見出し画像

マルチ毒親に「あなたはアムウェイに育てられたのよ!」と言われた人

世界最大のマルチ商法組織・アムウェイがついに業務停止命令を受けましたね。ニュースとしてもかなり大きく取り上げられていました。

いみじくもアムウェイに毒された母親に育てられた私としては、大変感慨深いニュースでした。
タイトル通り、私は母親との喧嘩の末にアムウェイに言及し「あなたはアムウェイに育てられたのよ!」と言われて勘当されました。
母親と私がアムウェイとどのように付き合っていったのか、そして実際にアムウェイ製品を使ってどうだったのか、ちょっと書いていこうと思います。

①アムウェイとの出会い〜幼少期

出会い

母親とアムウェイの出会いは、聞いた話だと私が母のお腹の中にいた1990年代前半ごろだったみたいです。母は一度流産を経験し、妊娠に際して相当気を遣っていたはず。そこにアムウェイは漬け込んできたのです。
栄養や健康に過敏かつ、専業主婦での子育てで経済的に若干不安のある人をターゲットにしていたのでしょう…こうして母親はアムウェイに入会することになります。

幼少期

こうして私が物心つく頃には、身の回りの物が全てアムウェイとなっていました。洗剤、空気清浄機、水浄機、シャンプー・石鹸、サプリメント、化粧品…そして時たま開催される”ホームパーティ”なる催し、家に複数人の主婦が来てお菓子を摘んで談笑したりしていました。逆に別の家に行ってお菓子をつまむことも…何の集まりか把握していなかったのですが、あれがアムウェイの集いだったんです。確かに〇〇さんグループ(〇〇は個人名)という言葉が頻繁に飛び交っていた気がします。
そして私が小学校3年くらいになった時、洗脳が始まります。

②アムウェイへの洗脳

洗脳教育の始まり

私はある日、母にいきなり「お母さんがやっているビジネスの話をするね」と言われてフリップと共に、アムウェイの説明をしてきます。
中身はマルチ商法の説明そのもの、「お母さんがいいと思ったものを、他の人に薦めて、それを他の人が買って更に別の人に薦めると…お母さんのところにこれだけお金が入るの!すごくない?」そう目を輝かせて説明する母。
善悪の判断もついていない私は、「なんかすごい!」と反応していて”アムウェイ=なんかすごいビジネス”という風にさえ思っていました。
”アムウェイを頑張ることでみんなが幸せになる”と母は本気で思っていて、それに私は何の疑いも持たずに尊敬さえしていました。
アムウェイと共に健康や栄養の話もしてきて、”サプリメントがいかに大事か”という話をしてきたり、移動の車中ではアムウェイ創業者のリッチ・デヴォスのCDを無限リピートで流していたり、アムウェイ本社でのセミナーに連れて行かれ無駄にすごい社屋(渋谷NHKの目の前)を見せられたり…
洗脳は着々と進んでいって、私も”将来はアムウェイをしよう”くらいの気持ちでいた気がします。

洗脳の終わり

しかし、あるモノによって”アムウェイの洗脳”が解かれることになります。それはインターネットです。
中1になってやっと我が家にやってきたインターネットで、ある日『アムウェイ』と調べると…そこには『アムウェイ被害者の会』なる言葉が、更には『マルチ商法』『アムウェイ 勧誘 断る方法』など、ネガティブなワードが次々と出てきます。江頭2:50がアムウェイの勧誘をネタにしていた、なんて情報も出てきました。若干のショックを受けながらも母にこれを問いただすと…「アムウェイは”いいマルチ”」なのよ、という苦しい答えが返ってきます。

③アムウェイの現実

母の友人サイクル

この辺りから、私はアムウェイの真の姿に気づき始めます。
インターネットには『アムウェイで友達を失う』との情報があり、よくよく観察すると母の周囲友人が2~3年ペースで入れ替わっていることに気づきます。更に以前はホームパーティだけだったものも、エステやビーズなど他のコンテンツを引きにして何とか人を呼んでいるという始末。
世間でのアムウェイの評価がクソミソであることにも気づいたのです。

アムウェイを決定的に拒否するきっかけ

そしてアムウェイによる実害がついに私の身に降りかかります。
そもそもアムウェイは、かなり偏ったオーガニック思考であり、現代医学や化学製品をかなり忌避し卑下します。その割に”ありがとう水”や”電磁波”のようなエセ科学には傾倒するという状態。熱が出ようと「医者には行くな」と言われ、薬も飲ませてもらえない。幸いなことに、母が栄養にこだわったお陰でだいぶバランスの良い食事を作ってくれていたので、大病や流行病に罹ることは滅多になかったのですが…
大学受験の際、私はストレスで顔から胸・背中の皮膚が常にただれるという状況に陥ります。あまりにも状況が酷く、皮膚科に罹ったのですが…母は「処方箋はいらない」と告げ、診察だけ受けて帰ることに。その後はひたすらアムウェイのクリームを塗る毎日。ちなみに皮膚は全く良くなりませんでした。一応垢すりではなく手だけで体を洗うようにしたり、努力はしたものの下着には常に血が滲み、受験中も痒みがおさまらないという事態に…これまでアムウェイに不信感を抱きながらも、「モノはいいから」と容認していた私も拒否感だけを感じるようになりました。

そして勘当へ

その後、就活の際に母と私は就職の方針で大いに揉めます。
元々母はアムウェイに限らずかなりの毒親で、受験の度に思い通りに行動しない私にブチ切れてきました。そして就活でも同じ事態が発生。
喧嘩の末に私が「アムウェイなんてやってるお前に進路を指図されたくない」と切れ、それに対して冒頭の一言

「あなたはアムウェイに育てられたのよ!」

とキレ返してきました。こうしてついに勘当され、大学4年の冬から私は家を出てシェアハウス暮らしをしていました。

④アムウェイって実際どうだったのか

まず儲かるのか?

ちなみにこれだけ私と母がやり合っている中、父は2人の喧嘩には我関せず(父と私の仲は今でも普通に良いです)。ある時「おかんのアムウェイって実際儲かってるの?」と聞くと「いや全然」との回答。
ある日急に車を買い替えたり、冷蔵庫を買い替えたり、私自身も私学の学校に通わせてもらったり…と、物には困らない生活をさせてもらっていたのですが、実はこれは父親が頑張って稼いでいたという事実を知ります。父親は物欲がほとんどなく、20年間同じ服を着るような人だったので、アムウェイが儲からなくてもこれだけ良い生活をさせてもらっていたのでした…確かに母はアムウェイで成功した人与えられる、称号のようなもの(宝石の名前がつく階級のようなもの)を全く持っていなかった記憶が…

アムウェイ製品はものがいいのか?

これは”NO”です。
アムウェイの鍋は焦げも取れにくいし変色するし、十数年変わっていないし…ニトリとかで売ってるやつの方が性能もいいし、長持ちします。アムウェイは性能も良くないのにバカ高いです。
洗剤に関しても、全然汚れ落ちません。水を大量に使いながら洗わないと落ちませんでした。ちなみにアムウェイの方々は、他社の洗剤と比較してどれだけ落ちるかみたいなデモ販売をするのですが、その他社洗剤は大体薄めてます。うちのはそうでした。
そしてスキンケア商品、これは最悪。まあ人に合う合わないはあるんでしょうが…私の肌の荒れは全く治りませんでした。処方箋だったり、ニベアの方が万倍良いです。
アムウェイ製品は基本的に高いのに、性能も良くない、紛れもないクソです。信者はオーガニック信仰しているので、高くても性能の悪い製品を買い続けるという始末。本当にタチが悪いですね

※製品に関する感想はあくまで個人の感想です。

⑤余談

アムウェイに育てられて得したこと

マッチングアプリでアムウェイの人が大体見分けつくようになります。
すぐ夢を語る人、クルージングパーティの写真を載せている人、若者だらけのフットサルに誘ってくる人…大体アムウェイ並びにマルチの人です。
実際にアムウェイの人と会った時も、社長のCDの話を死ぬほど聞かされ、サプリをバカみたいに飲まされた私の方が詳しかったりしました。
そして大体誘ってくる人、どこか幸薄そうです。

マルチで成功する奴

アムウェイ並びにマルチで成功する人は
・罪悪感を抱かない
・信仰ではなくビジネスと割り切って数を打てる
・トークスキルがある
・自己プロデュースが上手い
これらの能力が必須だと思います。
成功するには信仰を捨て去って、人をツールとして見ることができないと無理な気がします。そういったグループの中心で成功者とされている人は、薄っぺらい笑顔を顔面に貼り付けて立ち振る舞うのが上手い人たちでした。

「幸せになろう」と語るアムウェイの方々の、”本当の幸せ”ってなんなんでしょうね?



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?