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角田陽一郎さんとワタナベアニさん

角田陽一郎さんの本『人生が変わるすごい地理』の刊行記念のトークショーに行ってきました。角田さんと話すのはワタナベアニさん。

私はワタナベさんに大変お世話になってきたのに、そういうイベントに行くことはほとんど無く「不義理」で有名なのですが、「さすがにこの組み合わせは聞きたい!」と思っていたところ、勝俣さんからも誘われ、急遽予約して行くことになりました。

ワタナベさんがいつもいろんな海外に行っているので、それをベースに「硬めな」と言いますか「マジメな」と言いますか、そういう「地理」の話になるかと思いましたが、「よりマジメに」面白い話を聞くことが出来ました。

「よりマジメに」というのは、きっちりお客さんを楽しませるという事に、本当にマジメに取り組んでいらっしゃると思いました。エンタメという皮に包まれた中身に、本質が隠されている饅頭の様でした。

本当にSNSでは書いてはいけない話がいっぱいあったので、書けないことだらけなのですが、角田さんが言っていた「バチが当たる」話は、すごく頷けるものがありました。普段、人に対して悪い態度やナメた態度をとっていると、そのうちに、その人にバチが当たるという話です。

私はここ15年ぐらい「徳理論」というのを提唱しています。提唱って言うと大げさですが、親しいスタッフとかに良く話している話でなんです。角田さんの「バチが当たる理論」と反対側にある同じ考えかもしれませんが、自分に嫌なことがあったり、酷い目にあわされた時に、「我慢する」「許す」ことで、自分に徳がたまり、そのうちに良いことがあるという考え方です。まあ「理論」でも何でもないんですけど。

普段から「徳理論」を意識していると、カッとなっても、それをアウトプットする事が減ります。グッと飲み込むことで「チャリーン」と徳が貯まります。

「徳理論」なんて命名してますが、割と日本人特有の考え方なのかもしれません。「お天道様が見てる」みたいな感覚と同じだと思います。特定の神まで行かないけど、自分の運命を左右する「誰か」に見られている感覚と言いますか。

でも最近は「我慢する」とか「許す」みたいなのは、かなりネガティブに語られるようにもなってきました。「しっかり戦って自分の考えを主張すべき」という方が正しい、という流れがある気がします。もっと言うと「しっかり戦って自分の考えを主張して勝ち取る」の「勝ち取る」までがセットになっている気もします。

でもこれらの考え方は、誰しもに当てはまる流行ではなくて、立場によって変えなければならないものだと思います。上の立場の、チカラを持った人が「我慢して許し」、下の立場の人が「しっかり戦って自分の考えを主張して勝ち取る」ものだと思います。それが、上も下も「しっかり戦って自分の考えを主張して勝ち取る」になってしまっているので、「常に戦い」みたいな世の中になってる気がします。「下衆」感が強い世の中と言いますか。

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」という素晴らしい諺があって、それなりに有名な諺だと思うのですが、もう少し大事にされても良いのになと思います。

角田さんの「バチが当たる」話を聞いて、そんな事を思いました。

トークショーの中では、フリーランスについての話も出てきました。角田さんもワタナベさんもフリーランスで仕事をしていて、フリーランスの立場からの話でした。「フリーランスっていいよ」をしっかりと見せつけることが大事という話でした。まったくもって正論でグーの音も出ないのですが、私はまだまだだなと痛感しました。

私は、相手がビックリするようなギャラの提示をする勇気もありませんし、お金が無い仕事と分かっている場合は、あらかじめ安いギャラを想定してしまっています。ギャラの安さに驚かないように、自分の気持ちに保険をかけている意味もあるんですけど。それでも、自分が想定したギャラを大幅に下回ってくる時も往々にありまして、まだまだ「保険」が甘いんです。極端に言うと、0を1つ削るぐらいの想定をしておかないと。

まてまて。そういう事じゃなくて、ちゃんとした仕事をしたら、ちゃんとしたギャラを貰えという話ですね。なぜそれが出来ないか?「徳理論」が邪魔してるんです。恐ろしいですね。徳は貯まるけど、金は貯まらないんですね。私の課題は、「徳理論」と「ギャラ」のリンクを切る事なんだと思いました。

それにしても、角田さんとワタナベさんの話は、「それそれ!」という納得感の強いものばかりでした。普段の私の考え方が、どこか間違っているんじゃないかと不安を持つことも多いのですが、「あ、良かったんだ。」と思わされました。

角田さんもワタナベさんも社会の中で仕事をしつつ、それでも「戦っている」印象がとてもあります。自分の人生を大切に生きている姿を見せることで、それに賛同した人々の幸福度を底上げして、ひいては多くの人の幸福度の平均値を上げる感じなんだと思います。

私も「不義理」ばかりせずに、いろんなところに出かけていかなきゃなと思いました。


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