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「ティール組織」を読む②

 今週1週間は「ティール組織−マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現(フレデリック・ラルー)」をあらためて読む。
 (今日は2日目。第Ⅰ部第2章〜第Ⅱ部第2章まで)
 まず、発達段階について。より進化をした組織が「優れている」のではなくより「複雑に」世界に対処できるようになったということ。重要なのはそのレベルが目の前の仕事に適切かどうかだ。
 そして、別の段階に移行する「きっかけ」とは、現在の世界観からは解決できない人生の大きな試練という形でやってくる→自分よりも複雑な世界観を既に獲得した仲間に囲まれ、安心して自分の心理的葛藤を探求できる環境が与えられると、その人(組織も)が大きく成長できるチャンスが高い、という。
   進化型のステージにいる人は意思決定の基準が外的なものから内的なものへと移行している。つまり、自分の本質に迫り、自分の使命に向かって努力するというのが彼らの原動力。それらの人にとって逆境は自分自身とは何か、世界とは何かを学べる良い機会となる。「この世の中に失敗などは存在しない。ただ自分自身や世界の奥底にある本当の姿に近づくための経験にすぎない」と考えることができる。進化型パラダイムの人々は自分の人生の使命を探すことに忙しいので、明確で崇高な目的を持った組織のみが密接な関係を築きやすく、収益性や成長、市場シェアよりも存在目的が組織の意思決定を導く原則となる。
 
 進化型組織にはミドル・マネジメントがなくスタッフ機能もほとんど存在しない。そのため、相互信頼による統制が効いていてメンバーのモチベーションが高い。
◇進化型組織が開く3つの突破口(ブレイクスルー)
自主経営:大組織でも階層やコンセンサスでなく仲間との関係性で動く
全体性:自分をさらけ出して職場に来ようという気にさせる一貫性
存在目的:メンバーは組織がどうなりたいのか、どのような目的を達成したいのかに耳を傾け理解する

自主経営チーム
(オランダの地域密着型在宅ケアサービスを提供する組織ビュートゾルフの事例から…地域マネジャーは存在せず、代わりに地域コーチがチームにとってのアドバイザーとなる組織。そこにおける、コーチの役割とはチームが自分たちで解決策を見つけられるように示唆に富んだ問いを投げかけること。コーチは内省を通じて課題を認識させ、重要な瞬間に警告を発して問題に対処するために立ち止まるよう提案する。
 育児や教育の事例からも説明があり、罰せられる恐れや褒美をもらえるという期待感からではなくやる気を持って何かプラスのことを成し遂げたいと思えるような環境が自主性を育てる、とあった。
 進化型の教育機関では自分にとって何が問題かを見つけ出し、目標を高く持ち、失敗してはやり直し、何かをやり遂げれば発表することが奨励されている。自分の意見を持つことが重要で、その気になれば自分が何かを変えることができ、自分は他の人々から求められる存在で、自分も他の人々を必要としている、といったことを学ぶことができる。

(感じたこと)
・良い組織とはどんな組織なのか、と考えていたが、進化した組織は優れているということではなく、より複雑な対応ができるようになったということであり、それだけ複雑な問題に直面する可能性があるということ。人間も同じだ。
・メンバーの自主性を重んじ、自分で(役割や解決法を)学び取って(気づいて)もらうというスタイルは、現在学んでいるケースメソッド教授法の考え方に通じるものがあった
・子供と接する上で、ついつい安直に、怒ったり褒美を与えることでコントロールしてしまいがちだが、そういった方法以外に自主的にポジティブに子供が動く方法を探りたいと思った
・進化型パラダイムとは、いわゆる「悟りの境地」に近い状態だなあと感じた。怒りや不公平感、不満等がなく、誰かにコントロールされることもなく、自分が何者かという原動力だけで生きる。
・組織も人間も、時や環境や場面に応じてその求められる役割が変わる。ただ「圧倒的に成果を出せる」組織形態として進化型パラダイムがある。「他人をコントロールしたい」「恐れ」等のネガティブな感情ではなく内的な動機「自分とは何者かを探す旅」により、信頼できる同僚とともに自ら進んで組織の目的達成に向けて協力し合う組織は強いのだろうと感じた。

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