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IRONMANニュージーランド(バイク編)

Bikeスタート


Bike180km 5:58:29 ( 30.19km/h )

スイムアップからT1を終え、
バイクの乗車ラインを超えて、
いざバイクへ乗ろうとすると、
「カラカラン」
チェーンが落ちてる!

朝のセットと形が変わっていたのは
倒れちゃったせいなのか、それとも
変えられたときにチェーン落ちちゃったのか?

少しだけ焦りながらも、バイクから降りてチェーンを直して。

今回パンクした時の対処は
現地で調達したクイックショット(Pitstop)で
サドル下にテープでつけていたのですが
それも外れかけていたので
ベリベリ外してウェアのお腹に入れて
手袋は口に加えてリスタート。

バイクコースはスタートしていきなりしばらく登りなので、その間にリラックスしながらアームカバーを腕まで上げて、手袋も乗りながらつけて。

手袋は口に咥えて乗車。乗ってから手袋はウエストにいったん挟んでアームカバー上げて、最後に手袋装着。


最初が登りだとゆっくり準備できてとてもよかった!ウェアとアームカバーが乾いているおかげで寒さも感じず◎

バイクコース


バイクコースは90kmを2周回、約1000mUP
ヘアピンカーブが7回。

路面はアスファルトの粒の塊が大きいイメージで
一見綺麗な道に見えても、結構凹凸があり
走っていて振動を激しく感じる箇所が大半。

そのせいでボトルやツールなど、
落下物はかなり多い。

ハリネズミや鳥、そのほかいろいろな生き物が
10匹くらい?もっといたかな?
車に轢かれてしまって道路で亡くなってしまっていることも多かったです。

走る方向がほとんど変わらない直前コースで
往路は追い風のやや下り基調で気持ちよく走れ、
復路は40kmほど永遠向かい風、
後半20kmほどは向かい風+じんわり登り続けるという身体もメンタルも辛いコース。

この図だけではキツいコースだなんて分からなかった😇


ただ、左右どこを見ても広大な牧草地が広がっていて、ときどき牛や羊たちを見ながら走れるのは癒されます。

バイク戦略


今回のわたしのバイク戦略は
「絶対に頑張らない。お先にどうぞ作戦。」

前回の佐渡ロングの時に
バイク中に嘔吐してしまったのと
バイク中に後ろから抜かされていくことに
ストレスを感じてしまっていたことの反省や、
バイクで抜かされた人たちは
結局その後のランでほとんど抜かし返せた実績があったので

抜かされても動揺しない。
どうせ後でランで抜くからどうぞどうぞ〜。

本当に抜けるかどうかはどうでもよくて
抜かされても動揺せず
冷静にマイペースを保つために、
そうやって自分に言い聞かせていました。

スイムが予定よりも速くアップできたのが嬉しかったのと、5分余裕ができたので、バイクは設定より5分遅くなってもいいという気持ちで。

スイムの成長が本当に嬉しすぎて
2時間くらい嬉しさを噛み締めながら乗ってたので、人に抜かされても本当に全然気にならなかった!

FTPと設定ワット数


今回、Bike180km 5:48 (31km/h)で走るには
だいたいNP150〜160w(2.8〜3倍)くらいかな、と想定していました。

想定値を出すうえで
参考にしたのは下記レースデータ。
(パワーメーターはGARMIN rallyで全て同じ個体。)

■2021年11月しろさとTT200km
  35.5km/h NP174w

■2022年3月しろさとTT200km
  35.0km/h NP169w

■2022年3月STUロングデュアスロン100km
  33.0km/h NP169w

■2022年9月佐渡ロング190km
  28.8km/h NP136w

上記のデータから、
だいたい150〜160wくらいで
FTPは210wくらいあれば
余裕を持ってランに行けるかな?
すごくざっくりに設定。

ロングエンデューロ系の指標として
FTP値はあまり参考にしていませんが
いちおうひとつの定点観測的に測定し
レース3週間前の2月11日時点で216w
※DHポジションで測定

体重少し増えてしまって54kgくらいなので
パワーウェイトレシオはちょうど4倍くらい。

ただ、バイクの調子があまり良くなく
レース3週間前(2/12)に行った
彩湖4時間ノンストップエンデューロ練でも
121kmで30.3㎞/h、NP146w
腰の痛みもあり、不安要素が多く残っていました。

なので、レース中はあまり設定を気にしすぎず
160wを超えないように、とにかく抑えて
身体の状態と向き合いながら温存して走ろうと
決めてスタートしました。

補給


今回のバイク中の補給はこんな感じ。

モルテン ×3 480kcal
アミノサウルス×2 235kcal
マグオン×4 480kcal
わらびもち×2 30kcal
羊羹×2 30kcal
塩ジェル×2  70kcal

計 1325kcal
+トップスピードのミネラルタブレット

スタート時のボトルは
500mL×2本と、900mL×1本。

900mLと500mL×1本にはモルテンドリンク。
500mL×1本にはピンクグレープフルーツの
マグオンを4本溶かして。(マグオンドリンクめっちゃ良かった!美味しい◎)

それぞれにシリカ水のリキッドを加えて
ミネラルも補給できるように。

プラスでトップチューブのバッグの中に
アミノサウルス×2、塩ジェル2、
羊羹2、わらびもち2、
トップスピードのミネラルタブレット2、
コムレケアジェル2、胃腸薬2、痛み止め2
を装備。

トップスピードのミネラルタブレットは、足攣りに効くと聞いて今回初めて取り入れ。

クエン酸が入っているため、
モルテンドリンクに入れるとphが崩れて
モルテンの吸収が悪くなってしまうとのことで、
モルテンが無くなってから
後半のドリンクに入れようと
タブレットの状態で装備しました。

バイク後に
お腹がぎゅるぎゅるになることが多かったので
いちおう他の補給も含めて、
成人のマグネシウムの摂取耐容上限量の
350mg/日を超えないように計算してみました。
いちおう。(スポーツ時の上限は分からないけど。)

Bikeレース展開


さあ、前置きが長くなりましたが
レース展開へと戻ります。

スイムアップがかなり好調のタイムで
かつキックもあまり打っていなかったので
心も身体もルンルンでバイクスタート。
スタート時のチェーン落ちのロスも1~2分くらいかな?ほとんど影響なく。

スタートしてしばらくは
スイムの成長が本当に嬉しくて
朝スイム頑張ってよかったなぁ
新宿アスロニアの松永コーチ
ありがとうございます、、!!!
そんなことを考えながら
嬉しくてニヤニヤしながら載っていました。

(その間どんどん強そうなメンズや女子にも抜かされるが全然気にならない笑 どうぞどうぞ~!)

今回、路面があまり良くないということで
空気圧は普段より0.5barくらい低めに設定。
落下物も多いため、エアロポジション第一ではなく、しっかり前方を確認して安全第一で乗りました。

50km地点くらいで
落下していたバイクボトルを避けきれずに
乗り上げてしまいましたが、
なんとかバランスを取って落車は回避。
かなりヒヤッとする瞬間でした。

少し落ち着いてきて、まず浮かんだのは直属の上司の顔。
わたしの担当している業務は少ない人数で回しているため、長期間不在にするとその負担が上司に乗っかってしまうのですが

「休むことは当然の権利だから!」
「しっかりリフレッシュしてその分仕事も頑張ってね!」
そうやって快く送り出してくださって、
さらには餞別までいただいて、、、

こうして仕事を忘れてレースに出られるのも上司のおかげだなぁと。本当にありがとうございます。お土産何がいいかなぁ。。
なんてのんきなことを考えている序盤でした。

1週目は150wくらい
2週目は160wくらい
少しビルドアップしながら行きたかったので
序盤はとにかくとにかく抑えてリラックスして。

こんなに楽していいのかな?っていうくらい力を入れずに。
それでも後半きつくなってくるのはよく分かっているので、しっかりマイペースを維持。頑張らない。

補給は前回一生懸命たくさん摂ろうとしたら吐いてしまったので、モルテンをちびちび飲みながら、30分おきくらいにマグオンボトルをちょぴっとずつ飲んで。
決まった時間に摂るというよりかは、身体と向き合いながら欲しそうなタイミングの少し早めに摂る意識で補給していました。(分かりにくいか、、、!)

1週目の往路はとにかくリラックスして乗れて、
60kmくらいのエイドでモルテン500mLを飲み終わり、水のボトルを一本ゲット(身体にかける用)。

エイドは減速して左手で受け取って、止まるのは禁止というルール。
ボランティアさんが素晴らしくって、減速スピードに合わせてダッシュしながらボトルを渡して下さって、ものすごく取りやすかったです。
しかもみなさん楽しそうに応援しながら。もう本当に嬉しい。
ありがとうございます。感謝。


そしてUターンし
復路がスタートするわけですが、
復路が想像以上にめちゃくちゃ辛いコースでした、、、。

バイクコースの標高の図?を見ても
ほとんどフラットで、最初と最後だけちょろっと登るのかな?くらいに思っていたのですが
復路は40kmほど永遠向かい風で、
さらに後半20kmほどじわじわ登っていく。

頑張って踏んだとしても全然スピードが出ない。
25km/hや、20km/hくらいまで落ちる、、、
わお、こりゃきついぞ。

復路はしばらくずっとキツイことが分かったのですぐに脳みそを切り替え。
よし、復路は頑張らない。ワットもスピードも落ちてもいいや。
無駄に筋肉使わないように、休憩時間くらいのテンションでいよう。

後ろからどんどん抜かされるし
足の合う人も全然いないから空気抵抗もろ受け。

(ペースが合う人がいれば、ドラフティングゾーン12mはしっかり空けて後ろにつくと、気持ち的にも、空気抵抗的にも、少し楽になります。)

しかも、佐渡みたいに
がっつり山越えみたいな登りなら、
上体を起こして使う筋肉を変えたり
ストレッチしたりしながら登れるのですが
ここのコースは地味にじわじわな登りだから、DHポジションを崩すわけにもいかない。。
これが地味にキツイ。

お尻や足に水をかけて、筋肉を冷却しながら、
キツイこと以外に脳みそを使おうと、
これからの戦略を考える。

これは2週目の復路は
もっときつくなるだろうから、
2週目の復路は捨てよう。

だからその分、
2週目の往路でスピードに乗って
テンション上げられるゾーンで少し強めに踏んで、帰り道は休もう。

たぶん後半足きつくなりそうだから、
水は多めに取ってしっかり体にかけよう。

2週目の最初の登り区間で
またいったん上体を起こして休めるから、
その時にコムレケアと、
胃腸薬も念のため飲んでおこう。
2週目の最後の登りでは
アミノサウルスも摂取しよう。

よし、これでいけるぞ!

こうして、1週目の復路のキツイゾーンでは、「きつい」「つらい」で脳みそが占領されないように、冷静にこれからのことを考えながら走りました。

そして作戦通り、
2週回目の最初にコムレケアと胃腸薬をとり、
往路は170wくらい、40~50km/hでぶっ飛ばす。往路はめっちゃ気持ちいい!!

でもちゃんと冷静に、
前に人が来て微妙なスピード差だったら
すぐに抜かさずに足を緩めて
ドラフティングゾーンを空けて後ろについて。
しばらく様子を見てから抜かすか、
そのまま後ろにつくか判断。

いつもならすぐ抜かして、また抜かされて、
無駄な体力を消耗してしまいがちなのですが、
今回はしっかり冷静に対応ができました。

ツールなどの落下物もだんだん増えてきたので、安全第一を改めて肝に銘じながら。

120km地点くらいでマグオンのボトルと、
モルテンが終了。
エイドでゲータレードと水をもらって、
ゲータレードにトップスピードの
ミネラルタブレットを2つ追加。

後半は足が少しピキピキ、
攣りそうな感覚が増えてくるので、
そのたびに水をしっかりかけて。
これだけ抑えて温存して乗っていても
足攣るのかーー、
やっぱ練習不足だなぁとか想いながら。


130kmあたりからお腹の冷えが気になり始める。やっぱり腹巻すればよかったなと後悔。


復路はやっぱり周りに人はいなくて単独走で、
メンタルも身体もだいぶきつかったけど、
「大丈夫、復路は頑張らなくていいから、
休憩時間だから。その分ランで頑張ろうね!」
と自分に言い聞かせて。

登りがキツめのところでは上体を起こして、
水を大量に足にかけて。
バイクシューズがべじょべじょになるくらい、
どばどばかけました。

最後の登り区間では、
アミノサウルスと、コムレケアも摂って。


佐渡のロングの時は
バイク中にだんだん視界が霞んできたけど、
今回は視界はめちゃくちゃ良好で、
レーシックして良かったーと心から思いました。
(2022年12月にレーシック手術。0.1以下から1.2へ回復。)


復路の登りを終えて下りに入り、
だんだんと終わりが見えてきたころには安心感が溢れてきました。
この路面の悪いコースで、事故無く怪我無くパンクなくバイクを終えられることが本当に嬉しくって。

出国前にタイヤ交換やチェーン交換など、 調整していただいたトライアスロンショップtettoの
てっとさんに感謝しながらバイクを終えました。

温存したおかげか、腰の痛みも出なかったので、痛み止めの出番はありませんでした。

データ

心拍計途中で死んだ😇


T2


T2 2:21

バイクから降車し、トランジションエリアへ。
佐渡ロングの時は、降車したとたんに足が攣ってしまっていたので心配だったのですが、今回は想像以上に足が軽い!

作戦通りしっかり温存できていたのと、
こまめに水をかけて筋肉を冷却していた効果かな?と思いながらトランジションエリアへ走る。

トランジションエリアに入ると、ボランティアさんがバイクを受け取ってくれるので、自分でラックにかけに行く必要はありません。(ありがたい!!)

そしてランギアバッグもボランティアさんが渡して下さり、チェンジングテントへ。
ヘルメットを外してランキャップをかぶり、
靴下がべじょべじょだったので、靴下は履き替えて。
ゼッケンベルトを装着して(バイク中のゼッケンは不要)
バイク手袋も外してラン用の涼しい手袋を持って、ランスタート!


ラン編へ続く。

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