見出し画像

こんな症状ありませんか? グルテンが関係しているかも!(1/5)

みなさん、こんにちは。
小麦や、小麦などに含まれるたんぱく質、グルテンのことを、もっと多くの方に知ってもらいたくて、ブログを書いています。
今週は、グルテンが関係する主な症状を、5回シリーズでお伝えしようと思います。
みなさん、ひとつやふたつ、思い当たるものがあるのではないでしょうか。

食後におなかが張る、重い感じがする

食事のあと、おなかが張ったり、下腹部が重たい感じがすることって、ありますよね。
でも、毎日ではないし、しばらくすると解消するので、特に気にしないという方も多いでしょう。実をいうと、わたしもその一人でした。

画像1

症状がひどい場合は、お薬を飲むことがあるかもしれません。おなかが張ることを「腹部膨満感」といい、「ガスピタン」という市販薬が発売されています。CMも流れているので、ご存じの方も多いでしょう。これを飲むと、しばらくすると膨満感は解消されます。重い感じがする場合は、整腸薬を飲みますよね。こちらもしばらくすると楽になります。でも、待ってください。

①これらのお薬は、症状を緩和しているだけで、根本的な原因に対処しているわけではありません。

②お薬を飲んでからしばらくすると症状が和らぎますが、これはお薬を飲んだ結果なのか、時間が経って症状が消えたのか、はたまた、お薬を飲んだことで効いたと思い込んだ結果なのか(これをプラセボ効果といいます)、わかりません。

おなかが張るのは腸内でガスが発生しているから

おなかが張る原因は、大腸の中でガスが発生しているからです。ガスとは「おなら」です。ガスの成分は、水素、二酸化炭素、メタンです。このほかに、口から飲み込んだ空気の成分も混ざりますので、おならには窒素と酸素も含まれています。ついでに言うと、これらのガスは無臭なので、腸内で腐敗が起こっていない限り、おならは無臭です。

なぜ腸内でガスが発生するのでしょうか。人間が食べたものは胃で分解された後、小腸から吸収され、その残りが大腸に送られて、最終的に大便となって排泄されます。この残渣が大腸へ送られると、残渣に含まれる炭水化物をエサにする腸内細菌が増えます。腸内細菌は炭水化物を分解してガスに変えることで、生きているのです。その結果、おなかが張るのです。

また、便秘がちの方は、この残渣が長く大腸内にとどまることによって、さらに多くのガスが発生してしまいます。反対に、下痢気味の方は、ガスが大腸を刺激し、下痢の症状を悪化させることがあります。

画像3

下腹部の痛みの原因はガスと未消化物による刺激

食事のあと、下腹部が重い感じがするのは、なぜでしょうか。原因はいろいろと考えられます。
①腸内でガスが発生するため
ガスが大量に発生すると、大腸壁を刺激するので、痛みを感じます。

②未消化物が腸内に長くとどまるため
消化・吸収されにくいものが小腸、大腸内に長くとどまることで、下腹部が重く感じられます。

③未消化物が小腸の粘膜に炎症を起こすため
これは主に分解されにくいたんぱく質が原因です。小麦に含まれるグルテンや、牛乳に含まれるカゼインというたんぱく質は、もともと分解されにくいのですが、それが原因で炎症が起きることが知られています。炎症により、痛みを生じることがあります。

原因となるものを抜くという対処法

多くの人が不快だと感じる腹部膨満感と下腹部の痛み。それを解消する目的で、さまざまな医薬品、サプリメント、食品が売られています。例えば、腸内細菌のバランスが悪いと、ガスを発生させる菌が増えるから、乳酸菌を増やすためにヨーグルトを食べるとよい、とよく言われます。これは間違いではありませんが、腹部膨満感の原因を取り除いたことにはなりません。いつもの食事を変えずに、ヨーグルトを追加すれば、その分、カロリーの摂取量も増えます。おなかが張る原因となる食べ物を控えるほうがよいと、私は考えます。

画像2

それは具体的に何でしょうか。いろいろありますが、小麦、乳製品、人工甘味料を使ったお菓子などです。成分の名前でいうと、ラクトース、フルクトース、キシリトール、ソルビトール、グルテン、カゼインなどです。

FODMAPってご存じでしょうか。FODMAPは、発酵性オリゴ糖、二糖類、単糖類、ポリオールの英語の頭文字をとった略語で、消化・吸収されにくい炭水化物の総称です。ラクトース、フルクトースなどは、この中に含まれます。また、グルテン、カゼインとも分解されにくく、消化器だけでなく、体のいろいろなところに悪影響を与えることもわかっています。こちらもウェブサイトの記事をご覧ください。

日頃から、腹部膨満感や下腹部の痛みに悩んでいる方の多くは、FODMAPのことをすでにご存じで、FODMAPの少ない食事を心がけておられるかもしれません。それでもなお、症状が改善しない場合は、一度、グルテンとカゼインを疑ってみてください。お薬や健康食品を「加える」のではなく、日頃食べているものから小麦や乳製品を「抜く」ことを、ぜひ試してみてください。

明日は、下痢と便秘について、ご紹介します。よかったら、フォローをお願いします。

まとめ

・腹部膨満感の原因は、腸内細菌が未消化の炭水化物をガスに変えているため。
・下腹部の痛みの原因は、ガスの発生、未消化物の滞留、未消化物による炎症などが考えられる。
・お薬、健康食品などを摂ることは、症状を和らげているだけで、根本的な解決にはならない。
・消化・吸収されにくい炭水化物(FODMAP)を控えることで、ガスの発生は減らせる。
・それでも下腹部の痛みが解消しない場合は、グルテンとカゼインを抜いてみる。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?