マンツーマン英会話で浪費する女
駅前留学をはじめた。全身脱毛とおなじく、5年くらい踏み切れずにいたアクティビティだ。
学生のころ、いちばん得意な教科は英語だった。語彙が増えるというのは、日本語でなくとも楽しく、何時間勉強しても苦痛にならない教科のひとつだった。数学や物理は、理解はできているつもりでも試験での出来不出来は神のみぞ知るというくらいの実力だったが、本番の試験では、英語の点数に何の心配もないことこそが、何よりの精神安定剤となっていた。
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