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表現力トレーニング🏋🏻 vol.5

前回のつづきで、『何度も読みたい広告コピー』(株式会社パイ インターナショナル)からお気に入りをピックアップしていきます。他にもいいなと思ったのはあるけど、のこり3つ厳選します!


サポーターは移籍しない

ことしは開幕3連勝! ほんの一瞬だけど、4年目にして初のJ2首位も味わった。ジ〜ン。でも、前半戦は8勝4分14敗。はっきり言って弱い。悔しい。っていうか、ムカつく。っていうか、情けない。あ〜、一体いつになったらJ1昇格できるんや? なーんて、まるでどこかのプロ野球チームの監督みたくボヤきたくもなるというもの。その気になれば、浦和レッズにだって、鹿島アントラーズにだって、ガンバ大阪にだってサポーターは移籍できる。でも、きっと絶対サポーターは移籍しない。さいごは、やっぱりLOVEだから。ということで反撃だ、愛媛FC! 愛媛の意地ってもんを見せてやろうぜ、愛媛FC! We are 愛媛FCサポーター。We are J2で一番あきらめの悪いサポーター。

板東英樹さん / 愛媛FC

いちばん、熱くなるコピーです。
ほんもののサポーターは移籍しない、ということに共感です。あえて感情をむき出しにすることで愛がつたわる文章になっている。ほめて、嘆いて、激励する。ファンのリアルがあふれている。そして最後は、立場を逆手に取って「一番あきらめの悪いサポーター」と、一致団結感を醸成していてすごい。

大人はええぞ。

まずな、宿題がない。
うまいもんが食える。
な、ええやろ。
やりたいことができる。
好きな仕事が選べる。
じぶんでお金をかせげる。
好きな人と結婚できる。
ええやろ?
それからいちばんええのはな、
大人になってからでも
いくつになっても
なんぼでも
やりなおしがきくことや。
好きなこと、やったらええ。
楽しみやなぁ。

家族で話そう。福井新聞

古川雅之 / 福井新聞社

いちばん、リズミカルで読み心地のいいコピーです。
コピーライターの古川さんは、何度もコピーを読んで、リズムを大切にしている、といいます。クリエイティブもそうですが、気取らない日常感があふれていて、親近感がわきます。同じく古川さんが手掛けた福井新聞のコピーで「子どもを産むのが恐かったんです。」というものもあり、ぐっとくるものです。

ユニクロはなぜジーンズを2900円で売ることができるのか

ユニクロでは、製品を自社で企画開発し、自社で生産管理し、自社で流通から販売までを行っています。私たちは、このシステムに改良を重ね、よりシンプルにして様々なコストをおさえることで、市場最低価格をめざしています。そしてその過程で品質を犠牲にすることは、絶対にありません。私たちは、あらゆる人が着ることができる「カジュアル」を信じています。「カジュアル」は、年齢も性別も選びません。国籍や職業や学歴など、人間を区別してきたあらゆるものを超える、みんなの服です。服はシンプルでいい。スタイルは、着る人が自身がもっていればいいと思うのです。ユニクロは、現在全国に368店。いつ来ても欲しいものがある「コンビニエンス」をめざしています。お近くのお店はフリーダイヤル0120-09-0269でお問い合わせ下さい。私たちはこの7月、年間総売上高1000億円を達成しました。山口県山口市大字佐山から、世界一のカジュアルウェア企業になるという夢をもっています。きっと、なります。

佐藤澄子 / ユニクロ

いちばん、いろんなものが詰まったコピー。
問いかけをキャッチコピーにして文章を読ませる。自社で企画から製造、流通、販売までを手掛けるという事業モデルの強みをPRし、「カジュアル」の定義について語り、「スタイルは、着る人自身がもっていればいいと思うのです」という名言を差し込み、お問い合わせまでをボディコピーに盛り込み、最後は夢を語る。これだけいろんな情報を盛り込みながらも、情報過多という印象ではなくて、すっきりしていると思わせる文章力。ともすればネガティブな印象をもたれることもある、「安さ」「カジュアルさ」に意味をもたせていることもすごい。
そして、ほぼ文字だけの広告なのに、文字の大きさや文字間隔の広さの絶妙な調整で、読みやすいクリエイティブになっている。


どのボディコピーも読み込まれて、削ぎ落とされたゆえの、洗練さた文章であるけど、とても自然体で、自由がある感じがいい。こんなしなやかな文章が書けるようになりたいものです。


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