あなたは、どれだけ粘れるか。

ぼくは広告をつくる仕事しています。そして今日は社内賞の授賞式(といっても近くの会議室で集まるだけ)があり、出席してきました。

ふだん他の広告制作会社に常駐していりぼくは、ほかの社員がどんな広告をつくっているのかあまり知らないし、本社で働いたことがないのでほとんどの人の顔も知らないから、見るべきポイントがたくさんある、面白い会でした。

式は受賞作が発表されて、制作者のあいさつ、社長のコメント、という順に進行していきます。受賞した広告は全部で20個近くあったのですが、社長のコメントで何度も繰り返して口に出していた共通した言葉がありました。

それは『よく粘ってくれた』という言葉です。

そうなんですよね、広告はクライアントありきの、ものづくりです。だからクライアントの指示は受け入れなくっちゃいけない。それがどんなに、“ぼくらが考える質”を落とす結果になってもです。

でもクライアントの言うことを、鵜呑みにしてちゃ良いものはつくれません。相手の要望を満たすために下された指示を、どうやって質を下げない形で再提案するか、それが広告制作者の腕の見せどころであり、粘るポイントなんです。

分かってはいるのですけど、その粘るってのが難しい…というのが本音です。

どんどん迫ってくる納期、クライアントの理不尽に思える修正指示、自分を含めたスタッフの疲れ。指示通りにやって終わらせるための理由は、いくらだって考えることができます。

でも、そこでどれだけ粘ることができるのか。

そして、粘るってことは、苦しい所からさらにもっと考えるってことです。それが広告の作り手として、どれだけ高いレベルに行けるかの分かれ道のような気がしました。

おわります。

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