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海までの覚え書き(「塔」2023年6月号 掲載歌)

「塔」の6月号が届きました。
いろんな方に自分の歌をご覧いただければと思い、掲載歌をnoteに記録しています。

とてとてとあられを皿に出すみたくあなたは僕のことを話した

寄りかかる海辺の町の自転車のように早めに朽ちてゆきたい

海へゆき砂をかかとにしまい込み午後の電車で眠って帰る

剣道の真似をしてみている人の誰も傷つけそうもない眉

海を見ておきたい いつかは見つかって鬼にタッチをされるのだから

貸してねと言われた本にストックの紙のカバーをあててみている

ひたすらに海はまだかというように歩き続けるこの日常を

「塔」(2023・6月)P.170

前号の掲載歌はコチラからお読みいただけます。

ただいま、高円寺のそぞろ書房様で歌集『自転車修理屋』と歌集『夏ですよ』をおいていただいております。

とても懐かしく、思いのこもったものがたくさん集まった美しい空間ですので、ぜひ訪れてみてください。

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