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20240225 稽古場アパレル

演劇をやっていて俳優やスタッフが稽古の時に着るのがいわゆる稽古着である。ステージナタリーさんに昔ケイコレ〜稽古着ファッションをお届け〜という連載があって、いろいろな俳優さんの稽古着のコーディネイトを紹介されていたりした。劇場で着ることになる衣裳はもちろんのこと、普段の稽古場で着ているものも(すこし大袈裟だが)ファッションというか自己表現の一つではあるので、気の利いた連載だなぁと思ってちょくちょく読んでいた。

▼世間一般の演劇のステレオタイプというか、再現ドラマや映画なんかに出てくる典型的な”役者”の稽古着というと、どこのブランドだかよくわからん古ぼけたジャージにTシャツで頭や首にタオルを巻き、汗を流して稽古をしていたりするような感じかと思う。一見してダサい。たしかにそういうパターンもあるのだが、個人的に見ていておもしろいなと思う稽古着にはたとえばこんなものがある。

▼「圧倒的ハイブランド」商業の舞台の稽古に出たりする時に目の当たりにするのが、テレビに出たりするようなタレントの人たちが普段の稽古着としてsupremeやStussyやBalenciagaとかのTシャツやパーカーなどを着ている姿である。一枚数千円とか数万円くらいのアパレルを何気なく普段使いの稽古着に使っているのを見た時に「ああ、この人は本当に芸能人なのだな」というのを肌で感じることができる。

▼「カンパニーTシャツ」演劇をやっていれば誰もが聞いたことのあるような有名劇団や有名作品の作品関係者しか持っていないはずのTシャツやパーカーを俳優さんやスタッフの方が稽古場で着ているパターンは結構ある。「これまでこういう作品に関わってきたのです」という自己紹介の代わりにもなり、稽古場で出会ったばかりの時にはコミュニケーションの糸口にもなったりするから、個人的には結構楽しみにいろんな人の稽古着を見ていたりする。

▼「出身校・養成所の卒業記念アパレル」大学の演劇科や養成所の卒業公演では記念のTシャツやパーカーをつくることが結構多くて、着ている人もちょこちょこいたりする。日藝、桐朋、多摩美、桜美林、俳優座、青年座、文学座などがメジャーなところだろうか。狭い業界なのでそれぞれの大学や劇団の出身者に一人か二人は知り合いがいたりして、「◯◯期の××さんって知ってる?」というような当たり障りのない会話をできたりもするので便利である。

▼他にも国内外の劇場やフェスティバルの関係者が貰えたり会場で買えたりするような限定のTシャツや、はたまた音楽のフェスティバルや好きなバンドのTシャツ、出身校の学校のジャージをきていたり、あるいは自身が展開するブランドのアパレルを着ていたりするパターンもあったりしてまあ様々である。稽古場で着るものだから観客の方に見えるものではないものの、同業者からするとそれぞれのこだわりが垣間見えて地味に楽しいものではある。

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