを”翻訳”して発信してくれる。

よく「異色のタッグ」みたいなのが話題になりますが、それはある意味禁断の手法みたいなもので。毎回異色をやってたら芯がブレるしそのうち合わせる色がなくなる。H&Mは毎回そのとき話題のデザイナーを起用して話題性はあるけど一向に品質は改善されない。そこにお金かけるより質を上げてくれと思うわけです、ここだけの話。じゃなくなってるけどまぁいいや。

 
今ってこれと似たようなことをWEB専売みたいなブランドがよくやっていて。そこそこフォロワーが多いインフルエンサーをスカウトしては「〇〇さんコラボ商品!」をちょっと売ってまたスカウトしてを繰り返している。

まぁ目先を変えて売れるならそれでいいけど、それいつまで続けられるの?と思ってしまう。大きなお世話ですけど。ブランドのポリシーはなんなのか?がぜんぜん見えてこないケースも多い。そういうとこに限って質は一向に上がらないのは察しの通り。

とりあえず売れる限り全力でやって下り坂になったらブランド売るか閉めるわ!ということであればしょうがない。お疲れさまでした。でもやっぱり僕もそうだし読んでくださっているあなたも、ポリシーの元にコツコツと永く続けようとしているブランドを応援したくなりませんか?

 
ユニクロは労働条件の話とかで色々言われることは多いし、働いた人の話から良いことばかりで無いことも知っています。商品だって全てが良いとはまっっったく思わない。だけれど日本企業として車以外で世界と戦えていてZARAも射程に捉えるほどの支持を得ているのは単純に素晴らしいことだと思う。企業としての指針がしっかりしていなければ今日はなかったでしょう。
 

コラボというのは元々の母体の魅力を正しく伸ばし、ポリシーを広く伝えるための手段。

 
決して話題性とか一時の儲けのためにやるものではない、と改めて教えてくれているように感じた、久々の「+J」でした。

 
最近いろんなジャンルでとにかく課金してもらおうとコラボが多いんですけど、特にソシャゲが原作愛がない感じで酷い。ちょっと昔のパチンコを思い出す。その点一切絡まない宮崎アニメは素晴らしいですよね。CR風の谷のナウシカとかイヤでしょう。巨神兵咆哮リーチとかユパさま敵船制圧リーチとか。ええゲーヲタアニヲタですとも。それがなにか。

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