【2020シーズン】マリノス妄想絵日記 9ページ目
1.はじめに
さて、次はアウェイ大分戦になります。昨季、北のトラウマが札幌だとするのなら、南のトラウマは間違いなく大分でしょう。あのときは苦しかった...
そんなトラウマを打ち破ることはできるのか。あのときより成長した姿を見せつけ、勝点を持って帰りたいですよね!
では、今季の大分ってどんな感じなんだろう?苦戦してるのはなぜ?そんなところから見ていきましょう。
2.大分苦戦の理由を考えてみる
最近、勝利を掴みきれず、調子が出ていない大分。苦戦している理由を考えてみます。
■本来やりたいサイクルで試合ができない
片野坂監督「次のゲームに対して狙いを定め、1週間のトレーニングでしっかりと落とし込んだサイクルがあったから、なんとか昨季は残留することができた。今季もそういう形で、と思っていたのですが、こういう状況になったのでそこの難しさは感じています。」
大分は資金に恵まれた規模の大きいクラブではありません。限られたリソースの中、しっかり相手への対策を取って試合に臨む。そうして昨季は残留することができました。
相手の分析をし、それを日々の練習に落とし込む。そうすることで、体に対策を染み込ませ、自然と試合で発揮できる。しかし、今季は中断を挟んだ影響で過密日程になっている状態。そのため、『いつものサイクル』が乱されてしまいます。
期間が短いので、細かいところまで対策を浸透させることができない。選手の質をカバーするため、対策には精緻なものが求められます。しかし、それができない。これが苦戦してる理由の1つでしょう。
■ピッチ上に表れている問題点
今度はピッチレベルのお話をしましょう。どこがうまくいってないポイントなのか。ざっくりと見ていきます。
・ボランチを落として4バック化している
・ウイングバックは非常に高い位置を取る
・なので、前後を繋ぐのは残ったボランチただ一人
・前後の距離感が遠いので、こぼれ球も拾いにくい
大分はビルドアップ時、ボランチの片方を落として4バック化。ウイングバックは最前線まで上がり、4-1-5のような形を作ります
ピッチ幅を広く使ってるという点はよいのですが、前後を繋ぐ選手が一人だけなのが気になります。前へ繋ぐためには必ずここを経由するので、相手からしたら狙いやすくなる。ここを塞ぐだけで簡単に前後分断できるのです。
また、ウイングバックが高く上がるため、相手サイドバックは捕まえやすい。これで前方にいる相手サイドアタッカーは躊躇いなくディフェンスラインの選手へアプローチに出れます。これが相手プレスを厳しくしてる要因の1つでしょう。
高く上がることは別の弊害も引き起こします。前方へロングボールを放った場合、競り合う選手の周りに味方が少ない状態に。相手のプレスに屈し、蹴るはいいが取られてしまう。そんな状況に陥ってるのは、攻撃時の立ち位置が適切でないからでしょう。
■改善案
では、どうすればいいか。ちょっと考えてみましょう。
・WBは相手サイドバックかサイドハーフか迷わせるくらいの位置に下がる
・ボランチを落とすのではなく、キーパーを上げて4バック化させる
まずはウイングバックの位置修正。少し下がりめに位置し、相手選手の間に立ちます。こうすることで、どちらがプレスにいくかを悩ませられるでしょう。
こういった位置取りは松本怜が上手です。彼の不在は攻守において多大な影響を及ぼしているでしょう。
もう1つは、ボランチを下げないこと。代わりにキーパーを少し上げちゃいましょう。これによって中継地点が1つ増えます。この形、たしか昨季大分やっていた記憶があります。未知の世界と言うわけではないので、現実的な選択肢ではないでしょうか。
ウイングバックの位置修正。中継地点の増加。これらは、セカンドボール回収も好転させるでしょう。競り合う選手の周囲に味方が増えるため、拾いやすくなるはず。これならある程度放り込んでもよさそうです。
大分の問題点は、ビルドアップ時に選手間(とりわけ前後の)距離が遠いことです。攻撃では繋ぐことに苦労し、守備ではスペースがある状況で対応せざるをえない。ビルドアップ時のポジショニングで、自分たちが苦しくなっているように感じました。
3.大分はどうくるかな?
■攻撃の入口はサイドバック裏
・ウイングバックが相手サイドバックを引っ張る
・空いた背後にシャドーが飛び込む
大分で一番得点が期待できる選手は誰か。それは、知念と田中達也でしょう。特に後者は、アジリティの高さと、フィジカルの強さを併せ持ちます。なので、ここから逆算することが自然なはず。
マリノスの弱点は高く上がったサイドバックの背後です。大分は守備時に5-4-1となるので、外に開いたシャドーは切り替え時に狙いやすいはず。
また、ウイングバックは立ち位置によって相手を引っ張ることができます。マリノスの守備は人に食いつく傾向があるので、サイドバックを引っ張ることもできるはず。そこから角度を変えれば、背後を取れるでしょう。
抜け出してからはそのまま仕掛けてもいいですし。深くまで持ち込んでクロスでも構いません。仮にフィニッシュまで持ち込めずとも、相手を押し込むことはできるでしょう。
■サイドチェンジも交えて
【POINT】
左右のセンターバックから対角にフィードを飛ばす
大分はピッチを広く使うことも特徴です。一旦相手を押し込み、背後にいるセンターバックへ時間と空間を提供。そこから逆サイドめがけたロングフィードでサイドチェンジを狙います。
ボールサイドに集まるマリノス。大分の構造上、やりやすいため、恐らく狙ってくるでしょう。
■守備はシャドーが前目で
・ミドルサードにブロックを形成して待ち構える
・カウンターを考え、シャドーは前に出て守備をする
カウンターをしやすくするため、ミドルサード付近にブロックを作る形になるでしょう。また、攻守の切り替え時にシャドーには高い位置にいてもらいたいので、積極的なプレスをかけてくるはず。センターバックまで出てくることも普通にあると思います。
守りきるためというよりは、効率いいカウンターに主眼を置いた『攻めるための守備設計』になるでしょう。
それによってライン間に歯抜けが出てくると思いますが、そのリスクは覚悟の上。実際、川崎フロンターレ戦では田中がジェジエウに出るような守備をしていましたからね。再びやってきても不思議ではありません。
4.予想スタメン
■大分トリニータ
・3-4-2-1の布陣
・ルヴァン杯を考えると、温存した選手中心になるはず
・もしかすると右は岩田や松本が出るかもしれない
■横浜F・マリノス
・4-1-2-3の布陣
・相手を押し込む時間が長くなりそうなので、中盤前目に2枚配置
・狭い空間でもプレーできる仙頭が左ウイングで先発かも
5.予想される試合展開
■やっぱり生命線は即時奪回の正否
これは柏戦と同じです。うまくいってない理由で言及しましたが、今の大分は後ろでの繋ぎに苦労しています。
・繋ぐことに強みを持っている岩田が不在
・試合の度にメンバーが変わるので、意識の統一がしきれていない
このあたりの要因で、強いプレスに屈してしまうことが多いです。共通意識に欠けるため、パス回しに時間がかかる。なので、パスミスを誘発されたり、前に蹴り出してしまう。このような状態なので、次もハイプレスは我々の生命線でしょう。
■田中達也が攻撃に労力を割けるかどうか
・カウンターのため、高めで守備をしたい
・しかし、そうすると背後が空いてしまう
・大分のウイングバックやボランチがここを埋められるか
・または、マリノスがそこを使えるか
前述しましたが、田中はカウンターのため高い位置で守備をしたいはず。しかし、そうすると背後が空き、相手サイドバックに使われることに。ここのスペースを埋めるのは、ボランチかウイングバックになるはず。
例えばウイングバックの場合、前に上がってカバー。残った4人がスライドしてスペースを埋める。このような流れになるはずです。
対するマリノスは、相手がカバーする前にサイドバックにボールを渡したい。なんなら、相手ウイングバックが出てきた背後を使いたい。そのような狙いになるはずです。
これをどちらが素早く行えるか。陣取り合戦が勃発します。相手より早く展開し、陣地を取れる回数が多いチームが優位に立てる。ここのやり取りも、攻守に大きく影響するでしょう。
6.おわりに
・ハイプレスがはまり、即時奪回をできるかどうか
・田中達也の背後をどちらが制するか
・押し込んだ相手を崩せるかどうか
大まかな見所はここでしょう。即時奪回さえできれば、柏戦のように押し込む形が作れるはず。どちらかというと、引いた相手を崩せるかがポイントになるかもしれません。
恐らく苦戦するでしょうし、スコアは僅差なものになるはず。昨年ホームで戦った大分戦に近い構図になるかも。焦らず、じっくり攻撃できるかが肝要です!
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