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「歓喜」のススメ

 2020年2月18日。創価学会は、歴史上初の活動全面禁止を発表した。
  これに対し、私は「非常にクリエイティブな英断」と快哉を叫んだが、現場が少なからず混乱したのも確かだ。

 これまで何かを「絶対に成し遂げろ」と言われることはあっても、「何もするな」と言われることは無かった。折しも、現場には休息が必要だった。

コロナ禍の収束は先の見えないトンネルのようなものだ。「ただ足を止めるだけで良いのか」という漠とした不安の中で、無意味な後ろめたさを感じるメンバーも少なくはないが、学会からは特に指針のようなものは示されなかった。示しようもない時期だったのかもしれない。

 私は、自分が抱える創価班のメンバーに対して、この期間の過ごし方、精神的な重心の置き所をメッセージにして送った。それが本書の骨子となっている。いま読み返しても分かりやすくまとまっているので、以下に紹介したい。


さあ、「歓喜」しよう!

〈学会が止まっても、広宣流布は止まらない〉

 今回のコロナウイルスにより、学会は活動を実質停止しています。
 みんなはどんな風に過ごしていますか?
 この期間を、私は「いつもと違う角度から広宣流布を進めるチャンス」ととらえています。人と会えなくても、広宣流布は進められる時代です。止めるのは、自分。進めるのもまた自分です。
 コロナウイルスは、必ず終息します。その後にもっと強力なウイルスが控えているという話もありますが、コロナウイルスをきっかけにしっかり「やり方」を身につければ、必ず乗り越えられます。
 そしてコロナ終息の後、大きな差が出るでしょう。

〈「たくさん集まれば勝利」は終わった〉

 学会はこれまで多くの人間を集めることを勝利として運営されてきました。会合結集、新聞推進、本流決着、得票拡大……すべて数字で勝負を判断してきました。
 これは必要なことだし、それがそのまま社会への影響力となっています。
しかし現在、大勢で集まるのは「悪」であり「愚」になりました。ドイツのメルケル首相は「現在の思いやりは、相手と距離をとること」と明言しています。
 コロナ禍によって、学会の常識は大きく変わります。というよりも変わらないとおかしいです。何故なら世の中が変わるからです。

〈頑張り方のチャンネルを、増やそう〉

 世の中は、すでに変わっています。学会が「数」を勝利としてきたのは、2つの目的がありました。まず、多くの人に学会の方針や主張を届けるため。多くの賛同を得ていると分からせるためです。次に、多くが集まることで士気を上げる、会員の気分を高揚させるためです。要するに、分かりやすく盛り上がるためです。
 これも広宣流布の推進に必要なことでしたし、今後も必要とされ続けるチャンネルではあると思います。
 しかし今、必要とされているのは、「静かに集中して広宣流布を進める力」です。それはすなわち「自分が広宣流布を進める自覚」にほかなりません。では、どうすれば広宣流布は進むでしょうか。

〈分かりにくい成果を評価する力〉

「自分が広宣流布を進める自覚」とは、みんなで集まって盛り上がらなくても、リーダーが分かりやすく大声で指示を出さなくても、「自分が今いる、その場で広宣流布を進めていく」という意識です。
問われるのは「主体性(自分からやる)」と「積み重ね(繰り返しやる)」です。これこそが団結の目的であり、本質です。
 これまでの学会には、数として見える成果が出なければ、これを分かりやすく評価するシステムはありませんでした。
 友人を励ました地味なエピソードや、会員同士の単なるラインのやりとりなどは成果として報告できなかったからです。

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