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就労施設での生産性のボトルネックはどこ?

弟が亡くなった後、野暮用でお世話になった作業所に行ったので、
せっかくなので、弟の代理のように、朝から夕方まで、弟がしていた作業と同じことをしてみた。(コロナの前だったからできたこと。)

いかんせん、弟は人柄がよく、みんなに好かれていたため、
「(弟の)お姉さん」というポジションの私は、熱烈歓迎されてしまい
初対面なのに、作業所の多くのお仲間から声をかけてもらえる存在でした。

職員の方は、「(私が来たので)みんな、今日は外面がいい!」と言っていたし
お話ができる、お仲間からは、「いつもはね、もっとうるさいの、ケンカとかするの。」と、いつもとは違う雰囲気だということを教えてもらった。

確かに、弟がリビングのソファーでダラーーーっと寝ていても
お姉ちゃんがくると、ムクっと起き上がって座り直すほど。。。
普通にしていても、私には威圧感があるのだろう。

私の職場の中でも、私、ちょっと、いや、かなり厳しいものね。
みなさん、敏感に察するのね。。。。隠せない。。。。。汗

その日の作業は、「エプロンたたみ」と「タオルたたみ」。
介護用エプロンを畳む作業と、近くの別の就労施設でクリーニングが終わった
おしぼり用タオルを一枚一枚広げて、数を数えて束ねていく作業。

周りにいるお仲間に、やり方を教えてもらって、ひたらすらエプロンを畳む。

次は、タオルたたみ。

まずは、クリーニングが終わったタオルを引き取りに、近くの就労施設までクリーニングカートを押していく。そこで、おしぼりタオルを大量に預かり、また自分たちの作業所まで持って帰り、タオルを揃えて納品する。

タオルたたみの時は、検品係を仰せつかった。
利用者のみなさんが綺麗に伸ばして重ねたタオルを検品する係。
タオルの中には、使い古されて、隅っこがほつれていたり、クリーニングのダメージで生地が傷んでいたりするものがあるので、それを取り除く作業。
利用者の皆さんも、綺麗でないタオルは除いてタオルを重ねてくれるのだけど
これは対価をもらって市場で取引される商品、ちゃんと検品しないといけない。

そう、検品係は重役なのです!

今日は「お姉さん」がいるので、みな、張り切り、中には、職員さんでなく
私に検品して欲しい!とおねだりするお仲間も。

弟、君はみんなに愛されていたんだね。

まあ、みなさん、手慣れた手つきで、どんどん作業するので
あっという間に、私の周りは、検品すべきタオルの山が積まれてしまった!
職員さん数人と私の検品では、検品が間に合わないほど早い!

職員さんは、利用者さんに、目配り・気配り・サポートをしながらの検品。
ずっと検品作業だけしていれば良いわけではない。
検品が間に合わず、タオルを預かった別の施設への納品が翌日になったりすることもあるとのこと。そして、時に、職員さんは残業対応することもあると。

生産性を阻害するボトルネックは、職員の検品作業。
利用者が遅いのではないのです。

私は、検品作業をしながら、「もっと早く検品作業ができるのは?」と思っていた。

一般企業なら、生産性を上げるべく、作業工程の見直しが指摘されることもあるでしょう。でも、作業所の職員さんは、業務改善に向ける時間もないのでは?
もしかしたら、職員がボトルネックになっていることも気づいていないかもしれない。

建築現場では、「作業手順書」というマニュアルが作られ、誰でも同じように作業できるよう、また、作業手順が改善できるような取り組みがなされています。

お料理を作る時だってレシピがあり、事前の段取りが大切なのと同じです。

職員の方の生産性が向上することで、利用者さんの工賃が向上したり、
職員の方の残業時間が削減できればいいなと思いました。

ちょっと作業を一緒にしただけでおこがましいとは思いながら、
僭越ながら「作業手順書」を書いて提案をしてみました。

「お姉ちゃん、余計なことを!」と怒られるのか、
「お姉ちゃん、ありがとう!」と言われるのかはわからないのだけど。。。

コロナが落ち着いたら、またボランティアしてみようかな。
ダメなお姉ちゃんは、挽回したいのだよ!






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