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読書の感想

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読んだ本の感想を書きます。
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#読書

お金と夢をつかむ考え方を学ぶ:「まんがでわかる 年収200万円からの貯金生活宣言」読書感想

「まんがでわかる 年収200万円からの貯金生活宣言」を読みました。作家の石田衣良さんがyoutubeチャンネルの番組内で、面白かったとおっしゃっていたので興味を持ったことがきっかけです。  収入を増やすことは今すぐに実現化することが難しいので、支出を減らすという面にスポットライトを当てています。  例えば、この本では支出を消費、浪費、投資の3つに分けてみることが勧められています。浪費もゼロにすることはなく、月収の5%までならOKとしている所も現実的です。継続できることを第

孤立していると感じる夜に : 「絶望名言」読書感想文

 NHKのラジオ深夜便の番組を文庫としてまとめたもの「絶望名言」を読了しました。これは古今東西の文学作品の中から、絶望を書いた言葉を紹介し、生きるヒントを探す番組です。 「いくら生きたいきたいと思っても、死が救いに思われるほど辛い現実がある」  そんな言葉が飛び出すほど、絶望の名言と体験を深く掘っていく内容になっています。カフカ、ドストエフスキー、べートーヴェン、ゴッホ、芥川龍之介、中島敦などなど。  文学の中の絶望名言やその背景を知ることで、「ああ、人生がとても苦しい

8月前半に読んだ本、7冊のご紹介

 8月前半はお盆休みがあったことや引っ越し先が決まって読書する時間が十分に取れたこと、読書術の本を読んだことで読書に投資する感覚が変ったことがありました。その影響で、読書量がとても増えて嬉しいです。  それでは早速、8月前半の7冊のご紹介をしていきます! ①「死をポケットに入れて」 チャールズ・ブコウスキー著(河出文庫)  作家、ブコウスキーの晩年の考えや感じたことを生々しく描いたエッセイ。彼の日常の小さなエピソードから大きな哲学に至るまでの、鋭いそして独自の洞察を知るこ

作家の晩年と人生哲学を探る:「死をポケットに入れて」ブコウスキー読書感想

 作家、チャールズ・ブコウスキーの「死をポケットに入れて」を読んだ。  ブコウスキーが亡くなったのは1994年3月9日。この作品は、1991年8月28日から1993年2月27日までの間に書かれた33日分の彼の日記である。しかし、実際は日記というよりもエッセイのようだと訳者あとがきには書かれている。確かに読んでいると、書くことについてやこれまでの人生について振り返っていたり、短編小説を読んでいるような面白いエピソードもいくつか書かれている。  文庫本としては、薄い230ペー

副業や執筆のヒントになるか:「会社で働きながら6カ月で起業する」を読んで

 「会社で働きながら6か月で起業する」(新井一著、ダイヤモンド社)を読んだ。  きっかけは、起業をしたい友人が面白かったとすすめてくれたことだった。読んでみると、確かに起業を初めて意識した人には面白い本かもしれない。  起業のために何をすればいいのかが、分かりやすく書かれている。例えば、起業しようと思ってから一ヶ月目にやること(まずは付き合う仲間を変える、頑張り過ぎない、とにかく行動など)、二ヶ月目までにやること(一人でできるサイズで、など)、四ヶ月目までにやること……とい

「人を操る禁断の文章術」感想文:メンタリストDaiGoが教える文章の力

 「人を操る禁断の文章術」(メンタリストDaiGo著)を読んでみました。文章の力で相手を引き込みたい、ビジネスで文章を武器に使いたい、そのような思いを持つ方で、とりわけまだ結果を出せていない方には読む価値がありそうです。この本は、文章をまず読んでもらえるテクニックから始まり、次に読んだ方が文章内の言葉に反応して想像し、行動を起こす。この一連の流れを産み出す文章の仕組み、ノウハウを書いています。  私が面白かったのは、「ありきたりで常識的な言い回しに、過剰で具体的な条件(状況

記憶に残る読書法と本への投資バランス:「読んだら忘れない読書術」感想文

「読んだら忘れない読書術」 (樺沢紫苑 著)という本を読んだ。読書術をテーマにしたものを読むのは初めてだった。独自の読書方法でも読むことに満足しているなら悪くはないと思う。だけど最近の私は、もっと読書量を増やしたいと思ったのだ。それで、このテーマに興味を持つようになったのだった。 ①記憶に残る読書法について  「この本、おもしろそう(ワクワク)!」と思ったら、その思いがあるうちに一気(1~3日間)に読むと記憶に残りやすいらしい。ワクワクしたり、目標設定(読む日数を決める

文章を速く書けるようになるコツ【読書感想文】

 超速文章術という本を読んだ。  この本は文章を書き始めた人のバイブルになりうるだろうか。文章を書きたい気持ちがあるのに、どこから手をつけてよいかわからないときに役立つ内容として書かれている。  ある意味、潔く割り切った内容だった。書く「内容」と「構成」だけに特化している。著者曰く、「内容」と「構成」のスキルを身につけることは、文章がうまくなる最短のルートだという。そのため、文章を書く際の穴埋めや文章の型が複数紹介されている。その穴や型を埋めるようにして文章を書くと、ある程

禁域の山で起こる謎と恐怖のエンタメ体験:バイオ・ホラー小説「ヨモツイクサ」レビュー

 バイオ・ホラー小説「ヨモツイクサ」(知念実希人 著)を読んだ。  フタを開けてみると、これはホラー、ミステリー、サスペンスの要素が融合した一冊だ。それぞれの要素が興奮と好奇心を刺激し続け、読めば読むほどこの物語の世界に引きずりこまれる。ホラーのエンタメ本を探している方にはぴったりの一冊だと思う。  今日はネタバレを避けて、「この小説のここが面白かった!」と感じた五つをご紹介。 kindleで読める無料お試し版もあります↓ ①怪奇現象の鍵を握る人物は誰かの謎  物語の

異なる知能の現実を知る:コミュニケーションについて考えさせられる本と出会って

 IQ(知能指数)が20違うと会話が通じないということを「高知能者のコミュニケーショントラブル」という本から知った。  すごいテーマの本だと思った。だって、この本に出会うまで、IQを基準にして人とのコミュニケーションについて考えたことが無かったから。衝撃的だったのは、IQが20違うことを分かりやすく例えた話だ。IQが20違うと、チンパンジーと人が会話をしているようなものなんだそう。  以前、SNS上で医学部の教授と何者かよくわからない人が、ある話題をめぐってやり合っている(