M3-2020春はポジティブな雰囲気に包まれていた
2020年3月1日、東京流通センターにて行われた同人音楽即売会、M3。
私も音楽制作サークルSound Raveとして年2回、必ず参加しているイベントであり、ここでしか会えない方も多く、更には私自身が同人音楽のファンということもあり毎回非常に楽しみにしている。サークル自体は2013年の秋に初めて出展しているので、もうすぐ7年目になるということで、すっかり馴染み深い場所になった印象がある。
ところが今回は、東京オリンピック関連による開催日の変更(例年であれば、4月末、10月末の時期辺りに開催される)や、開催直前になり噴出してきた、新型コロナウイルス問題など、様々なイレギュラーが重なる中での開催となった。
特に後者の影響は濃厚に現れたようで、開催前に参加を取り辞めるサークルが続出。運営側も辞退サークルにはしっかりとした補填策を発表しており、誰しもが悩んだ末にどういう決断をするか、という形で泣く泣く参加を見送った方も多かったことだと思う。M3に限ったことではないが、こうするのが正解、というムーブは存在しない状況であったのだ。
結論から申し上げると、今回、運営の皆様が開催という決断を下して頂いたたのは、大変に感謝している。同時期に開催予定だった各種イベントが続々と中止や延期になっていく中での決行という判断は、非常にリスクや同調圧力の伴うものであっただろうことが予想に容易いが、それでもなお、あの場を守ろうと様々な対策を施し、当日を無事に終えられたのは間違いなく運営の皆様の尽力だと思う。
私達は北海道からの参加ということで、特に報道が多くなされていた地域であったため、勿論、様々な(対外的なものも含む)リスクを考え直前まで辞退も検討していたのだが、可能な限りの対策をした上で参加することにした。
当日は確かに会場内は空きスペースが目立ち、公式発表では例年の5~6割の参加者数ということであったため、物理的な意味での寂しさは確かに見受けられたが、私が強く感じたのは、このイベント、環境を皆で守っていこうとする、非常にポジティブな雰囲気だった。
それは一般・ブース参加者どちらにも言えることで、この状況でも参加を決意した方というのは、割と高めの熱量を持って参加してきているように感じた。ウイルスへの対策も徹底されており、トイレでの手洗いは勿論のこと、アルコールスプレーが各所に用意され、またブースには自主的に持ち込まれた除菌ティッシュなども目立ち、しっかりとした形で開催を無事に終えようと、見えない連帯感が生まれていたような気すらもした。
M3は回を増すごとに申込者が増加しており、例年の賑やかなムードも勿論好きなのだが、本質的な意味での「同人」というものを感じたのは今回だったかもしれない。
全国的にイベント自粛の流れが強まっており、そこには勿論様々な意見や考えがあった上でのことなので、決して正解・不正解というもので片付けられる話ではないが、仮に決行する、参加すると決めたのであれば、心から楽しめるよう、良い雰囲気の中で過ごして頂きたく思う。それが多くの方の居場所を守ることに繋がるかもしれない。
最後に、私一人しかいなかったSound Raveブースまでお越し頂いた皆様、どうも有難うございました。また毎回交流して頂けるサークルの皆様にも感謝しております。なにより今回大変な状況の中で開催して頂いたM3運営の皆様、有難うございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?