バーに行った話
先日、バイト先の先輩に連れられ、バーに行った。
実を言うと、僕はとてもお酒に弱く、
すぐに顔が真っ赤になるタイプなので、飲み会はあまり好きではない。
また、居酒屋チェーンの、お酒のアルコール臭さは耐え難いものがある。
しかし、大学生たるもの、飲み会は避けられないものである。
サークル、ゼミにバイト先の人と、ことあるごとに飲み会はある。
ただ、お酒自体は嫌いではない。
誰もがそうであるように、僕もお酒を飲めば楽しい気分になるし、普段は言えないようなことも言えちゃったりする。
美味しいお酒を飲んで、お酒の席の楽しみ方を知りたい...!という思いで、
生まれて初めてのバーに向かった。
大学近くの、雰囲気の良いカウンターバー。
カウンターの奥の棚には、これでもかというくらいの種類のお酒が並んでいる。
先輩は来慣れてるらしく、
若いバーテンダーさんと「この前の話はどうなった?」なんて話をしている。
1杯目はジントニック。
「お酒弱いんで、あまり強くないやつで、あと、普通の居酒屋では飲めない美味しいお酒を出してください!」という僕の困った要望に、
まずはこれを飲んでください。と出してくれた。
また、ジントニックを作る姿はとても見ごたえのあるものだった。氷をいい大きさまで溶かす姿、ライムを切る姿、かき混ぜる姿といい、とても格好良いなと思った。
そして、ひとくち。
美味しい。
「フランスのフルーティーなジンにしました」
と言われ、確かにフルーティーな飲み口で大満足だった。
話の流れから、バーテンダーさんの付き合って数日の彼女が今日、初めてお店に来るということを聞いた。
自分の仕事姿を初めて見せるためか、普段通りふるまっているようで、緊張しているのが伝わってくる。こちらまでそわそわしてきた。
そして、少し時間が過ぎたころ、
バーテンダーさんの彼女さんが来店した。
バーテンダーさんは、明らかに照れている。
暗い照明のカウンターバーだが、様子が丸見えである。
僕に作ってくれたように、彼女さんにもジントニックを作っているが、
どこか様子が違う。しかも、ちらちらと僕たちのほうを見て、
助けを求めるような目線を送ってくる。
クールなバーテンダーさんだと思っていたが、意外な一面を見ることになった。初めて会ったのに、前から知っている人のようである。
人の距離を縮めてくれるのがお酒の席なのかなと思った。
2杯目は、モスコミュール。
ジンジャーエール好きの僕の要望に応えてもらった。
これもまた美味しい。
バーをすっかり気に入ってしまった。
お会計のときに、「おお、やっぱり結構な値段するなぁ」と思ったが、
いい経験になったし、とても満足できたので良かった。
話はバーから離れるが、
僕は、もう一つ、お酒を飲みたい場所がある。
それが、サッカースタジアムである。
サッカー観戦が趣味なので、スタジアムによく足を運ぶが、
今までスタジアムでは飲んだことがない。
スタジアムに行くと、試合前にビールを飲んで
談笑している人をよく目にする。
楽しそう。
つぎは、スタジアムでお酒を飲んでみよう。
そんなことを考えながら、
Jリーグ開幕を心待ちにしている、今日この頃である。
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