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「ティール組織」を読む①

 今週1週間は「ティール組織−マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現(フレデリック・ラルー)」をあらためて読む。
 (今日は「はじめに 新しい」〜第1章第1部「変化するパラダイム」まで)
 この本はマッキンゼーで10年以上組織変革プロジェクトに携わったフレデリック・ラルーによる「人々の可能性を引き出す組織とは」について書かれた本。
 本書の中心にあるのが
人々の可能性をもっと引き出す組織とはどんな組織か?という問い。

 ◇これまで人類の意識が新たな段階に進化するたびに、新しい協働のあり方=新たな組織モデルが生み出されてきた

 ◇パイオニア組織には共通点がある。パイオニア組織になるための条件、既存のパイオニア組織から学べること、既にパイオニア組織がどのように今後更に進化するかなどを(この本では)考えていく

 ◇それぞれ意識段階に応じた組織形態を色付けして定義。人の意識が発達していくにつれて進化型へと向かう。
→ 衝動型組織(レッド)トップが圧倒的な力を誇示し他の構成員を無理やり従わせる。自己中心主義 例)マフィア オオカミの群れ
→ 順応型組織(アンバー)ピラミッド型組織、トップダウンによる指揮命令。厳格なプロセスよりも「安定」が重視。未来は過去の繰り返し。帰属意識 例)軍隊、行政機関等
→ 達成型組織(オレンジ)…目標は競争に勝つこと。戦略と執行が絶対。利益を獲得して成長を目指す。実力主義組織は機械。前進するための鍵はイノベーション。「イノベーションの行き過ぎ」による”ニーズを作り出そう”としてしまう失敗も 例)多国籍企業、チャータースクールなど
→ 多元型組織(グリーン)企業文化と共有価値を育て守ることを大切にする。古典的ピラミッド組織の中で文化と権限の移譲を重視。従業員のモチベーションを驚くほど高める。会社を「家族」にたとえることも。「皆が一緒」「お互いに助け合う」「360度評価」例)サウスウエスト航空など
→ 進化型パラダイムへ

この発達プロセス(進化)は加速している。人類は誕生以来そのほとんどを「狩りと採集」に費やしてきた「農業中心の生活」に切り替わりその後加速度的に「今の組織」に進化した。この加速度的進化が続くと私達が生きている間に一〜二段階先の組織が出現してもおかしくはない。

(感じたこと)
・まず自分の所属組織の色を考えてみた。そして自分自身についても。それにはどういう「意識」がベースにあるのだろうと想像した。大きな組織ほどたくさんの色を持っていると思うが、根強い意識の傾向はどんなきっかけで「進化」できるか。いろんな企業の色を考えすべてにある「光=よい点」と「影=よくない点」を考えてみようと思った。
・ルールは最終的には裁量によって決まる不公平なものだということ。多元型においてあらゆる考え方を平等に扱おうとするとそれを悪用してとんでもないアイディアを出してきたときにも平等に扱わなくてはならない。よって多元型は古い構造を壊すのは得意だが実践的な対案を作り出すのは不得意だということ。良いと思える組織にももちろん「影」があるのだ。
・自分について言えば、自分で決めた目標(未来)ばかりにとらわれていると毎日毎日を丁寧に過ごせない気がしていた。自分の価値観や共感ばかりを大切にしていると似たような人ばかりとしか付き合わなくなるような気がしていた。何事もバランスが大事だ。
・著者は組織の発達(進化)を人間の発達に例えていた。印象深いのが思春期について。人は認識力を持つことで権威や集団の規範や受け継がれてきた体制に疑問をいだき、まだどうなるかわからない未来に対して「可能性」を見出す。それらについていろんな想像をしていくという。思春期は単なる性的開花のためではなく、心の目に可能性の世界が開かれる時期。私のビジネスキャリアにおける「思春期」はいつだろうか。

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