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タイ米にダイエット効果があるってホント!?

こんにちは。
今日はタイ米についてのお話です。タイ米は日本のお米より細長く、パサパサしていて、独特の匂いがあります。チャーハンやパエリアに使われることがありますが、そもそも日本ではあまり見かけません。
お米は世界で年間4億8,000万トン(精米換算)生産されており、トウモロコシ、小麦に次いで世界で三番目に多く生産されている穀物です。そのうち85%がインディカ米、つまりタイ米なんです。
日本のお米はジャポニカ米という種類ですが、世界的に見ると少数派だったんですね。
先日、小麦粉を米粉で置き換えても、ダイエット効果は期待できないというブログをあげましたが、今回は、タイ米にはダイエット効果がある!というのが結論です。
それでは詳しく見ていきましょう。

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タイ米と日本米の大きな違いはアミロースとアミロペクチンの比

タイ米は、細長く、炊くとパサパサして、独特の匂いがあります。一方、日本のお米は、楕円形をしており、炊くと適度な粘り気、もっちり感があります。このパサパサ感ともっちり感の違いは、何が原因なんでしょうか。

乾燥したお米の90%は「でんぷん」です。でんぷんはグルコースという糖が数千~数万個つながってできています。でんぷんには、グルコースが1本の鎖状につながった「アミロース」と、枝分かれしながらつながった「アミロペクチン」という2種類があるのですが、このアミロースとアミロペクチンの割合が、お米のパサパサ感、もっちり感を決めています。

アミロースとアミロペクチン

お米に水を加えると水を吸って膨張します。さらにこれを加熱すると、粘り気が出てきます。これはでんぶんの分子構造が壊れて、ゲル状に変化するためで、この現象を糊化(こか)といいます。アミロースとアミロペクチンを比較すると、アミロースは糊化が起こりにくく、アミロペクチンは糊化が起こりやすいです。そのためアミロペクチンが多いでんぷんほど、炊飯したとき、粘り気が多くなります。

日本のお米、ジャポニカ米には、ふだんご飯として食べている「うるち米」と、お餅や赤飯、おこわにして食べる「もち米」の2種類があります。うるち米はアミロースとアミロペクチンの比が2:8であるのに対し、もち米は0:10、すなわち含まれているでんぷんはすべてアミロペクチンです。炊いたうるち米ともち米を比較すると、たしかにもち米の方が、粘り気があって、モチモチしています。

ところで本題のタイ米ですが、タイ米にもうるち米ともち米があります。もち米はタイの東北部とラオスでしか栽培されていないので、ここではうるち米について説明します。タイ米のうるち米は、アミロースとアミロペクチンの比が3:7です。すなわち、日本のお米(うるち米)よりもアミロースが多く、アミロペクチンが少ないため、パサパサした食感になっていたのです。

アミロースが多いことによるダイエット効果

グルコースが直鎖状につながったアミロースと、枝分かれが多いアミロペクチン。どちらもグルコースが数千から数万個つながってできていますが、実はアミロペクチンの方がグルコースがより多くつながっています
栄養分となるためには、アミロースもアミロペクチンも、その構成単位であるグルコースに分解する必要があります。グルコースになって初めて、小腸の細胞壁を通り抜けて、血管の中に入ることができます。つながっているグルコースの数が少ないアミロースと、多いアミロペクチン、どちらが速く分解されると思いますか。数が少ないほうが速いに決まっていると思うでしょうが、実はグルコースがたくさんつながっているアミロペクチンの方が速く分解されます。これはアミロペクチンの方が形が不規則なため、消化酵素によって分解されやすいからです。

タイ米と日本の白米を比較してみましょう。タイ米は分解に時間がかかるアミロースをより多く含んでいます。そのため、同じ量のお米を食べた場合、タイ米を消化するためには、日本の白米の1.4倍の時間がかかるそうです。

さきほど述べたように、分解されててきたグルコースは、小腸細胞壁から血管に入ります。血液中のグルコース濃度を血糖値といいますが、タイ米をたべたときは、日本の白米よりも血糖値の上昇が緩やかになります。血糖値の上昇がゆるやかになると、肥満が起きにくくなり、またⅡ型糖尿病になるリスクも下がります。
また消化に時間がかかるということは、腸管内での滞留時間が長くなるということです。そうすると腹持ちがよくなり、空腹感からの間食を防ぐことにつながります。。

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調理方法の違いによるダイエット効果

日本のお米は炊飯器で炊いて食べるのがふつうですが、タイ米を炊飯器で炊くと、パサパサしている上に、独特の匂いがあるので、食べづらいです。ところがタイでは日本とは違った方法で、お米を炊いています。炊くというより、スパゲティと同じように茹でています。お湯が煮立った鍋にお米を洗わずに入れ、7~8分茹でたのち、茹で汁を捨てて、ふたをして10分ほど蒸らす、という方法でお米を調理します。こうすると、匂いも少なくなりますし、お米に含まれているでんぶんや糖分が茹で汁に溶けだし、その分、カロリーが低くなっています。
パエリアやジャンバラヤのように、洗ったお米を具材と一緒に煮る、という調理方法もあります。この場合はお米のカロリーは減りませんが、茹でた場合は、カロリーはかなり下がります。この原理を使った炊飯器が日本でも発売されています。いわゆる糖質カット機能付きの炊飯器です。まずお米を多めのお湯で炊き、そのお湯をいったん排出したのち、新しいお湯を加えて、ごはんを蒸らすというものです。排出するお湯に、ごはんに含まれる糖質の1/3が含まれるとのことで、これを使うと白米のカロリーを2/3に減らすことができます。

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まとめ

・タイ米はインディカ米、日本のお米はジャポニカ米と異なる種類です。タイ米は日本のお米に比べてアミロースが多いため、パサパサしています。
・アミロースは分解されにくいため、アミロースが多いタイ米は消化・吸収に時間がかかります。そのため、タイ米を食べたときは食後血糖値の上昇が緩やかになり、肥満、Ⅱ型糖尿病が起きにくくなります。
・タイ米は茹でたのち蒸して調理されますが、茹で汁に含まれる大量のでんぶん・糖質は、できあがったごはんに残っていません。そのため元のお米に比べて、カロリーは下がっています。


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