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【じーじは見た!】 前編:誰か分かり易く日本の財政を解説してよ⁉

総選挙は終わってしまいました。

今回の選挙戦の最中に財務省の事務方トップの矢野事務次官が唱える「ワニの口」理論が話題になりました。

「日本の財政破綻」が気になった方も多かったのではないかと思いますが、消費税をおまけするという立憲民主の政策も国債発行を財源とする積極財政だったので矢野次官の寄稿に出端をくじかれた感じだったと思います。

令和新選組の山本代表や立憲民主党の原口議員が選挙前に三橋孝明さんに積極財政の効用をレクチャーしてもらっていたり、野党が「積極財政」に理解を示していただけに野党にとっては迷惑な寄稿でした。

それにしても実際のところ、日本の財政は大丈夫なのでしょうか?
破綻しないのでしょうか?

高橋洋一さんや竹中平蔵さんは、矢野事務次官が唱える「ワニの口」理論を批判していましたけど、皆さんは批判理由を知っていますか?

Z世代の偉いところは、ちゃんと理屈を客観視できる力がある人が昭和人よりも多い点です。

高橋洋一チャンネルの視聴の多さには、マスコミが騒ぐ切り取り情報だけで考えるステレオタイプの昭和人と違う頼もしさを感じます。

さて、我々昭和人も何となく分かった気にならないでしっかり裏付けデータを見ながらZ世代のように考えてみましょう。

じーじが解説するには荷が重いテーマですが頑張ります😊(誰かちゃんと分かり易く説明してくれるとありがたいのですが⁉)


✅これが日本の国のバランスシート

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まず、こんなものを見たことがないですし、マスコミも絶対に解説してくれないですよね?

あの池上彰さんでもここまでは突っ込んで解説してくれていません。

財務省のHPには、日本の財政関係資料(令和3年4月)が公開されていて上記のような情報を私たち誰でも見ることができます。

バランスシートと言えば、貸借(たいしゃく)がバランスしなくてはなりません。

借方(かりかた)に▲592兆円で点線囲みというのは、見た感じでは債務超過(※)「純負債で大変だ!」「財政破綻だ!」に見えます。

ここに解説が必要なのだと思いますが、ちょっと後回しにしましょう。

※債務超過について
債務者の負担する債務(借金)の額が、資産の額を上回っている状態のこと。債務超過の場合には、貸借対照表において「資産」の合計金額よりも「負債」の合計金額が大きい状態であるため「資本」(純資産)の合計金額はマイナスになります。

会社で管理職バリバリの方なら簿記の知識があると思います。

経営に関わろうと思えば簿記の知識は必須であり、世界共通のビジネス言語です。

新卒採用の面接の際に学生さんから「卒業までに何か勉強をしておくなら何を学んでおくべきですか?」と質問されたら「日商簿記3級の勉強をされたらいいと思いますよ」とじーじは必ず答えていました。

✅ちょっと寄り道「複式簿記」


複式があるということは単式がある訳ですよ。

単式というのは、イメージとして小遣い帳や家計簿を思い描いてくれたらいいです。収入がいくらあって支出がいくら出ていったかを記録すればお終いです。

ところがこれでは経営実態が見えません。

例えば、ある月にノートパソコンを12万円で買いました。そしてこれを商売道具とするライターとして毎月5,000円の収入を得るとしましょう。

お金の出入りだけだと 収入5,000円 マイナス 支出120,000円 = ▲115,000円の赤字になってしまいます。

しかし簿記の世界では、12万円のパソコンが5年間使えるものだとすると、12万円を60か月で割った2,000円/月を月々の減価償却費として、損益を次のように計算します。

売上5,000円 マイナス 費用(減価償却費)2,000円 = 3,000円の黒字という見方をして、ビジネス実態を把握します。

しかも会計基準を世界的に合わせて同じ基準で企業を横並び比較ができるようにする道具が複式簿記の世界です。

こういった収益が出ているかどうかを見るものが損益計算書で、資産と負債・資本(純資産)の関係を表わしたものがバランスシート(貸借対照表)です。

※『クラウド会計ソフト「マネーフォワード クラウド会計」/会計の基礎知識 貸借対照表(バランスシート)とは?初心者向けの見方』より抜粋👇

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バランスシートでは、借方(かりかた)の資産の合計金額と貸方(かしかた)の負債+純資産の合計金額は、必ず一致(バランス)します。

ワニの口理論を論破しようとする方々は、必ずバランスシートを持ち出すのですが、ちょっと先にワニの口を見てみましょう。

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まずは矢野次官の言う一般会計の収支から見ていきましょう。

✅国の歳入と歳出はどうなっているのか?

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令和3年度(2021年)の一般会計の予算規模(歳出)が1990年の66兆円から106兆円に40兆円も増えている大きな要因は、社会保障費の伸びです。

30年間の経済無成長、要するにみなさんの給料が上がらなかったことを反映して税収は伸びていません。

それなのに歳出は伸びていく。

この構造問題を放置していたら駄目だというのが財務省の主張です。
そらそうですよね。
給料が伸びないのに毎月借金で贅沢をしていたらいつか破綻するぞという説明には説得力がありませんか?

これが事務方トップが「ワニの口」理論を振りかざす大きな要因です。
税収伸びずに歳出増加問題(借金が増える問題)なのです。

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その危機感は上のグラフ「人口動態」から来ています。
税金を払ってくれる働き手が減っていくことが見えているので深刻です。

他の統計は単なる予測ですが、この人口動態だけは「既に起こっている未来」ととらえる必要があり特に重要だとじーじは思いますよ。

✅この状況を打破するのに何が必要か?


「ワニの口」理論を持ち出して財務省が次に言い出すのは「緊縮財政」です。

しかしそれは「成長」の目を潰し既得権益者を満足させてお終いになる自殺行為だとじーじは思います。

地方が緊縮財政だとどうなるか?

これからますます老朽化していく社会インフラ(電気・水道・ガス・道路等)の更新が進まずに不幸な事故(和歌山でしたっけ橋に架かっていた水道管が崩壊したの)や水道事業を公的に支えられなくなっていきます。

7月5日、宮城県議会は、上下水道と工業用水の運営権を、20年間、民間企業(フランスの会社)に一括売却する議案を可決しました👇。

お金ない、働く人いない、若さという活力ない、「ないない尽くし」の日本。いったいどうすればいいのでしょうか?

後編で掘り下げてみましょう。

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