客から押しかけ型の「先払いチケット」を作りました
大好きなお店をお客さんが応援する先払いチケット「さきばらエール」をつくりました。お店側がOKすれば、全国どこでも使えます。ここ数日でこの件を書いてましたが、noteで現在、 #いま私にできること というお題があることに今さら気づいて、流れを整理してみました。
客からお店に「先払える?」と交渉するチケット
いろんな場所で、団体や商店街が先払いチケットを発行し、お店を応援してもらう仕組みができ、広がっています。でも、自分が個人的に応援したいお店が、すでにそうした制度に参加できているとは限りません。お店で独自にチケットを作ろうにも、なかなか手が回らないという場合も多いはず。
そこで、まずは自分のために、応援したいお店に「先払いで応援させてよ!」と押しかけるためのチケット「さきばらエール」を作りました。
当初は自分たち夫婦用だったので、地元・板橋区の「ITABASHI」の文字が入っていたのですが、ほかの地域でも使いたいとの声をもらって、「応援チケット」と書いて地域名なし版をつくりました。いずれもpdfデータをオープンにしています。
デザインした設定価格は2500円券、5000円券、10000円券の3種類です。使い方も紙に収めていますが、もうちょっとくわしい説明書も用意しました。いずれも、次のGoogleドライブから誰でもダウンロード可能です。自由にプリントして、応援したいお店に「応援させてよ」交渉に使ってください。
▼ダウンロードはこちらから
この「さきばらエール」、あくまで応援目的のチケットなので利用者特典は設定していません。また、どこかの団体や商店会などが制度としてあらかじめ採用しているものではないので、使えるかどうかは、持っていくお客さんとお店の関係次第という感じです。一方で、お店がOKさえしてくれれば、飲食に限らずどこのお店でも使えるという良さもあります。
説明書にも記載していますが、紙に書いてあるルールでもお客さんとお店で合意があれば、自由に変更可能です。
利用してくださる方は、公開フォルダ内にある説明書も、一度目を通してもらえると助かります。
いま、自分たちにできることとして
利用者に割引などのメリットが全然ないので、このチケットを使いたい人って、たくさんはいないと思います。そもそもお店に押しかけて「先払いさせてよ!」と頼む時点で、一定の関係性がなくちゃ難しいわけですし。でも、そういう人が、まったくいないわけでもないですよね。1つのお店に来るお客さんの層をピラミッド風に書くとこんなイメージ。このコア層の方に知ってもらえるといいなあ。
僕自身は、いままでチェーン店が安心で、むしろ常連としてお店の人に認知されるのが苦手なタイプの人だったのですが、ここ1年でたまたま大好きなお店ができて。そこに感染症問題が来たので、妻からのアイデアもあって、いっしょに応援チケットを作りました。
作る途中では、自分たちが支援したいお店の意見もうかがってみました。結果、特に大きな要望はなかったので、ほぼ最初に考えたままのカタチになってます。
制度というよりも小さい約束のかたち
ここまで読んでくださった人は気づいているかもしれません。実はこのチケット、つきつめるとそのチケット自体はあまり重要ではないんですね。お店とお客さんが互いのサインなどを入れて約束事を認識できていれば、ただの紙切れに「応援チケット」と書いてもいい。僕らの応援先の店主さんは、すぐそのことに気づいてくれました。さすがです。
ようは、「お店に制度が整うのを待たずとも、お客さんからささやかな応援を届ける手段がある」という、その【行動】を明示的にデザインした感じだと思います。だから、印刷紙に斜線を引いて値段を変えるのも自由だし、お客さんが良ければ使用期限など別ルールを加えてもいい。個々の利用者さんとお店の考え方で、ぜひ柔軟に使ってください。
先払いチケットは、お店にとって借金のような存在であるという側面もありますよね。「さきばらエール」は、お店と購入者の顔が見える関係で売買することになると思いますので、互いに無理のないルールを決めるなどの配慮で、うまく使ってもらえるといいなと思います。
実際に「さきばらエール」を使ってみよう!
制作者としては、さっそく目的のお店でチケットを買わせてもらいました。
インターネットを通じてオープンにしたら、自分たちが直接は知らない人も、さっそく使ってくださった人がいるようです。少しでも役立てたなら、とてもうれしいです。ありがとうございます!
地元の板橋で、誰かがすぐに使ってくれ、それをお店の方が知らせてくれました。お店の経営からすると「さきばらエール」の金額も数も大きな支えにはならないかもしれません。でも、常連さんの気持ちを届けることに役立ったのが、すごくうれしい!
「ITABASHI」の地域名をなくして再掲載したら、なんと、板橋からずっと遠い、北海道の人たちが使ってくれているようです。インターネットってすげえ!
上のツイートでも提案してくれている通り、お店側があと一歩準備してくれれば、QR決済などを使って、お店にいかずにチケットを交換することもできますね。そんな風に、使い方もどんどん工夫してくれたら、感謝感激です。
*
追記
佐賀県の唐津でも使ってくれています。唐津では、このゲストハウスの館主さんが、複数のお店や利用者に広めてくれているようです。すごい!
板橋区内に、レーザーカッターや3Dプリンターを使って何かを作ったり届けたりしています。また、そうした道具を使える人を増やしたいという思いで、講座などもちょいちょい開催しています。サポートいただけた場合は、こうした機材費や会場費などに利用させていただきます。