脳卒中後の上肢運動機能障害の回復の予測: 混合モデル(Predicting Upper Limb Motor Impairment Recovery after Stroke: A Mixture Model)

脳卒中後の上肢運動機能障害の回復の予測: 混合モデル
Predicting Upper Limb Motor Impairment Recovery after Stroke: A Mixture Model
 
Rick van der Vliet1)2)
 
1 Department of Neuroscience, Erasmus University Medical Center, Rotterdam the Netherlands
2 Department of Rehabilitation Medicine, Erasmus University Medical Center, Rotterdam the Netherlands

PMCID: PMC7065018

<目的>
FM-UE 回復の縦断的混合モデルを開発し、FM-UE 回復サブグループを特定し、モデル予測を内部的に検証すること。
 
<対象>
・4つのコホート研究のデータを活用し、初発虚血性脳卒中患者 412 人(それぞれの研究の規定でFMAの測定する時期、回数は異なっている)
 
<方法>
・FM-UE回復の縦断的混合モデル
・ 412 人の FM-UE 測定値に当てはめ、エンドポイント予測と FM-UE 回復クラスター割り当てを交差検証
 
 
<結果>
・患者あたり平均 6.1 回の測定値 (標準偏差 [SD] = 1.9) があり、最初と最後の測定間の間隔は 26.2 週間 (SD = 2.0)。最初の FM-UE は、患者の 53% で最初の 72 時間以内、患者の 76% で最初の 1 週間以内、患者の 93% で最初の 2 週間以内に測定されていた。
・ベースラインの臨床スコアは予想どおり回復係数と相関していた。より好ましい臨床スコアはより高い回復係数と関連していた。
 ※検証されたアルゴリズムツールは、本論文中からダウンロードし使用することができる。※以下、ツールにFMAの測定日(週)と結果を入力後に現れる図の例
 


アルゴリズムのツールにFMAを入力後出てくる図の例


<感想・学び>
・脳卒中後3~6ヵ月間のエンドポイントであるFM-UEの予測可能性、および脳卒中後時間の関数としてのサブグループ割り当てを推定する。これらの結果は、脳卒中後6ヵ月間の回復パターンの理解に貢献するものである。と述べられている。また限界点として、利き手麻痺の重症者が少ないこと、高次脳機能の存在、今回は初発の虚血性脳卒中での検証のため出血性脳卒中の患者が同様の回復パターンを持っているか結論付けることが難しい、など限界点から今後の展望や課題も述べられている。
・しかし、臨床でFMA評価をすることで将来の回復予想ができることから自身の介入手法の妥当性を検証したり、予測に基づいたリハビリテーション内容の検討をする上で有用と感じた。
・本論文を、自身の事例報告でも考察として活用し、介入手段の妥当性を述べたが、まずは評価を定期的に行うことで、考察する質がさらに向上すると改めて感じた。経験値からの予測も重要だが、このようなアルゴリズムも活用できることが臨床の質をさらに高めると感じました。


今日も最高の一日に。

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