きずな (『バッテンガール』スピンオフ応募作)
寮を出たところで清塚杏奈に出くわす。「なんで……」思わず声を上げてしまう。清塚杏奈はニコニコしながら、よっ、と右手を上げてやってくる。昨日の今日で、まともに顔が見られない。「天気もいいしさ、カフェでお茶でもしよ?」そう言うと、私の腕を引っ張るように歩き出した。「ちょっ、どこ行くんですか」「お気に入りのカフェ。先週見つけたんだ」「先週見つけてもうお気に入り?」「なんか文句ある?」「いや別に。ないっす」清塚杏奈はにい~っと笑うと、イイコイイコ、と私の頭を撫でた。「やめっ、やめてく