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来た球を打つ
今日は土曜日。久しぶりにのんびりしています。目の前に高い山があったとしても、後ろを向けば青空しか見えません。という現実逃避ですが。
毎年、年度末の1〜3月は忙しいですね。駆け込みの仕事が多くなります。「3月31日までに納品出来ればいいので!」という感じです。国や自治体や企業は、1年単位で予算のやりくりをしなきゃならなくて、大変だろうなと思います。俯瞰的に見て長く継続するべき活動でも、いちいち毎年予算を「獲得」しなきゃならないので。
私はそうやって日々、一ヶ月先ぐらいしか見ずにやって来ているわけですが、もう少し先を見なきゃダメだなと思い始めています。ほぼ下を向いて足元ばかり見て歩いている感じですから、自分がどこに向かって歩いているのかがよく分かりません。
「来た球は打つ」と、仕事に対するスタンスをいつも野球に例えているのですが、私は野球部だったこともありませんし、プロ野球も高校野球もスポーツニュースも見ません。私の人生の中では、野球は例え話の時にしか現れないのです。そんな解説はいいとして、「来た球は打つ」の姿勢でやり続けていて、ありがたいことに、球を投げてもらって頂いているので、打てるとも言えるのです。
しかし、もう少しピッチャー側を意識してもいいんじゃないかと思っているんです。野球に例え続けてますけど。特に野球に興味の無い私が。
ピッチャー側を意識するというのは、もし誰か投げて欲しいピッチャーがいるのなら、私の方からお願いして投げてもらう事だって出来るかも知れないのです。自分から言わないと、私が投げて欲しいと思っていることを、そのピッチャーは知らないわけですから。要するに、やりたい仕事を自分からやりに行くという事ですね。
野球に例えた解説を、普通の言い方で言い直す意味とは。
ちょっと待ってください。そもそも「来た球を打つ」という姿勢で仕事をやっていいのだろうか?とも思い始めました。なぜなら、ピッチャーは投げた球を打たれたくない訳ですから。
私に仕事を発注してくれた人がピッチャーだとして、私はその人の投げた球を狙いすまして打ち返しちゃってる事になりますよね。クライアントやプロデューサーの投げた球を打ち返しちゃってる訳です。ピッチャーは打たれないような球を投げて来ている訳ですから、私は狙いすましたようにバットを振り抜き、そして空振りするのが、クライアントに対する姿勢なんじゃないでしょうか。「お仕事ありがとうございます」という姿勢を、空振りで表現すべきなんじゃないでしょうか。
とすると、仕事をやる姿勢として「来た球を打つ」なんて言ってるのは失礼に当たる気がしてきました。「来た球を空振りする」が正しいのでは無いんでしょうか。
しかしながら、例えば「平林さんて、どういうスタンスで仕事してるんですか?」と聞かれた時に、「来た球を空振りしてますね。」と言ってしまうと、イメージとしては常に失敗作を量産している感じがしてしまいます。
ということは、やっぱり何でもかんでも野球で例えない方がいいんだなという結論に達する訳です。
「しっかりバントを決める」にしてもそうです。一見、いぶし銀の職人として、派手さはないけれど、間違いの無い仕事をするイメージに聞こえますが、発注者が投げた球を打ってしまい、なおかつ自分はアウトになって、その仕事に関係のない他者が2塁に進むわけですから。要するに、あるクライアントのお金を使っているのに、ヘタなモノを作ってしまい、競合他社に利益をもたらしてしまうとも言えるからです。
ここから分かることは、やっぱり野球に例えてはいけないという事ですね。
ダラダラと野球に例えて書いてきたんですけど、要するに「来た仕事を順番にやるだけじゃなく、自分のやりたい仕事を自ら仕掛けて作り出す姿勢が必要である。」と言いたいんです。こんな簡単な一つの文章を言うのに、野球に例えてしまったせいで分かりづらくなってしまいました。
これが「平林さんて、どういうスタンスで仕事してるんですか?」と聞かれた時に「浮きがスッと浮き上がった瞬間に合わせてますね。」などと釣りに例えたりするともっと分かりづらいですし、「4Kで撮影して編集でアングルの調整してますね。」などと映像制作に例えても分かりづらいのです。あるいは、「カブトガニはカニというよりクモに近いです。」と、生物の分類で例えてしまうと、話が前に進まなくなります。
だから、まだ野球に例えるほうがマシなのかも知れません。
いやだからもう、例え話の話はいいんですけど、要するに「もう少し人生計画を立てて行かなきゃな。」という話をしたかったんです。お仕事を頂ける事は大変ありがたいのですが、さらに自分から仕事を作っていく姿勢が必要なんじゃないかという事なんです。
そして、仕事というのは、自分を正当化するに十分な存在な訳でして、「仕事が忙しいから作品づくりは後回し。」「仕事が立て込んでるから今は企画書が作れない。」「仕事仲間との飲み会だから、作るあてもないシナリオ書きは今日はやらない。」などとアッサリと言えてしまうのです。
そして、その仕事を圧倒的に優先する思考回路のままでいると、ただ仕事をしただけの10年があっという間に過ぎていくんです。
仕事と自己実現の大部分が重なっている人はそれでもいいんですが、仕事と自己実現の重なっている部分が少ない人ほど、気をつけないとなりません。私は仕事と自己実現の重なりが30%ぐらいですかね。70%ぐらいは仕事では成し遂げられないので、やはり自分から仕掛けて行くしかないのです。
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