将来独立を目指したい税理士受験生からのご質問~31歳、3科目合格済で上場企業経理の方~
<ご質問>
はじめまして、ブログを見させていただいています。現在31才で上場企業の経理として8年勤めています。
税理士に興味があり5年前から税理士試験を受験し簿記、財表、消費税まで取得し現在、法人税を勉強しております。
現在の職場ではあまり幅広い職務経験ができず特に税務の経験がつめず、比較的安定しております、残業も少ないため残ってますが、転職を数年前から考えるようになりました。
昨年消費税を合格し今年、法人受験後には税理士業界にいきたいと思います。
税理士としての力をつけたい場合はどのぐらいの規模の事務所が向いているか悩んでおります。
是非ご経験から教えていただけると助かります。宜しくお願いします。
将来的に独立できるぐらいにはなりたいと考えています。
<回答>
将来的に税理士として独立開業を目指したい場合の就職すべき税理士事務所について回答します。
31歳で3科目合格されているということで、税理士業界も他の業界と同じように人手不足のため、就職はしやすいかと思います。
独立をお考えの場合で働く税理士事務所の規模としては、いつごろに独立したいかによると思います。
①1〜3年後の独立をお考えの場合、独立に必要な経験がひと通り積める小規模な事務所をオススメします。
小規模な事務所は担当制で、担当顧問先の1年の流れをひと通り経験できるため、独立した後も業務の流れを把握できている状態で独立ができます。
このようなひと通り業務を経験できる小規模事務所に所属したことがなく独立している人ももちろんいます。
しかし、小規模事務所を経験しておくと、未経験とは違ってよりスムーズに自分の独立をイメージできるというメリットがあるかと思います。
顧問先へのアプローチの仕方、顧問料の相場感や、業務の回し方など、その事務所に所属していなければ知ることができない情報を知ることができます。
②3年以上先での独立をお考えの場合、まずはBig4税理士法人(Pwc、EY、DTT、KPMG)など大規模事務所での就職をおすすめします。
Big4税理士法人で働く場合の年収や業務内容については下のブログをご参考ください。
Big4のような大規模事務所は、年齢が若くて科目合格が進んでいる方(主に3科目程度)を採用しますので、ご質問者様のご年齢であれば今がチャンスだと思います。
大規模事務所では一部上場企業や外資系企業が顧問先としてあり、中小事務所では一生経験できない業務を担当することができます。
今後の税理士人生を考える上では、このような特殊な税務の経験は直接は活きなくても、幅広い知見を得られます。
また、大規模な顧問先を担当していたという経験があれば、中小企業の税務に臆することなく仕事を受けることができます。
この『臆することなく』という所は、独立開業すると意外にも重要だったりします。
独立開業したら、当たり前ですが、すべて代表税理士の責任になります。
何かミスがあれば代表税理士の責任であり、最悪な場合、損害賠償や税理士資格はく奪につながります。
そのため慎重にならざるを得ない場面もたくさん経験します。
独立したら食べていかねばならないので顧問先を増やすことも大事なことですが、それと同時に、資格はく奪につながりかねない顧問先を顧問としてはならないのです。
慎重かつ大胆にという難しいことが求められます。
大規模事務所で得られる一番大事なことはこの大局観だと思っています。
税理士事務所への転職について回答しましたが、転職時の注意点としては、転職による収入の減少です。
ご存知かと思いますが、収入に関しては、税理士事務所へ転職された場合、現在の上場企業の経理職よりもおそらく下がることになると思います。
Big4税理士法人の規模であれば、資格がなくても年収500万円ほどでスタートしますが、中小事務所は年収300〜400万円ほどでスタートし、事務所によって全く異なりますので一概には言えませんが、その後の昇給はあまり見込めません。
いずれにしても後は質問者様が採用された税理士事務所でしっかり学び、尚且つ税理士資格を取りきることが大事です。
どのような事務所に所属したとしても、学びはあります。
真似すべき素晴らしい事務所もありますし、真似したくない事務所もあります。
どちらもご自分の独立にしっかり活かしてください。
税理士資格も3科目まで科目合格が進んでいれば、あと少しのようですが、ここで挫折した人もたくさんいます。
最後まであきらめず頑張ってください。
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