家に籠もって考えてます

新型コロナウイルスが広まって、外出自粛になり、非常事態宣言が出て、世の中は予想通りギスギスして来た感じがします。

起きている出来事が巨大過ぎるからなんでしょうね。東日本大震災の時も同じでした。さすがに10年経ってないので覚えています。世の中が二分してしまうんですよね。あの時は放射線に対して二分したような気がします。

二分と言っても、意見が対立している訳ではなく、全員が「怖いから気をつけよう」と思っているんですけど、一方は「ゼロリスクしかありえない」と思い、もう一方は「現実的にそれは無理」と思ってるだけで、見ている方向は同じなんですよね。でも、お互いがお互いを罵倒しちゃうんです。

もうこのぐらい書いただけでもクレームが来そうな気がしますね。世の中のピリつきを感じます。

そして新型コロナウイルスは、東日本大震災の時よりも人々に対するストレスが強い気がします。地球上にほぼ逃げ場が無いって、なかなかのストレスですよね。ウイルスからも、不景気からも逃げられない。

ちなみに今、子ども向けに新型コロナウイルスを伝える映像を作っているところです。感染を広げない習慣を身につけてもらう一方で、ウイルスの存在に興味を持って、将来、ウイルスの研究者になる子どもが出たら良いなとも思いながら作っています。今は、信じられない程、いろいろなモノを失いますが、一方で新しいモノを生み出すエネルギーも充満して来てるんだと思います。

その中でちょっと興味深かったのが、ウイルスの大きさの例えです。私たちはマスクをしたり、手を洗ったりして、ウイルスが自分の体の中に入らないように気をつけていますが、私たちの体の大きさを地球に例えるとしたら、ウイルスは人間の大きさぐらいなんだそうです。

メチャクチャ小さいなと思いましたね。地球がマスクするとしたら日本ぐらいの大きさなんですかね。マスクの隙間はウイルスの50倍とか言いますから、人間を160cmとすると、マスクの隙間は80m。

ひとりひとりの人間を惑星だと思うと、人に向かって「ハックション！」としただけで、隣の惑星に200万人ぐらいが移住してしまうんですよね。そして移住した200万人が爆発的に増えて、また隣の惑星に移り住んでいくイメージ。岐阜県とか栃木県の人全員が、一発のくしゃみで隣の惑星に移住してしまうイメージと言いますか。

とまあ、そんな事を考えながら家に籠もってます。

あ、そうそう。私は自分の体験から思うことがあるのですが、「怒り」って、自分が真面目に考えている時ほど、湧きやすい気がするんです。「私がこんなに一生懸命にやっているのに、その態度、何っ！」「私がこんなに真面目に考えているのに、その発言、何っ！」と思って怒ることが多い気がします。この種類の怒りのエネルギーはすごいから、下手すると憤死しますね。

でも、何か怒りが湧いてきた時に、「ああ、いま自分は人よりも真面目にやっているから、考えているから、怒りが湧いてきたのかもな。」と、怒りの湧いてきたメカニズムに気づくと、案外、怒りはサーっと引いて行く事が多いです。私はしばしば、それがありますし、それを意識的にします。

そして、怒っている人を見た時にもそれを思います。「ああ、この人は自分が誰よりも真面目にやっていると思ってるから怒ってるんだな。」と思うと、その人に対しても冷静になれます。何と言うか、方程式で怒っちゃってるだけなんだなと言いますか。麻雀で例えると「その配牌が来たら、その役で上がっちゃうよね。」みたいな感じと言いますか。いや、逆に分かりづらいですね。

私はよく「平林さんて、ホントに怒りませんよね。」と言われますが、そんな事は無く、むしろ誰よりも早くキレる人間だと思います。でも、怒ることが少ない理由は、怒りを消すいろんなタイプの消火器を持っているからなのかも知れません。

「あ、これはこの人のクセで、いつも一言多いだけなんだよな。」とか「この人は文句は多いけど、結果的にはやってくれる。」とか「この人はこの場では立場的にこう言うしかないよな。」とか「あの人、昼メシ食ってないんじゃないの？」とか、それが真実かどうかは関係なく、自分の感情の高ぶりをいろんな消火器ですぐに消します。

面白いのは、怒りという感情を、理屈で抑え込めるところですね。そして、理屈で消すためには早期消火、これに尽きます。感情が大火事になったら理屈では消せません。

とまあ、そんな事も考えながら家に籠もってますね。

そして、しばらく誰にも会わないと思ったので、2mmの坊主にして、何年かぶりにヒゲも全部剃りました。久しぶりにヒゲを剃ったので、カミソリ負けしました。完全に負けましたね、皮膚が。そして、ヌルっとした坊主みたいになっちゃったけどまあ良いか、と思った直後に気が付きました。しばらく誰にも会わないけれど、zoomでの打ち合わせでは、ヌルっとした坊主姿、見られちゃうんだなと。

まだまだ抜け漏れありますね。