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『SHELL and JOINT』の2020秋

『SHELL and JOINT』がまたいくつかの映画祭に決まりました。

割と私のテンションが上っているのが、ポーランドのヴロツワフで開催される「New Horizons International Film Festival」(11月5日〜15日)で上映されることですね。私も行ったことが無かったですし、存在もちゃんと知らなかった映画祭なんですが、調べてみると本当に正統派の映画祭だったんです。

映画祭のプロフィールを見ると、今までこの映画祭に参加した監督や、特集上映された監督の名前は錚々たるものです。教科書に載っているような監督ばかりですね。

今まで映画祭に参加したのが、アブデラティフ・ケシシュ監督、アニエス・ヴァルダ監督、ナンニ・モレッティ監督、テリー・ギリアム監督、ピーター・グリーナウェイ監督、タル・ベーラ監督、ブリュノ・デュモン監督、カルロス・レイガダス監督。いやこれ書き出すとキリが無いですけど書き続けますよ。アレクサンドル・ソクーロフ監督、アベル・フェラーラ監督、キム・キドク監督、ツァイ・ミンリャン監督、河瀨直美監督、カルロス・サウラ監督、クレール・ドゥニ監督、ドゥシャン・マカヴェイエフ監督、アスガー・ファルハディ監督、ジャン=ピエール・リュック・ダルデンヌ監督、アンドレイ・コンチャロフスキー監督、レオス・カラックス監督、ブラザーズ・クエイ監督だそうです。

「レトロスペクティブ」と言って、ある作家を決めて特集上映や回顧上映をすることが映画祭にはよくあるんですが、この映画祭でやって来たレトロスペクティブもすごいです。そのまま全員書き出すと多すぎちゃうんですけど、例えば日本人の監督だったら、塚本晋也監督、小津安二郎監督、三池崇史監督、寺山修司監督などの特集上映があった様です。教科書みたいな人たちだと、デレク・ジャーマン監督、ジャン・リュック・ゴダール監督、ミケランジェロ・アントニオーニ監督、フェデリコ・フェリーニ監督、イングマール・ベルイマン監督、などなど。

Googleの画像検索でこの映画祭を検索すると、ロカルノ国際映画祭みたく、屋外に巨大なスクリーンを設置して、ものすごい数の観客で見てたりするんですよね。この映画祭は本当にものすごく行きたかったです。コロナのバカ!

この映画祭で上映される事になった経緯なんですが、今年の1月にロッテルダム国際映画祭に行っている最中にメールが来たんです。ロッテルダムで『SHELL and JOINT』を見たキュレーターの方から上映のオファーを頂きました。

でもこういうオファーはよくあるんです。『SHELL and JOINT』でもかなりの数のオファーがありましたが、「検討した結果、残念ながら今回の映画祭のプログラムには入りませんでした。実は映画祭にはプログラムに限りがあって…」みたいなメールが来て終わるんです。

この映画祭からも数ヶ月メールが途絶えたりしていて、やっぱり落選してしまったのか、あるいはコロナの影響で映画祭の開催自体が無くなってしまったのか、などと思っていました。実際にオファーを頂いて、上映も決まっていたいくつかの映画祭は、コロナの影響で中止になってしまいました。今年は映画祭の世界もとんでもない緊急事態が起きてますからね。

それでも1〜2ヶ月ほど前ぐらいにまたメールをもらうようになりまして、無事上映までこぎ着けたという感じです。

『SHELL and JOINT』が上映されるのは、「Visual Front」という部門です。一通り、全部門の作品の概要を見てみたのですが、いわゆるアート映画、アートハウス映画と呼ばれるような作品が多い様に思われます。何となく、ロッテルダム国際映画祭に近い感じがしました。アメリカのアナーバー映画祭ほど実験映画寄りでもないと言いますか。

今年上映される作品には、ロイ・アンダーソン監督、ツァイ・ミンリャン監督、ペドロ・コスタ監督、ジャンフランコ・ロージ監督、フランソワ・オゾン監督などの新作があります。小田香監督の過去の作品も上映される様です。本当に行きたかったです。全部コロナのせい!

そして、スペインの「アジアン・フィルム・フェスティバル・バルセロナ」(10月28日〜11月8日)でも上映されることになりました。今年はオンラインです。スペイン語の字幕が付いています。

映画祭のサイトを見ると、本当にアジアの映画が集められていることが分かります。アフガニスタン、オーストラリア、バングラデシュ、カンボジア、中国、フランス、香港、インド、インドネシア、イラン、日本、カザフスタン、韓国、ラオス、モンゴル、ミャンマー、ネパール、パキスタン、フィリピン、シンガポール、スリランカ、台湾、タイ、ウズベキスタン、ベトナム。というリストになっていますが、フランスが入っているのは、フランスのお金も入っている作品があるということですね。

河瀨直美監督の『朝が来る』も、早速オンラインで見れるそうです。スペイン限定だと思いますが。

『SHELL and JOINT』は「Official Panorama」という部門での上映になりますが、ザッと見てみても、知っている監督はフィリピンのラヴ・ディアス監督ぐらいですね。279分の作品だそうです。『SHELL and JOINT』は154分なので、まったく敵いませんね。堂々と長尺の作品を作りのける監督の存在にはすごく勇気をもらいます。

『SHELL and JOINT』は、2019年製作の作品なので、もうそろそろ映画祭からのオファーもなくなります。だいたい製作した年か、その翌年ぐらいまでしか映画祭で上映される対象になりません。

近々、『SHELL and JOINT』の総括と言いますか、中締めと言いますか、そんなnoteも書く予定です。

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