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小説を書くためのあれこれ

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長編小説を書いて新人賞へ応募したい! 試行錯誤のあれこれ。
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#読書感想文

デジタル時代の完璧な失踪は可能か:「VANISH 自己消失リアルゲーム」ノンフィクション読書感想

 ノンフィクション「VANISH 自己消失 デジタル時代に「完璧な失踪」は可能か(WIRED Single Stories 013)」を読みました。  前作、「GONE 行方不明 自分を消し去る失踪者たち(WIRED Single Stories 012)」では故意に失踪した現代の人たちについて、実際に起こった事件などが特集されていました。  しかし、今作ではそれらを受けて「WIRED」が故意に失踪した人を探すリアルゲームを企画し実行した記事でした。1か月間逃げ切れば失踪

現代で自分を消し去る失踪者になるということ:ノンフィクション記事「GONE 行方不明」を読みました

 この現実世界で故意に行方不明になることは可能か? ノンフィクション「GONE 行方不明 自分を消し去る失踪者たち(WIRED Single Stories 012)」を読みました。  現代で故意に自分を消し去ろうとした人たちは、どうなるのか。短い記事の中に、故意に失踪した人々のいくつかの物語や昔と現代のやり方の違い、追跡者との攻防について書かれていました。(アメリカの)失踪者が割と衝動的に、計画を実行に移しているというのも私にとっては以外な事実でした。  読了後の感想、「

『公募ガイド』長編小説書き方入門特集の読書感想 :創作プロセスのステップアップを目指す

 雑誌「公募ガイド」で、長編小説書き方特集を読んだ(こちらは、kindle unlimitedで読めたので、ありがたかった)。  長編小説をかき上げるためのプランの立て方、構成やプロットの作り方、文章作成時に気を付けること、落とし穴、推敲などについて、分かりやすくまとめてある。  今、私自身は長編作品を書こうとしている。解決すべきメインの問題(謎)を決めたところだ。 参考資料などを読みながら、構成と、メインとサブのプロットを作っていくところ。  この公募ガイドの特集は簡潔

プロが明かすエンタメ小説のコツ: 『エンタテイメントの作り方』読書感想

「エンタテイメントの作り方」をAudibleで聴いた。日本ホラー小説大賞を受賞した「黒い家」などの人気小説を書かれた、作家の貴志祐介さんが書かれている。(ちなみに、kindle unlimitedでも読むことができる)  小説の書き方というよりは、タイトル通りエンタテイメント小説を創るときに注意する点について書かれていた。貴志さんのこれまでの作品を例として具体的に挙げてくださっているのも、聞いていて分かりやすい。また、その作品を読んでみたくなる。  例えば、自分

秋の夜長に読むサスペンス推理小説にオススメ!「ストーンサークルの殺人」”ワシントン・ポー”シリーズ、必読の理由

「ストーンサークルの殺人」M W クレイヴン (著), 東野 さやか (翻訳)を読みました!めちゃくちゃ面白かった!文庫本としては600ページ近くあるのですが、とにかく昨日1日で500ページぐらいを一気読みしました。そのくらい読みやすく、終始物語に飽きることがありませんでした。秋の夜長に面白い推理小説を読みたいという方には、かなりおすすめです。この作品はシリーズ化されているということで、2~4作目も買って読みたいと思っています。  この物語の面白かったところは、とにかく主

孤立していると感じる夜に : 「絶望名言」読書感想文

 NHKのラジオ深夜便の番組を文庫としてまとめたもの「絶望名言」を読了しました。これは古今東西の文学作品の中から、絶望を書いた言葉を紹介し、生きるヒントを探す番組です。 「いくら生きたいきたいと思っても、死が救いに思われるほど辛い現実がある」  そんな言葉が飛び出すほど、絶望の名言と体験を深く掘っていく内容になっています。カフカ、ドストエフスキー、べートーヴェン、ゴッホ、芥川龍之介、中島敦などなど。  文学の中の絶望名言やその背景を知ることで、「ああ、人生がとても苦しい

ペット愛と社会問題が交差するミステリー:「ロスト・ドッグ」読書感想

 ロスト・ドッグ(酒本歩 著)を読みました。  この物語は主人公、太一の愛犬、ポメラニアンのモコが僧帽弁閉鎖不全症だと判明し、延命するには手術が必要だと分かるところから始まります。手術代は200万円。太一のwebライターとしての収入だけでは、手術代をすぐに用意するのは困難です。愛犬を助けたい太一は、手術代をどうやって工面するのかと悩みます。  一方、太一はひょんなことから犬の「引き取り屋」という問題を取材することになりました。引き取り屋はペットショップで売れ残ったり、事情で

「人を操る禁断の文章術」感想文:メンタリストDaiGoが教える文章の力

 「人を操る禁断の文章術」(メンタリストDaiGo著)を読んでみました。文章の力で相手を引き込みたい、ビジネスで文章を武器に使いたい、そのような思いを持つ方で、とりわけまだ結果を出せていない方には読む価値がありそうです。この本は、文章をまず読んでもらえるテクニックから始まり、次に読んだ方が文章内の言葉に反応して想像し、行動を起こす。この一連の流れを産み出す文章の仕組み、ノウハウを書いています。  私が面白かったのは、「ありきたりで常識的な言い回しに、過剰で具体的な条件(状況

悪習慣を3分で打破!「脱ダラダラ習慣」ノート実践レビュー

  「脱ダラダラ習慣!1日3分やめるノート」  中島 美鈴 著 を読みました。  7月にkindleのおススメに出てきて、読みたいなぁと気になっていました!なので、どんなことが書いてあるんだろう🙂とワクワクしながら読めたので、読了して満足感があります。笑  ノウハウ本だと思うので、短期的な目標達成(youtubeやSNSを見過ぎない、ゲームをやり過ぎない、アルコールを飲み過ぎない etc.)に結果が出るように書かれています。ですが、悪習慣をやめて、その時間を良い習慣にあて

記憶に残る読書法と本への投資バランス:「読んだら忘れない読書術」感想文

「読んだら忘れない読書術」 (樺沢紫苑 著)という本を読んだ。読書術をテーマにしたものを読むのは初めてだった。独自の読書方法でも読むことに満足しているなら悪くはないと思う。だけど最近の私は、もっと読書量を増やしたいと思ったのだ。それで、このテーマに興味を持つようになったのだった。 ①記憶に残る読書法について  「この本、おもしろそう(ワクワク)!」と思ったら、その思いがあるうちに一気(1~3日間)に読むと記憶に残りやすいらしい。ワクワクしたり、目標設定(読む日数を決める

緻密さとエンタメ性と深淵が交錯する古典ミステリー:『グリーン家殺人事件』レビュー

 作家、中山七里先生がおさえておきたい古典ミステリー10選の中に選ばれた1冊「グリーン家殺人事件」を読んだのでレビューしたいと思う。  ちなみに、おさえておきたい古典ミステリー10選は、「中山七里のミステリーの書き方」(ポッドキャスト)の第一回で紹介されている。  「グリーン家殺人事件」は古典ミステリーとはいえ、読んでいて古臭さを感じさせない一作だった。  物語の舞台は、仲違いしている金持ち家族が住む館。そこで家族が一人ずつ殺されていく連続殺人が起こる。使用人も含めて、全

文章を速く書けるようになるコツ【読書感想文】

 超速文章術という本を読んだ。  この本は文章を書き始めた人のバイブルになりうるだろうか。文章を書きたい気持ちがあるのに、どこから手をつけてよいかわからないときに役立つ内容として書かれている。  ある意味、潔く割り切った内容だった。書く「内容」と「構成」だけに特化している。著者曰く、「内容」と「構成」のスキルを身につけることは、文章がうまくなる最短のルートだという。そのため、文章を書く際の穴埋めや文章の型が複数紹介されている。その穴や型を埋めるようにして文章を書くと、ある程