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穏やかで退屈な日々

しかしまあ、今年の夏は家族でどこかに行くこともありませんでした。実家に帰省するのは、高齢の親に感染させないために行けませんし、「東京都民は都から出るな」とも言われましたし。だから特に夏休みを取ることもなく、毎日働いています。

私はどちらかというと慎重派なので、普通の人よりも余計に気をつけるタイプなんですけど、さすがにコロナに対しては、いい加減にしろと思ってます。特に毎日感染者数を発表して、ワッショイワッショイやってるのを見ると、絶望すら感じます。「300人を超えたのは3日連続」「200人を超えたのは7日連続」「100人を超えたのは10日連続」おい、連続って言いたいだけだろって思います。そのうち収束してきても、「10人を超えたのは100日連続」とか言い出すんでしょうね。

緊急事態宣言の時は、緊張感があったので、逆にストレスも跳ね除けられていた気がします。台風に直撃されている時の臨戦態勢と言いますか。でも今は緊張感も無く、かといってこの騒動はいつまで続くんだという、ダラダラしたストレスを感じます。やめてくれ!というストレスではなく、イライラするストレスなんでしょうね。

一方で、移動する時間が極端に少なくなってる状況はすごいです。リモート打ち合わせで15分で終わる打ち合わせは、15分で終わっちゃうんです。今までだったら、打ち合わせの場所に行くのに1時間かかるから、その1時間前に起きて支度して、帰りも1時間かかってましたから。

生産性の無い打ち合わせもほぼ無いですね。打ち合わせで自分と関係ない話が始まった時は、ミュートにしてイラレなりフォトショップなりで仕事も出来ますし。

でも世の中には、リモートでもダラダラ喋りたい上司とかいるんでしょうね。全然終わらない打ち合わせ。会議室でやっていたようなCMの企画打ち合わせをリモートでやられたらツラいですね。6時間繋ぎっぱなしみたいな。いや、これも人によりますかね。気心の知れた人たちだったらエンドレスでも大丈夫な気がしますから。Zoom飲み会の酒抜き、みたいな感じで。

にしても退屈な日々です。仕事はそこそこ忙しいんですけど。

10本以上のアニメーションの仕事が動いている気がします。自分でイラストも描かず、自分でアニメーションをする訳でも無いのに、日常的にこんな本数のアニメーションを作っている人もそんなにいないんじゃないかと思います。

その企画に合ったイラストレーターを探して、その企画に合ったアニメーターに動かしてもらいます。私の仕事はディレクションです。

若い頃の私は、とにかく過剰にやっていたので、どんな手法のアニメーションでもフルアニメーションでお願いしていました。フルアニメーションというのは、テレビだったら1秒間に30コマ動くことです。コマ撮りアニメとかでフルアニメは相当時間がかかります。

でも今は、極力動かさずに、それでいて間が持つようなやり方になっています。制作費がだいぶ少なくなっているのも大きな理由ですかね。アニメーターの方にそこまで負担を強いれないと言いますか。間違いなく間が持つのは、イラストの時点で最高のクオリティにしておくことです。極端に言うと、紙芝居にしても見ていられる密度と情報量のイラストにしておくことです。そうすると、ちょっと動いただけで、もすごく豊かな印象が伝わります。

これはイラストだけではなく、デザインでも同じことが言えます。ものすごくシンプルなんだけど、しっかりデザインされた画面は、そんなに一生懸命アニメーションさせなくても、間が持ってカッコよくなります。イラストやデザインが中途半端だと、いくらAfter Effectsで頑張ってもダメです。

みたいな仕事ばっかり最近はしています。

だから今は逆に地方ロケに行きたいです。昼間、外でロケをして、夜、みんなでご飯を食べて、小さなビジホで寝るあの感じ。あの感じです。全裸でパソコンに向かっている自分の姿が、鏡で全部見えてしまうあの感じです。小さな歯磨き粉からヒネリ出すあの感じです。ユニットバスのカーテンが体にペタっとまとわりつくあの感じです。ホテルに帰る途中でコンビニに寄って、酒を買って帰るのに、部屋に戻ると腹一杯で結局飲まないあの感じです。小さな窓のカーテンを開けると、隣のビルの壁が見えるあの感じです。

まあ、しばらく無理そうですけど。

と言いつつ、コロナのせいにして見て見ぬフリをしていることもたくさんあります。穏やかで退屈な日々だったら、やればいいんです。

私がいまそこを突かれたら痛いと思っているのが、脚本を書いてないことですね。3本ぐらいの長編映画の脚本があるんですけど、85%完成しているもの、40%完成しているもの、5%しか進んでいないものがあります。それを進めればいいんですけど、見て見ぬフリをしています。ああ、ツラい。4月ぐらいからちょっとずつやってたら、3本とも完成してたんじゃないかとすら思いますね。ああ、ツラい。ああああ、ツラい。

一方で、首の皮一枚つながっているのが、運動と英語の勉強でしょうか。毎日最低1時間は運動するようにしています。ウォーキングだったら90分以上、踏み台昇降だったら1時間以上です。英語の勉強も運動と同じ時間しています。運動しながら英語をやっているので、必然的に同じ時間やることになるんです。

運動の1時間はいいとして、英語の勉強1時間は少ないですね。1日1時間しかならなかったら、習得するのに何年かかるんだと思います。「やらないよりはマシ」「続けていることに意義がある」などなど、自分を正当化する言葉はいくらでも浮かんできます。ああ、ツラい。

しかしまあ、こうやってツラい内容を書いてるつもりでもユルいですね。まあだから、そういう緩やかで退屈な日々を過ごしているってことなんです。

さてと、ワイン開けようっと。

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