若年看護師と中高年看護師におけるプレゼンティーズムに関連する要因

若年看護師と中高年看護師におけるプレゼンティーズムに関連する要因

吉田 麻美1) ,三木 明子2)
1)    東北電力株式会社、  2) 筑波大学医学医療

DOI: https://doi.org/10.1539/sangyoeisei.17-019-B
(産衛誌2018; 60(2): 31-40)

P:若年看護師と中高年看護師
E:プレゼンティーイズムが高い
C:プレゼンティーイズムが低い
O:仕事のストレッサー、ワーカホリズム、失敗傾向

<対象>
2016年7~8月,A地方の設置主体が同じである全病院(10病院)に勤務する全看護師 2,006名を対象。
40歳以上を中高年看護師(以下,中高年)と定義し,それより若い40歳未満を若年看護師(以下,若年)と定義。

<評価>
・プレゼンティーイズム
Stanford Presenteeism Scale(SPS)をもとに和田らによって作成されたSPS13項目版の日本語版を使用

・仕事のストレッサー
三木らの看護師ストレッサー尺度を使用。8つの下位尺度からなる。

・ワーカホリズム
aufeliらのthe Dutch Workaholism Scale(DU-WAS)の日本語版を使用。2つの下位尺度からなり、合計10項目から構成されている。

・失敗傾向
Broadbentらが開発したCognitive Failures Questionnaire(CFQ)を元に作成された、山田の失敗傾向質問紙を使用。

<分析方法>
労働障害指数を従属変数とし,仕事のストレッサーとワーカホリズム,失敗傾向を独立変数とする重回帰分析(ステップワイズ変数選択法)を,若年と中高年それぞれに実施

<結果>
・若年
「仕事の困難さ(β = 0.28,p < 0.001)」のストレッサーの高さ
「働き過ぎ(β = 0.18,p < 0.001)」のワーカホリズムの傾向
「アクションスリップ(β = 0.14,p < 0.01)」および「認知の狭窄(β = 0.11,p < 0.05)」の失敗傾向
と有意な関連

・中高年
「認知の狭窄(β = 0.29,p < 0.001)」の失敗傾向
「働き過ぎ (β = 0.17,p < 0.001)」のワーカホリズムの傾向
「仕事の困難さ(β = 0.12,p < 0.05)」および「連絡・コミュ ニケーション不足(β = 0.13,p < 0.01)」のストレッサーの高さ
と有意な関連

■感想・学び
・労働生産性という観点から、人それぞれの仕事の効率化が図れる配分となっているか、労働量の偏りはどうか、コミュニケーションはとれているかの把握が重要。
・仕事効率が図れているかの現状を知るとともに技術・知識のアップデートによる人材育成も大切。
・世代による生産性への関与はわずかに違いがある。上記結果をもとに衛生委員会・所属科の管理、の在り方を少しずつ改善していきたい。

今日も最高の一日に。


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