総裁選をファッションチェックしてみた。

急に話題の半分がこっちに偏っちゃいましたね。マスコミが報道したいことを報道してるとはまさにこのことだな。

どうしても職業柄、基準に見た目の雰囲気やファッションという要素が強くなってしまいます。まぁ僕が選ぶわけじゃないんですけど。そんな訳で、勝手に印象をチェックしてみようと思います。なお思想信条、プライベートなどは一切考慮しません。あくまで見た目や印象の話のみでいきますね。

まず、毎回地味だ地味だと言われる岸田さん。

岸田文雄さんの場合

https://twitter.com/kishida230 より

いや、実はシュッとされてるし良いもの着てるなって分かるし、中々決まってると思うんですよ。でもどうにも抜けない外資系企業の重役感。地味というより親近感が湧きにくいのと官僚的・体制側な印象が強いですよね。我らのリーダーという感じが持ちにくい。

淡いブルー系のネクタイが多いのでイメージカラーにされているのかも知れないけど、もうそれで統一されたらよろしいのかなと思う。眼鏡もこのタイプのを愛用されているけれどツルの部分にブルー系のカラーを入れるとか。今の眼鏡でビシッと決めちゃうとインテリ感が強すぎると感じる。

YouTubeなどにはノーネクタイで出演されているけど、単にネクタイ外しましただと締まらないのでその時はブルーのシャツにするとか。スタイルも良さそうですし、個人のメディアなどではデニムにジャケットなんかでギャップを演出しても面白いし、カッコ良く決まるかなと思う。

優秀な雰囲気だし真面目な方なのでしょうが、もっと親しみや人柄が出てくるといいのになという感じですね。大人の余裕というか遊びが欲しいところです。

逆に遊びのかたまりのようなのが河野さん。

河野太郎さんの場合

https://twitter.com/konotaro より

東京ガールズコレクションのVR会場に登場した河野さん。コラじゃないですよ。

昔から異端異端と言われてきましたが、今の多様性が強まった社会になって評価が高まってきた方かなと思います。色とりどりのマスクを着けていることでも話題になりましたし、ネクタイもいつも個性的なものが多くてポイントになっています。お洒落かどうかは好みによりますが、少なくとも「河野流」みたいなものは見えてきますよね。

もう「普通じゃ面白くない、これが自分なんだ！自由に受け取ってくれ！」という人はその道を行くのがいいと思うんです。どうやって表現しようか発信しようかということに悩んでない。岸田さんとは正反対ですね。

行動力もユーモアもあるし、実績も積み上がってきたし、現代的なリーダーとしてのイメージは悪くないように思います。服装含めた発信からも、党員や大臣としてより河野太郎個人としてのスタンスが優先して見えてくる。これがトップになった時にどういう見せ方になるのか、興味が湧きます。

今も含めて、これからは個人としてどう発信できるか、所属の看板に頼らない求心力を持てることが大事です。組織に所属している人にとってはある意味、参考になる方ではないかなと思います。

そして、毎回国民人気は高いと言われる石破さん。

石破茂さんの場合

https://twitter.com/shigeruishibaより

石破さんは恰幅が良くて大柄のわりにソフトな語り口で知的なオタク、というギャップが面白いところではあると思うんですが、今の感じだとどうもそれ以上のキャラ＝総理候補にアップデート出来ないような気がして。

せっかく恰幅がいいのだから、トランプ元大統領みたいに赤いネクタイやツヤのあるスーツで、強さや頼もしさを出してみたらどうだろうと。もっとリーダー的な頼もしさをこの方に求めている支持者は多いんじゃないかなと思うんです。

石破さんの場合は、もう十分にキャラは浸透している分、評価が固まってしまっている。であれば、党内野党みたいな立場からトップに立つぞ！という変革の気合を服装やイメージ作りから表現していくことが必要なのかなと。

ファッションって、覚悟みたいな部分も強い。
絶対失敗できないプレゼンのときはこの服、とか責任あるポジションになったからこの服を着よう、という経験がある方も多いのではないでしょうか。

それを見てクライアントや周りの人も「気合入れてるな」とか「オーラが変わったな」とか感じてポジティブな印象が高まる。そういう周りを巻き込んで影響を与える効果がファッションにはあるんです。

そういう意味で、石破さんは今の定位置を飛び出すような印象作りを、見た目からも考えるタイミングなのではと思います。

そして、安倍さんが支持するということで急浮上してきた高市さん。

高市早苗さんの場合

https://www.sanae.gr.jp/album.html より

高市さんはお顔立ちがハッキリしているので、あまり華美にされない方が良いのかなと思う。そういう意味でも変な色の(オレンジとかどこで売ってるのか不明な)スーツなどを着ていないのはセーフですね。

あくまで個人的な感想の余談ですが、日本の女性政治家の格好こそガラパゴスだよなぁと思っていて。海外の女性政治家はお洒落な人も多い。パリのイダルゴ市長なんかもブランド物をさらりと着たりしてお洒落です。誰が真っ白とか変な色のスーツを着なきゃいけないと決めたのか。

稲田元防衛相なんかは国産のデザイナーズブランドを着こなしていて、ファッション的には見るべきものがありました。でもそういう方はまだ少数です。

高市さんは思い切って襟足も切ってショートカットにされて、よりアクティブな印象にすると現代的なイメージになるのかなと。YouTubeに出るときには少しラフなものも着ておられるので、そういう使い分けもいいですね。インナーはドリスヴァンノッテンかな？

https://www.sanae.gr.jp/album.html より

発言もハッキリしていてざっくばらんな方のようなので、お洋服も含めて行動派な印象が高まっていくと良いのではないかと感じます。もっと表舞台での着こなしを見てみたい。

最後は、毎回出馬が取りざたされる野田さん。

野田聖子さんの場合

https://twitter.com/noda_seiko93 より

実は、女性政治家としての着こなしが最も”さま”になってるのは野田さんじゃないかと思っているのです。

スーツを着こなすのに程よいボリューム感があり（稲田さんや蓮舫さんはちょっと華奢）、堂々としていて、足もスラッとしてバランスも良さそうに見える。ウエストでキュッと絞ったジャケットもカッコいいですね。

髪型も無造作なようで、童顔なお顔立ちと合わせるとラフで貫禄のある背景効果になっているような気がする。もう少しスッキリされてもいいかなと思うけど。

どうも女性政治家さんは無理やり肩の突っ張ったジャケットや派手な色を着させられている感じですが、この方はそういう集団からは抜けているなと。落ち着きや自信みたいなものがあるので、見た目の「こけおどし」的なディティールが必要ないんです。

これはよくある間違いなんですが、とりあえず貫禄つけようとか目立とうとして服の色やデザインの強さに頼ろうとするとまず失敗します。着られている、というやつですね。

最終的にどうなりたいのか、そのための今はどんな位置か、ということを考えたらいきなり「こけおどし」で行こうとはならないはずなんですよ。いきなり強い所から行ったらその後が行き詰まる。持ち味をどう伸ばしていくかが大事です。

野田さんの場合、むしろご本人の存在感を立たせるためにモノのクオリティやシルエットにこだわった方がいい。いつ見ても、どの角度から見てもカッコいいな、みたいな。そこで本物感が増していくと、より説得力のある見た目になるのかなと思います。

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「素敵な政治家」待望論

とまぁ勝手に言わせて頂き失礼しましたが、日本で政治家がなりたい職業に上がってこないのは「カッコ良くないから」という憧れ要素がないのも大きいと思うんです。

カナダのトルドー首相とかイケメン要素が強いですがスタイリッシュだし、IMFのラガルド専務理事はまるでモデルかというような着こなし。フランスのマクロンさんも若くしてキリッとカッコ良く決めています。

若返りももちろんですが、単純に「カッコいい！素敵！」と思わせてほしいんですよね。ポピュリズムがどうとか言われると思いますが、同じような能力や主張だったとしたら、やっぱりリーダーは素敵な人がいいじゃないですか。年齢や顔立ち、スタイルどうこうでなく、”センスがいい”と感じられる人。

政治家の皆さんも個人SNSが解禁になってるわけだし、ファン作り・イメージ作りが大事なのは芸能人やアイドルとある意味一緒ですよね。どういう風に見せていくか、どういう属性の人を捕まえるか考える必要がある。

見た目の印象、とっても大事だと思いますよ。

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神崎裕介 | aboutme

オーダーメイドスタイリスト　神崎裕介