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外国人を雇用すること。

2014年頃から中国人の爆買いなる言葉まで生まれて勢いのあった『インバウンドビジネス』ですが、
2019年4月改正入管法の施行により、外国人雇用のご相談がグンと増えておりました。(改正入管法の大きなポイントは在留資格に新しくできた『特定技能』ですが、ここはまた別の機会にお知らせいたします。)

※顧問先様からよくある外国人雇用関連のご相談を
Q&Aで書いておくことにします。

Q:今度、〇〇人を採用するのだけど、雇用契約書とか就業規則を〇〇語にしてあげた方がよいの?

A:絶対に〇〇語にしなくてはならないって決まりはないですけど、こちらはこういう労働条件で働いてもらおうってところが正しく相手に伝わっていないのは困りますよね。内容を理解したかどうかをきちんと確認しておくこと、違和感を感じたときにやりすごさないでしっかり確認することが大切です。

厚生労働省のサイトに多言語(英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語、タガログ語、インドネシア語、ベトナム語)の労働条件通知書や雇用契約書が用意されています。
厚生労働省:労働基準関係パンフレット
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/leaflet_kijun.html

Q:社会保険(健康保険、厚生年金保険)や雇用保険はどうなるの?

A:適用事業所で日本人と同じ要件で働いてもらうならば、加入しなくてはなりません。
*社会保険:従業員数500人以下の事業所の場合
(1)1週の所定労働時間が一般社員の4分の3以上
及び
(2)1月の所定労働日数が一般社員の4分の3以上であれば
社会保険に加入しなければなりません。

*雇用保険:1週間の所定労働時間が 20 時間以上であれば雇用保険に加入しなければなりません。

1週間の所定労働時間が20時間未満の雇用保険対象外の方でも 
ハローワークへ「外国人雇用状況届」の提出が必要となります。
「外国人雇用状況届」を漏らすと事業主様にペナルティがあります。
要注意です!

ちなみに、ワーキングホリデー制度による入国者は、休暇を過ごすための旅行資金を稼ぐための就労のため、雇用保険に加入はできません。


Q:健康保険の扶養に母国の親を入れたいそうだけど。

A:2020年4月から、健康保険の被扶養者となるには、国内に住所を有することが条件となります。


Q:健康保険と雇用保険に加入するのはわかるけど、厚生年金に入っても将来日本の年金もらえなければ払い損になるよね?

A:脱退一時金という制度があります。
帰国してからの手続きになります。パスポートの出国や母国への入国スタンプのページのコピーや住民票の除票などが必要です。
帰国までに必ず確認するようにしてください。

また、「社会保障協定」した国が増えていますのでご紹介しておきます。
厚生労働省:社会保障協定サイト。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/shakaihoshou.html

Q:給与から天引きする所得税はどう計算するの?

A:所得税法上の「居住者」「非居住者」に該当するかによって、
源泉徴収の計算が変わります。

ワーキングホリデーの方への給与計算では20.42%の
源泉所得税の計算となります。

海外に住む家族を所得税の扶養親族として控除を受けるためには別途要件があります。


Q:外国人労働者から仕事中にお祈りの時間を求められたけど。

A:日本人と違う宗教や慣習の行動が違うため、事業場として常識的に許可できること・許可できないことを決めて対応されることをお勧めします。

お祈りの時間も長時間ではなければ、この部屋を使ってよいとか、その時間を休憩に充てるなど対応されるとよいでしょう。

*ムスリムと呼ばれるイスラム教徒は
「ハラル(許可されたもの)」「ハラム(禁止されたもの)」と厳しく区別されています。食べるものはもちろん、食器を洗う方法に決まりがあったり、お土産のお菓子を職場で一緒に食べるように勧めることも勧めた食べ物によってはパワハラに当たる可能性があるのだそうです。
慎重に対応する必要があります。

新型コロナウイルスのことであちらこちらに様々な影響が出ているようで、ここのところご相談が増えている外国人を雇用することを書き留めておきました。

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