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クリエイターと社会貢献

私は30歳から短編映画を作るようになって、純度の高い作品を作ることにこだわって来ました。純度が高いというのは、自分のやりたいことを高い濃度で入れ込んだ作品を作ることです。仕事ではない映画に関しては、ほぼ100%に近い満足度で作り続けられています。『SHELL and JOINT』という長編映画も100%の満足度で完成しています。だから2時間半になっちゃったんですけどね。

私がなぜ100%の満足度で映画を作り続けられるかと言うと仕事ではないからです。みんなでお金を出し合ってクルーザーを借りて、3mのカジキマグロを釣りに行くのと同じです。釣ったカジキマグロを売って生計を立てようなどと思ってませんから、単純に制作を楽しむだけなんです。借りられるレベルのクルーザーを借りて、行ける範囲の海に行って、思う存分釣りをするんです。

一方で、仕事では思い通りには作れません。特にクライアントワークでは自分のやりたいことを100%やるなんてあり得ません。だって、そこに商品やサービスやブランドがあるんですから。すでにその段階で、「自分のやりたい表現」などという選択肢は無いんです。1000万円自由に使っていいと言われて、わざわざどこかの企業のCMを作りませんよね?

だから、クライアントワークに「自分のやりたい表現」という軸を持ち込むと苦しむんです。特にここ10年ぐらいはみんな苦しんでると思います。世の中を見回してみれば分かります。「ああいうCMを作りたい」って思えるCMが何本ありますかと。イケイケだったあの監督やあの監督やあの監督だって、自分のやりたい表現はやれてないはずです。なぜなら、話題にすら上がって来ないということは、自分のやりたい表現をやれてないか、そもそも仕事が無くなっているからです。

身近にCM制作会社のダッシュの勝俣プロデューサーがいるので、楽しそうな大きな仕事の話を聞くことも多いんですが、私が見ているのは業界のごく一部の楽しい部分なんだと思ってます。実情のツラい話も聞きますし。

ちょっと前置きが長くなってしまったんですが、私は40歳になった年から「しまじろうのわお!」という幼児教育番組を作っています。東日本大震災があった2011年に準備を始め、2012年からオンエアを始めました。2024年の今年で12年目です。

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Xや無料noteでは言えない事。毎記事2000文字以上。月に5〜8回投稿。多い時は10回以上。映画監督、映像ディレクターの仕事について。フリーランスの生き抜き方をフリーランス歴20年以上の経験から。「中年の危機」に悶絶している様子をリアルタイムに報告。子供を2人育てる父親の視点と哲学。世の中に対する日々の雑感。親友の画家、石田徹也について。などなどを書いています。

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