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AIによるインタビューは可能?

火曜日はサンデー毎日の発売日です。映画コラム『Weekly Cinema』を担当していますが、8月4日号では『帰って来たドラゴン』2Kリマスター完全版が7月26日から公開される倉田保昭さんのインタビュー記事も掲載されています。

倉田さんは1971年に単身香港に渡り、香港映画界で活躍したパイオニア。74年公開の『帰って来たドラゴン』を引っ提げ、凱旋。“和製ドラゴン”と呼ばれるようになりました。このニックネームと映画題名を見ると、主役と思われる人もいるかもしれませんが、主役ドラゴンはブルース・リャンで、倉田さんは敵役です。倉田さんにまったく罪はないのですが、あざとい宣伝戦略ですね。でも、これが大当たりし、翌年の『Gメン'75』出演につながっていくわけです。

本作はストーリーはあってなきのごとく(失礼!)ですが、アクションが卓越しています。当時はワイヤーアクションもCGもない中、全て己の肉体を使って表現。まるで会話するように展開されるアクションが見どころになっています。倉田さんは長いキャリアの中でけがらしいけがをしなかったそうですが、本作で1か月のむち打ち症に苦しんだそうです。詳しくは誌面で御覧ください。

AIの登場によって、アクション俳優のポジション、価値も変わっていくかもしれませんが、肉体アクションは人間に残された数少ない独自の表現領域といえるかもしれません。

一方、私が関わるメディアの仕事も今後はAIが担っていくはずです。企業のニュースリリースもCHAT GPTで作られていますし、それを基にしたメディアの記事も、CHAT GPTで“再生産”されていくでしょう。NHKでも、AIの自動音声がニュースを伝えていますね。AIが作成したニュースをAIが読み上げる。コストダウンは確実なので、それがスタンダードになる可能性も大いにあります。

そんな中で、AIはできない、人間しかできないことは何か。それはおそらくインタビューではないか、と思うのです。CHAT GPTで質問案を作ることはできても、AIにインタビューはできない。取材対象の微妙なニュアンスや感情までは読み取ることができないんじゃないか、と思います。

そんなことを考えながら、猛暑の中、本日もインタビューに出かけていきます。

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