目標を達成していくために必要なもの : 「野心のすすめ」を読んで
林真理子さんの「野心のすすめ」。
共感できる考え方とか。
鼓舞されるメッセージだけでなく。
林真理子さんが受けた、いじめのようなエピソードも書いてあったりした。
それでも、前へ前へと進み続けた林真理子さんのお話はとても面白かった。
そんななかで、今の私が一番共鳴したのは、以下の文章だった。
どうしてかというと、最近の自分の感覚と近かったからだ。
自分の感じる不快さを解消していくことが、生きやすさや、充実感に繋がると感じていた。でも、そのためには自分の人生と関わっていかなければいけないのである。
私は 30歳位まで、積極的に自分の人生と関わっていくことから逃げていた。 理由はいくつかあると思うけど、一つは父親にあると思う。
私の父親は暴力こそふるわなかったけど、自分の思いどうりに人を支配しようとする人だった。支配から逃れようとすると、怒鳴ったり、大きな音を出したり。これって、精神的な暴力でしょう。そんな感じだったから、学校でも、職場でも、家でも。私は安全な場所がないと思っていたので、人前で目立つことをとにかく避けるようになった。
また自分の悩みを人に相談することもできず、ただ抱え込んでしまった。父親はとにかく上から目線で話をしてくるか、人の悪口を言うので、会話をすれば嫌な気分になった。私自身も、何をやっても父親の批評から逃れることができなかった。と、子供なので思い込んでいた。
そんなこんなで、私は自分以外の人に全く期待しなくなったし、心の底から自分の考えていることや、感じたことを表現しなくなってしまった。
その後、社会に出て働き、色々な人がいることを知った。また、30歳になる前、祖母が病気で亡くなり、時間は有限で人生の中で健康でいられる時間は短いということを痛烈に感じた。そんな風になって、ようやく自分自身と向き合い、関わり出したのだ。遅いスタートだった。
それからは、自分の専門分野以外の本もたくさん読み始めた。もちろん、すぐにいろいろな知識(情報)を自分のものにできたわけではない。けれど、とにかく自分のためになりそうだと思った知識を試してみたり、働く環境を変えてみたり、住む場所を変えてみたりした。
少しでも生きやすくなるようにと、行動し始めた。
それから10年ほど経つと、自分の考えていることや感じたことを、以前よりも表現することができるようになっていた。
けれどその頃はまだ、「自分の中に生まれる不快な感情を我慢する癖」が残っていた。
これってつまり、行動の軸が、まだ他人の評価にあったのだ。すごく頑張っているのに、実際に結果も出せていたのに、生きづらかった。
そこから更に3年ほどたったころ、詳しくは書けないけれど、ある出来事を通して自分の中の不快が、はっきりと「他人の顔色を見て、本当の自分の気持ちを押し殺していたからだ」と分かった。
やっと、言語化できたのだ。
それから、生き方をスパッと変えた。
そうすると面白いもので、不快な感情がある場合、どうすればそれを解決できるのかということを考え始めることになった。
するとさらに、知識(情報)を集めようとするし、能動的な行動力も上がる。それらの行動は、 誰かに評価されるためのものではなく、自分自身の快適さを勝ち取るために行われるものだ。
誰かに評価されるためにやる努力というのは、モヤモヤとしたものを心に産み出し続けていた。 達成して褒められたとしても、ただホッとするだけ。
一方で、自分自身の快適さのためにする行動には、中毒性がある。 達成されたときにとても心地いい。だから、またやりたくなる。そして、もう二度と、以前の状態には戻りたくなくなってしまう。
その行動の質の差が、今回引用した文章のいうところの、「同じ時間を生きているのに、知識や器に差がある」、という結果に繋がっていくのではないかと感じたのだ。
若い頃からきちんと自分の人生と向き合い、積極的に関わっている方々と比べれば、私は何周も周回遅れだ。
それでも、これからも地道に、自分自身の持つ考えや感情をアウトプットしていきたい。
この本の終わりに、野心を山登りに例えている話が書かれている。
私はこうなりたい!とか、こんな人生を送りたい!という目標やビジョンがある方には、ぜひ読んでいただきたい部分だ。読めば、やる気が自然と湧き上がって来る。
もし過去の自分と話すことができるなら、自分自身の山を登るために、ぜひ、自分の中にある考えや感情を大事にして欲しいと伝えたい。自分の考えや感情は、山を登るためのコンパスだと思うから。時には自分の考えや感情に圧倒されることもあるけど、それらは自分の行くべき方向を示してくれる。
自分自身の山を登るときの孤独。
不安に耐え、 必死で登ってきた場所から見える絶景。
私も、自分の山を登り続けて、もっともっと素晴らしい景色を見続けられるようにしたいと思う。
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