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短編小説いろいろ

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スピンオフコンテスト企画に応募した作品を含め、短いお話を集めてみました。
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記事一覧

おかあさん(と、偶におとうさん)

おかあさん あなたが私を産んだなら よかったのにと遺影を見やる 洗濯物 あいつの分はたた…

比良岡美紀
6か月前
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岸壁の日曜日(第三回古賀コン応募作品)

 どうしてこうなったのか。バスルームで髪を切って、東京タワーあたりをダッフルコート着た君…

比良岡美紀
7か月前
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「アメリカの入学式」(第2回古賀コン応募作品)

 時雄がそれを言い出したのは、いつもと同じメンツの変わり映えしない飲み会の最中。正確には…

比良岡美紀
10か月前
10

阿賀北ノベルジャム『有限会社新潟防衛軍』スピンオフ掌編『余はいかにしてバッドウー…

 この作品『余はいかにしてバッドウーマンとなりしか』は阿賀北ノベルジャム2022の作品『有限…

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手ブレのジョン

「気にするな、ジョン。お前のせいじゃない」保安官の手が左肩をぽんと叩く。「大丈夫、逃がし…

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きずな(フルバージョン)

この作品は、『バッテンガール』スピンオフ企画に応募した「きずな」のフルバージョン完結版で…

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きずな (『バッテンガール』スピンオフ応募作)

寮を出たところで清塚杏奈に出くわす。「なんで……」思わず声を上げてしまう。清塚杏奈はニコニコしながら、よっ、と右手を上げてやってくる。昨日の今日で、まともに顔が見られない。「天気もいいしさ、カフェでお茶でもしよ?」そう言うと、私の腕を引っ張るように歩き出した。「ちょっ、どこ行くんですか」「お気に入りのカフェ。先週見つけたんだ」「先週見つけてもうお気に入り?」「なんか文句ある?」「いや別に。ないっす」清塚杏奈はにい~っと笑うと、イイコイイコ、と私の頭を撫でた。「やめっ、やめてく