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映画・ドラマ・小説の感想

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観たり、読んだりした感想を書きます。
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#映画感想文

私たちの頭の中で感情と記憶はどうなっている?!:映画「インサイド・ヘッド」レビュー

 「インサイド・ヘッド」、面白かった!  ピクサーのアニメなんですが、感情が擬人化されて脳内を大冒険する映画です!脳内での記憶の扱いや困難を乗り越える際に起こる脳内の混乱が、ドラマになっています。  見始めたときは、この映画、面白いんだろうか、、、大丈夫かなあと見ていて不安になりましたが、杞憂でした。脳内の記憶や感情の働きを描きつつ、しっかり冒険物語になっていて、「え~っ、どうなっちゃうの~?!」と最後まで興味を失うことなく見終わりました。  自分の子供の頃を思い出して、少

全シリーズ、ヒロインが・・・:実写映画「探偵はBARにいる」シリーズ1~3を見た感想

 大泉洋さんが探偵役を演じるハードボイルド作品。松田龍平さん演じる相棒兼運転手とコンビを組んで、依頼人を守ります。原作は小説「ススキノ探偵シリーズ」。  以下、少々ネタばれが含まれますので、ご注意ください。  原作小説を読んだことが無かったので、どういう雰囲気の作品かも知らずに見始めました。  大泉さんが主演なので、全体を通してコメディータッチ。吉本新喜劇が好きな私は、この映画シリーズのそういう側面はとても楽しめました。  特に松田さん演じる高田のひょうひょうとした感じが

実写映画「KINGDAM」シリーズ1と2を見た感想

 この映画のシリーズ1と2は「見る人」が「夢を持ってあきらめずにがんばっている人」だと、心を打たれるんじゃないかなあというのが、主な感想です。戦闘シーンも迫力満点ですが、主人公、信が成長してゆく様や、戦場で戦う様々なキャラクターたちの秘めている想いも描かれています。それらに励まされたり、自分と重ねてみたり。胸が熱くなるシーンがいくつもありました。人気の理由が分かった気がします。 https://amzn.to/3WDdBQb  「キングダム」は、原泰久さんによる漫画作品で

「科捜研の女ー劇場版ー」レビュー:みなさんおなじみの、エンタメ性抜群、科学捜査ドラマ

 「科捜研の女ー劇場版ー」を見ました。  2021年の作品です。その頃はコロナウイルスが猛威をふるっていたころでした。だからなのか、犯罪の手口に大腸菌が絡んでいました。  現実世界では人体実験についてそんなことはあり得ないんじゃないかと思えるところもありましたが(笑)、犯行手口や犯人が誰かなどエンタメ作品として楽しく見ました。好奇心が刺激されるので、科学捜査もの、私、スキなんです。  事件解決までの後半は伏線もたくさんで物語が進むスピードも速かったですが、オチも違和感なかっ

マトリックス レザレクションズは、公式の壮大な2次創作だった?!

 「マトリックス レザレクションズ」、やっとAmazon prime videoで見ました。  「マトリックス」の3部作は全て見ていたので、とっても楽しんで観ることができました。  「マトリックス」3部作の主要な登場人物たち、あの戦いの後、どうなっちゃったんだろう。そんなことをついつい考えてしまうファンに、公式から答えが出た。そんな内容でした。    私の正直な感想。それは、ネオとトリニティのハッピーエンディングを公式が作っちゃう、壮大な2次創作を見ているみたいな作品だっ

AIは人間を超えることが出来るかを面白い視点で描く:SFドラマ「自動工場Autofac」レビュー

 最近見たドラマで面白かったのは、『フィリップ・K・ディックのエレクトリック・ドリームズ』の中にあるいくつかの話だ。これは、作家フィリップ・K・ディックの短編に基づいた一話完結型のSFドラマ・シリーズである。ディックは、映画『ブレードランナー』の原作『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を書いたことで知られている、SFジャンルにおける先駆者である。まだ全話を見終わってはいないけれど、前半では"Real Life (真生活)"と"Autofac (自動工場)"という話が私には面

リアルライフはどこにあるのか?:SF「フィリップ・K・ディックのエレクトリック・ドリームズ"Real Life"」レビュー

 最近見たドラマで面白かったのは、『フィリップ・K・ディックのエレクトリック・ドリームズ』の中にあるいくつかの話だ。これは、フィリップ・K・ディックの短編に基づいた一話完結型のSFドラマ・シリーズだ。まだ全話を見終わってはいないけれど、前半では"Real Life"と"Autofac"という話が私には面白かった。  今日は"Real Life"のレビューをしたいと思う。あらすじはこうだ。主人公は二つの世界を行き来している。  一つ目の世界は、私たちの目から見ると未来だ。主人

分からなかったものが理解できる瞬間の興奮、それが連続する映画「テネット」

 映画「テネット」を見ました。  最後まで見終わった時の感想は「えー!面白い!もう一回、観たい!」。  なぜなら、複雑な「時間」や「人」の絡み合い、それらの種明かしが後半にしっかりと用意されているからです。そうすると、もう一度、前半部分を見て、答え合わせをやりたくなる。  よくわからないものが、少しずつ、けれど次から次へと明らかになってく展開の早さ。これが正直、興奮します。この感覚がたまりませんでした。  何の予備知識もなく見始めたので、初めは何が起こっているのか理解でき