コーディネーション力ってなんだ?
こんにちは。モダンダンスとダンサーのためのエクササイズインストラクターのaikoです。
今日はコーディネーション力ってなんだ?というお話をしていきたいと思います。
みなさん、突然ですが、指揮者になってください。
指揮者のなったつもりで、右手を上下に動かしてください。
上で用意しておいて、カウント1で下へ2で上へ、3で下へ、4で上へ。
簡単ですね。
では右手はお休み。
今度は左手を上に上げて。
今度は3カウントで元に戻ります。3拍子ですね。
1で下へ、2で体の横へ、3で上へ。1で下、2で横3で上。
3拍子を左手で刻みます。
これもできますね。
では両方の手、一緒に行ってみましょう。
右手は2拍子、左手は3拍子です。
2と3の最小公倍数は6です。
カウントが6の時に、両方の手が上の位置で一緒になります。
いいですか?行きますよ?
両手上で用意、
さんハイ、1・2・3・4・5・6 1・2・3・4・5・6
できましたか?
6個目で合いましたか?
これ、慣れると簡単にできるようになるんです。
でも初めてやる時はなんだかグチャグチャでわかんなくなっちゃう。
もしくは、最初の何回かはいいんだけど、そのうちわけわかんなくなってくる。
今行った動きの中に、自分の体をコーディネーションしながら動かしている要素が入っていました。
コーディネーション力ってなんなんだろう?というところを見ていきましょう。
「定位」
今、どんなところでこの動きをしましたか?
狭いところでぶつからないように小さく動いたり、
広い場所で目一杯腕を伸ばして行っていたり。
自分の体が動かせる空間の認知をしながら動かしていたことになります。
「リズム化」
そして、私の「さんハイ」というタイミングで両手を下におろし始めたかた、おめでとうございます。
そして、両手を私のカウントのタイミングと一緒に動かせた方、
おめでとうございます。
同じリズムやタイミングで両手を動かすというコーディネーション力が働きました。
「バランス」
それから、両手を動かしていて、体や足はどうでしたか?
一緒にグラグラ動いちゃいましたか?
それとも体が持っていかれないようにしっかりと動かないようにしていましたか?
これもバランスというコーディネーション力。
腕が動いても体幹がぶれない筋力や、
意識の仕方が備わっているかがわかりますね。
もっと難しくするなら、片足でやってみるとか、目を瞑るとか。
「識別」
今の動きを水の入ったコップを持ちながらこぼれないようにやってみる。
これは道具を持って行う時に必要になるコーディネーション力です。
手具を持つ新体操や、小道具を持つダンスとか、
スポーツで言えば、野球やテニスなんかもこれが必要になります。
力加減とか、距離感のコントロールです。
「反応」
その名の通り、反応の速さです。
リズムが変わったらそれに素早く反応するとか、
止まっているところから急に動き始める振り付けだとか。
短距離のスタートなんかもこのコーディネーション力が必要です。
「連結」
違う動きをスムーズに繋げられる力です。
たとえば、「座って指揮をしている、立ち上がって歩くそして止まる」という振り付けがあったとしたら、手を動かしながら立ち上がり、歩きながら手は動き続けるし、足の動きが止まり、指揮する手も止まる。
というようにスムーズに他の動きに繋げられるようにする連結というコーディネーション力。
「変換」
数名で歩きながらこれを行って、ぶつからないようにできるかとか、
状況に応じて動きをコントロールする能力ですね。
ちっちゃい子で多いのが、スタジオの端から走ってジャンプというような練習をするときに、手前で止まらないで、壁にどかーんとぶつかっていく子がいるんですよ。
「手前で止まるんだよー!」と言われて初めて「止まるんだ」と認識することがあります。
中にはその”ぶつかる”のを楽しんでいる子もいると思うんですが、
止まらない〜!という子もいるんです。
それを認識しながら練習していくと、コーディネーション力が上がっていきます。
レッスンはコーディネーション力の練習場所
ダンスではその要素が多く入っていて、
普段の生活ではしないような動きを、音楽に合わせながら、
しかも演技をしながらやっていかなければならないんですね。
片足で立ちながらもう一方の足を空中で動かす、しかも向きを変えながら、他の人と同じタイミングで、同じ形に見えるように、ぶつからないように、次に動きの準備しながら・・・・
こうやって考えると、すごいことやってますよね。
いきなりこれら全てを一気にやるのって、難しいことなんですね。
だから小さいうちは簡単なことから始めて、だんだん難しくなっていくし、
クラスの中でもいきなり最終的なことから始めないで、
関節の一部分を動かし始めるところから始めて、
だんだん大きく複雑な動きになっていくんですね。
体も心も準備して、その日の一番複雑な動きについていかれるようなクラス構成になっているんです。
もしできない動きや苦手な動きがあるのなら、その動きを分解していって、どんどん基本に戻って最初から練習する必要があります。
できないできないと、その練習をずっとしていても、
できない動きの練習を重ねていることになります。
急がば回れで、最初の最初に戻りましょう。
わからない時は聞きましょう。
時間を有効に使って、一つずつ、積み重ねていくことで、
いつの間にか体をコントロールする力がつき、
いろんなことをいっぺんにできるようになり、
複雑な動きができるようになりますよ。
練習頑張ろう!って思いましたか?
あ、もし、今怪我をしていて、動けない、レッスンをお休みしている方、
これもチャンスです。
動ける場所の練習をしてあげましょう。
足の怪我の人は座ったままで体幹を保つ練習や、
体幹を保ったまま腕を動かす練習や、
顔を動かしても肩がついていかないようにするなど、たくさんできることがあります。
エクササイズのクラスを受けたことがある方は、
その辺の練習をしたことがあると思うので、
今は膝の怪我をしているから、体幹の練習をしておこうとか、
ポーデブラをいろんなシチュエーションで練習しておこうとか、
自分で考えていくことができるようになっていきます。
怪我のあるなしに関係なく、
苦手克服にもコーディネーション力を上げることというのは
いろんな人に役に立つと思います。
最初の2拍子3拍子のは、右左を入れ替えるともっと難しくなるし、
3拍子と5拍子とか、4拍子と6拍子とかでやってみると
また面白いですよ。
ということで、今日はコーディネーション力についてお話ししました。
最後まで聞いてくださってありがとうございました。
じゃ、まったねー!
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