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ラ・サール対策講座設計

今年度も中学受験専門塾ジーニアスのラ・サール対策講座の算数を担当いたします。受講生の方はどうぞよろしくお願いします。

前年度の対策講座を踏まえて、今年度の教材を練り直し。受講基準があり、生徒のレベルがある程度高いというのもあり、簡単過ぎて全員正解のものはボツにし、差し替え。逆に欲張りすぎて難し過ぎたものもボツ。押さえたいポイントが含まれ、入試で差がつく問題のレベル感、こちらの精度も1年やって上がったのでブラッシュアップされたはず。

Ⅰ期(前期・4月〜7月)

前期は「入試問題を知る」ターム。前年は欲張り過ぎて網羅的だったので、全4回というところと、小6の1学期というのも考慮しつつ、より学習効果の高い単元に絞りこみ、傾向を体感できる構成に。前期の対策講座を踏まえ夏以降に過去問演習という流れを意識。過去問を解く際に漫然と解くのではなく傾向や合格ラインを意識して取り組めるかが重要。

直近の入試問題は夏休み・2学期以降に、実力測定や到達点把握に非常に有効という観点から、市販の「声の教育社」過去問掲載の10年分は教材に盛り込まず(2023年の最新のものは傾向把握の資料として授業内で見せてしまいますが)。逆に言えば、せめて算数だけでも第1志望の生徒は10年分、しっかり時間を計って解いてくださいということ。前期で仕入れた分野ごとの傾向などを意識しながら、この単元でこういう問題が出るのね、というところを意識しながら過去問演習できると効くと思う。(下リンクは2023年受験版、7月初旬に最新2024年版発売)

ベンチマーク

九州の難関私立中は多分にラ・サール、そして久留米附設を意識して入試を作っている印象。そういう意味で、ラ・サール対策としての九州の難関私立中の過去問は有効。1学期段階で弘学館・青雲は5年分ずつ(市販のもの掲載分で十分)。これらは合格点突破のみならず、算数に関してはすべての問題に解答の指針が立つレベルまで習得したい。そして九州ではないけど比較されることの多い四国の愛光、偏差値上昇中の早稲田佐賀の両校も。愛光と早稲田佐賀については夏及び2学期の早い段階での演習でも有効。

Ⅱ期(後期・9月〜1月)

後期は予想問題演習全4回。他校で出題された同傾向問題も盛り込みながら、なぜこの問題を出題し、何を押さえて欲しいかまで解説。厳選された予想問題を通じて、ラ・サールの傾向は知り尽くしたと生徒が入試にも余裕を持って臨めるように設計。

ベンチマーク

今年は平均点が高く出たので、次年度は難化し合格者平均70・受験者平均55くらいを意識した出題となるはず。とはいえ、20年くらいのスパンで見るとラ・サールの問題も易化傾向なのは間違いなさそう。

かつてラ・サールは猛烈に灘を意識していて、灘の過去問を少し解きやすくした問題などがよく出題されていた。また、麻布や武蔵の問題も良問の宝庫でラ・サール対策として解くことも多かった。

ラ・サールの80%偏差値が下がると共に、類似レベルの問題が出題される学校にも変化。東邦大東邦、海城、芝、攻玉社、巣鴨、明大明治。これらの学校はレベル感含めラ・サール対策に相当良い問題が出題されている。これらの学校の過去問を見ながら、これラ・サールっぽいという判断ができるようになると志望校対策は万全。

過去問データに基づく算数傾向分析と対策(コベツバ)

他社ホームページながらも分野別出題分析などは秀逸で受験者は必ず目を通したいサイト。ラ・サールは特に出題分野に明確な傾向があるので、第一志望の生徒は出る分野・あまり出ない分野を意識して日々の学習に臨みたい。

骨太の算数力を身につけるための『中学への算数』

こうした傾向を分析した志望校対策は「合格」を目指す上で重要です。戦略的に受験勉強を組み立てることで漫然と勉強を続けるより合格に近づきます。一方で偏りのある学習は普遍的な算数力、ひいては先に始まる数学力も偏りのあるものとなります。いかなる問題が出題されようとも、しっかりと思考の糸口を見つけロジカルに解答までたどり着く、骨太の算数力は重要です。大きな負担とならない範囲で、各分野を満遍なく学習することの重要性もあえて最後に言及しておきます。『中学への算数』のレベルアップ演習・日々の演習は本当にオススメです。